【事例紹介】狂犬病予防法違反、不正競争防止法違反で罰金刑
狂犬病予防法違反、不正競争防止法違反の罪で罰金刑を下された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
(前略)無登録で犬199匹を飼い、うち179匹に狂犬病ワクチンを接種させなかったとして、滋賀県東近江区検は24日までに、狂犬病予防法違反の罪で東近江市のブリーダーの男性(63)を略式起訴した。
(中略)ヨークシャーテリア1匹をチャンピオン犬の子と誤認させるような表示をし、19万3千円で販売した不正競争防止法違反の罪でも略式起訴した。ともに9日付。東近江簡裁は15日、罰金100万円の略式命令を出した。
一方、販売予定の犬に動物用医薬品を注射した獣医師法違反容疑については、起訴猶予となった。
(後略)
(11月24日 京都新聞 「179匹のわんちゃん、狂犬病ワクチン打たず ブリーダー男性に罰金100万円」より引用)
狂犬病予防法
狂犬病予防法第4条1項では、犬の所有者は犬を取得した日から30日以内に犬の登録を申請しなければならないと定めています。
また、狂犬病を予防するため、犬の所有者は毎年1回狂犬病の予防接種を受けさせなければなりません。(狂犬病予防法第5条1項)
今回の事例では、ブリーダーの男性が199匹の犬を無登録で飼い、その内の179匹の犬に狂犬病のワクチンを打たせてなかったとの報道がされています。
犬の登録と狂犬病のワクチンを打たせることは法律で義務付けられていますので、その義務に違反したことで、男性は狂犬病予防法違反で略式起訴されたということでしょう。
狂犬病予防法第4条、5条どちらに違反した場合も20万円以下の罰金が科されることになります。(狂犬病予防法第27条)
不正競争防止法
商品などの品質や内容などについて誤認させるような表示をし、譲渡すると、不正競争にあたります。(不正競争防止法第2条1項20号)
このような不正競争を行い有罪になった場合は、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金またはその両方が科されます。(不正競争防止法第21条2項1号)
今回の事例では、男性が商品であるヨークシャーテリアの内容について、チャンピオンの子であると誤認させるような表示を行い、販売(譲渡)したとされており、このような行為は不正競争防止法違反にあたります。
獣医師法
獣医師法第17条では、獣医師でなければ飼育動物(犬など)の診療を業務としてはならないと規定しています。
犬に動物用医薬品を注射する行為は飼育動物の診療にあたりますので、男性が犬に注射していた行為は獣医師法違反になります。
ですので、男性は獣医師法違反の容疑で捜査されていたのでしょう。
今回の事例では起訴猶予(不起訴処分)になっていますが、獣医師法違反で有罪になっていた場合には、2年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金またはその両方が科されることになります。(獣医師法第27条1号)
今回の事例のように商品に対して誤認させるような表示を行っていた場合、不正競争防止法違反に問われることがあります。
そのような場合に有罪になってしまうと、懲役刑を下される可能性がありますし、高額な罰金を科される可能性もあります。
しかし、示談交渉などの弁護活動によって、執行猶予や不起訴処分などの獲得を目指せるかもしれません。
また、狂犬病予防法違反や獣医師法違反についても、弁護士による検察官への働きかけなどによって、あなたにとってより良い結果を得られる可能性があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では無料法律相談を行っています。
不正競争防止法違反、狂犬病予防法違反、獣医師法違反でお困りの方は、ぜひ一度弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。