Archive for the ‘交通’ Category

【事例紹介】無免許で車を運転して同乗者にけがを負わせ、徒歩で逃走した事例

2024-02-09

【事例紹介】無免許で車を運転して同乗者にけがを負わせ、徒歩で逃走した事例

歩行者との事故

無免許で車を運転し、同乗者にけがを負わせ徒歩で逃走したとして、無免許過失運転致傷罪道路交通法違反の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

滋賀県警甲賀署は2日、自動車運転処罰法違反(無免許過失傷害)と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで、甲賀市水口町の無職の男(33)を逮捕した。
逮捕容疑は、(中略)乗用車を無免許で運転中、対向から右折してきた男性(75)のトラックに衝突、自身の車の助手席に同乗していた知人男性(55)に肝臓破裂など全治約2カ月のけがを負わせ、現場から徒歩で逃げた疑い。
(2月2日 京都新聞 「無免許運転で事故、助手席の知人が肝臓破裂なのに徒歩で逃走 容疑の運転手男逮捕」より引用)

無免許と過失運転致傷罪

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下、「自動車運転処罰法」といいます。)第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

過失運転致傷罪は、簡単に説明すると、車を運転するうえで必要な注意をせずに人にけがを負わせてしまった場合に成立します。

今回の事例では、右折してきたトラックに気づかずに追突し、同乗していた男性に肝臓破裂などのけがを負わせたとされています。
実際に容疑者がトラックに追突する事故を起こしており、その事故が周囲に注意していれば防げるような事故であったのであれば、過失運転致傷罪が成立する可能性があります。

また、自動車運転処罰法では無免許過失運転致傷罪を規定しています。

自動車運転処罰法第6条4項
前条の罪を犯した者が、その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは、十年以下の懲役に処する。

無免許過失運転致傷罪は、過失運転致傷罪が成立する行為を行った際に無免許運転だった場合に成立します。
無免許過失運転致傷罪の法定刑は10年以下の懲役であり、罰金刑の規定のある通常の過失運転致傷罪に比べて格段に科される罪が重くなっています。
今回の事例では、容疑者は無免許運転だと報道されていますので、無免許過失運転致傷罪が成立してしまうおそれがあります。

ひき逃げ

事故を起こした際の運転手の義務として、救護義務報告義務があります。
救護義務は負傷者を救護する義務、報告義務は事故を起こしたことを最寄りの警察署に報告する義務をいいます。
これらの義務を行わないことをひき逃げといいます。
救護義務報告義務は道路交通法第72条1項に規定されていますので、事故を起こした際に、負傷者の救護や警察への報告を行わなかった場合には、道路交通法違反が成立することになります。
ですので、ひき逃げはひき逃げ罪といった罪があるわけではなく、ひき逃げした際には道路交通法違反が成立します。

自分の運転が原因で事故を起こし、負傷者の救護を行わずに道路交通法違反で有罪になった場合には、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されます。(道路交通法第117条2項)

また、警察署へ事故の報告をせずに道路交通法違反で有罪になった場合には、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金が科されます。(道路交通法第119条1項17号)

今回の事例では、容疑者は事故を起こして同乗者にけがを負わせ、徒歩で逃走したとされています。
実際に、容疑者が同乗者の救護や警察署への事故の報告を行っていないのであれば、容疑者に道路交通法違反が成立する可能性があります。

ひき逃げと逮捕

逮捕されると72時間以内に勾留の判断が行われます。
勾留が決定した場合には、最長で20日間身体拘束を受けることになります。
弁護士は勾留が決定する前であれば、検察官や裁判官へ勾留請求に対する意見書を提出することができます。
勾留が決定してしまった後ではこの意見書を提出することはできませんから、早期釈放を目指す場合には、逮捕後72時間が勝負となります。

今回の事例のようにひき逃げ事件の場合には、一度事故現場から逃走しているわけですから、逃亡のおそれがあるとして勾留が決定してしまう可能性が高いです。
裁判所は犯罪を犯したと疑うのに足りる相当な理由があり、定まった住所がなかったり、逃亡や証拠隠滅のおそれがあるときには、容疑者を勾留することができます。(刑事訴訟法第60条1項)
ですので、ひき逃げ事件では逃亡のおそれがあると判断される可能性が高く、勾留されてしまう可能性が高いのです。

とはいえ、ひき逃げをしたからといって、必ずしも勾留が決定してしまうわけではありません。
勾留によって多大な不利益を被ってしまうことや、家族の監視監督によって逃亡のおそれがないことを検察官や裁判官に主張することで、勾留されることなく釈放してもらえる可能性があります。
ですので、ご家族が逮捕された場合には、早い段階で弁護士に相談をすることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービスを行っています。
弁護士に相談をすることで早期釈放を実現できる可能性があります。
ご家族が逮捕された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

【事例紹介】飲酒運転で逮捕 容疑を否認

2023-10-18

飲酒運転(酒気帯び運転)をしたとして、道路交通法違反の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

滋賀県警高島署は14日、道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで、高島市、(中略)の男(55)を逮捕した。
逮捕容疑は(中略)、同市マキノ町沢の県道で酒気帯び状態で軽トラックを運転した疑い。
同署によると、容疑者は信号待ちをしていた軽乗用車に後ろから追突し、呼気から基準値を超えるアルコールが検出されたという。「酒を飲んでいない」と容疑を否認している。
(10月14日 京都新聞 「信号待ちの軽乗用車に追突、酒気帯び運転疑いでコンサル業の男逮捕 滋賀」より引用)

飲酒運転と法律

道路交通法第65条第1項
何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。

道路交通法では、飲酒運転を禁止しています。
ですので、飲酒運転をした場合は道路交通法違反が成立することになります。

飲酒運転には、酒気帯び運転酒酔い運転があります。
酒気帯び運転とは、政令で定める基準以上にアルコールを保有した状態で運転をすることをいいます。
また、酒酔い運転とは、アルコールによって正常な運転ができない状態で運転をすることをいいます。

酒気帯び運転道路交通法違反で有罪になった場合は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金が科されます。(道路交通法第117条の2の2第1項第3号)
また酒酔い運転により道路交通法違反で有罪になった場合は、五年以下の懲役又は百万円以下の罰金が科されることになります。(道路交通法第117条の2第1項第1号)

今回の事例では、軽トラックを運転していた容疑者の呼気から、基準値を超えるアルコールが検出されたと報道されています。
政令が定める基準値を超えるアルコールを保有した状態での運転は酒気帯び運転として、道路交通法で禁止されていますので、実際に基準値を超えるアルコールが検出されたのであれば、容疑者に道路交通法違反が成立する可能性があります。

飲酒運転と弁護活動

飲酒運転道路交通法で禁止されていますので、事故の発生の有無にかかわらず、飲酒運転を行えば道路交通法違反という罪が成立することになります。
また、飲酒運転の一つである酒気帯び運転は、政令で定める程度以上にアルコールを保有している状態での運転を指しますので、直接お酒を飲まなくても、お酒を含んだお菓子を食べたことで、飲酒運転(酒気帯び運転)になってしまうおそれがあります。
今回の事例では、容疑者がお酒を飲んでいないと飲酒運転を否認しているようです。
もしかすると、事例の容疑者はアルコールを含んだ食品を食べたことで、飲酒運転(酒気帯び運転)の容疑をかけられたのかもしれません。

繰り返しになりますが、お酒を飲んでいなくても、政令で定める程度以上のアルコールを保有していれば道路交通法違反が成立する可能性があります。
ですが、飲酒運転(酒気帯び運転)をしてしまっても、弁護士が検察官に処分交渉を行うことで不起訴処分を獲得できる場合があります。
例えばアルコールを含んだお菓子などを食べて飲酒運転(酒気帯び運転)になってしまった場合は、お菓子を食べただけで飲酒運転(酒気帯び運転)になるとは思わなかったことやそう思ってしまっても仕方がない理由、今後アルコールを含んだ食べ物を食べた後に運転はしないことを誓っていることなどを検察官に訴えることで、不起訴処分を狙えるかもしれません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス無料法律相談を行っています。
酒気帯び運転酒酔い運転などの飲酒運転でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

【事例紹介】酒気帯び運転による事故で逮捕 滋賀県甲賀市

2023-03-23

滋賀県甲賀市水口町で起きた酒気帯び運転による事故で、過失運転致傷罪道路交通法違反の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

滋賀県警甲賀署は18日、自動車運転処罰法違反(過失運転致傷)と道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで、(中略)現行犯逮捕した。
逮捕容疑は(中略)同市水口町で乗用車を飲酒運転し、前方を走行していた乗用車に追突し、運転していた会社員男性(40)の首などに軽傷を負わせた疑い。
(3月18日 京都新聞 「飲酒運転で前方の乗用車に追突 容疑の60歳男を逮捕 滋賀・甲賀」より引用)

過失運転致傷罪

過失運転致傷罪は、刑法ではなく自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下「自動車運転処罰法」といいます)で規定されています。

簡単にいうと、車の運転中に過失により人にけがを負わせてしまった場合に、過失運転致傷罪が成立します。
過失運転致傷罪の法定刑は、7年以下懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金です。(自動車運転処罰法第5条)
また、けがの程度が軽いときには、刑罰が科されない場合があります。(自動車運転処罰法第5条)

今回の事例では、容疑者は前方を走行していた車に追突し、被害者の首に軽傷を負わせたとされています。
容疑者が前方不注視などの過失により追突事故を起こし、被害者にけがを負わせたのであれば、自動車運転処罰法違反が成立することになります。

酒気帯び運転

道路交通法第65条第1項では、酒気帯び運転を禁止しています。
酒気帯び運転とは、身体に血液1ミリリットルにつき0.5ミリグラム以上又は呼気1リットルにつき0.25ミリグラム以上のアルコールを保有する状態で運転する行為をいいます。

酒気帯び運転を行い、道路交通法違反で有罪になった場合には、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科されます。(道路交通法第117条の2の2第1項第3号)
また、お酒に酔い、正常な運転ができないおそれがある状態で車を運転することを酒酔い運転といいます。
酒酔い運転をした場合に、道路交通法違反で有罪になると、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されます。(道路交通法第117条の2第1項)

今回の事例では、容疑者が酒気帯び運転をしたとされています。
実際に、容疑者が道路交通法施行令で定められている程度以上のアルコールを保持していた場合は、酒気帯び運転にあたりますので、道路交通法違反が成立することになります。

交通事故と弁護活動

前述したように、過失運転致傷罪で有罪になると、7年以下懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金を科されます。
過失運転致傷罪では、相手のけがの程度が軽い場合には刑が免除される場合があります(自動車運転処罰法第5条)ので、過失運転致傷罪が成立したとしても、弁護士が検察官や裁判官に訴えることで、刑事罰を免除してもらえる可能性があります。

また、酒気帯び運転酒酔い運転を比べると、酒酔い運転の方が法定刑が重くなっています。
現に、酒酔い運転が成立すると判断された場合には、初犯であっても、公判請求されるケースが多くあります。
酒酔い運転したと認定するには合理的疑いが残ると判断してもらうためにも、取調べ対応が重要になってきます。
取調べの際に作成される供述調書は裁判の際に証拠として扱われますので、しっかりと取調べ対策を行うためにも、交通事故の豊富な弁護経験をもつ弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
酒気帯び運転などの飲酒運転や過失運転致傷罪でお困りの方は、ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回接見サービス、無料法律相談のご予約は、0120ー631ー881で受け付けております。

(事例紹介)人身事故後のひき逃げで逮捕された事例

2022-06-01

(事例紹介)人身事故後のひき逃げで逮捕された事例

~事例~

滋賀県警草津署は25日、自動車運転処罰法違反(過失運転致傷)と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで、滋賀県守山市に住むフィリピン国籍の飲食店経営の女(28)を逮捕した。

 逮捕容疑は、同日午前1時41分ごろ、滋賀県栗東市で軽乗用車を運転し、左折するため減速した甲賀市の男性(48)のオートバイに追突、首にけがを負わせてそのまま逃げた疑い。
(※2022年5月26日20:30京都新聞配信記事より引用)

~ひき逃げとその刑罰~

今回取り上げた事例では、ひき逃げをしたとして女性が検挙されていますが、ひき逃げとは、人身事故を起こした後、道路交通法に定められている義務を果たさずにそのまま事故現場から離れることを指します。
道路交通法では、人身事故を起こしてしまった場合、負傷者を救護する義務(いわゆる「救護義務」)や、警察署などに通報し事故を報告する義務(いわゆる「報告義務」)、道路上の危険を防止する措置をする義務(いわゆる「危険防止措置」)を定めています。
ひき逃げは、これらの義務に反するため、道路交通法違反という犯罪になるのです(「ひき逃げ」という罪名ではありません。)。

そして、ひき逃げ事件の場合、道路交通法の義務を果たさずにその場を離れたというひき逃げ行為以外にも、人身事故を起こしたこと自体についても罪が成立します。
この時成立する罪は、人身事故がどのように起きたか、例えば、わき見運転などの不注意による人身事故なのか、赤信号を殊更に無視するなどの危険運転行為による人身事故なのかといった事情によって異なります。
不注意=過失によって起こった人身事故であれば、今回取り上げた事例同様、自動車運転処罰法に定められている過失運転致傷罪となるでしょう。

さらに、無免許運転や飲酒運転といった事情があれば、それに対しても犯罪が成立することになります。

つまり、ひき逃げ事件では、人身事故を起こしたこと自体に成立する罪+義務を果たさなかったこと(ひき逃げ行為)による道路交通法違反の少なくとも2つの犯罪が成立し、無免許運転や飲酒運転の事情があれば加えてその犯罪も成立するという形になるのです。
今回取り上げた事例でも、検挙された女性には、人身事故を起こしたこと自体に対する過失運転致傷罪と、ひき逃げ行為をしたことに対する道路交通法違反の2つの犯罪の容疑がかけられていることが分かります。

人身事故に加えてひき逃げによる犯罪が成立することで、単純に犯罪の数が増えていることや、義務を果たさずにその場から離れるという悪質性の高い行為をしていることから、ひき逃げ事件では単純な人身事故事件よりも起訴され正式な刑事裁判を受ける可能性や厳しい処分を受ける可能性が高いと考えられます。

例えば、過去には以下のような裁判例があります。
・普通貨物自動車の運転中、横断歩道上の歩行者に気が付かず衝突し、加療約11日の怪我を負わせた人身事故を起こし、警察への報告義務を果たさなかったというひき逃げ事件で、被害者との示談が成立し懲役10月執行猶予3年となった事例(判決:平成26年5月)
・普通乗用車の運転中、一時停止標識を無視して一時停止をせず、普通乗用車と衝突し、同乗者に加療約22日間の怪我を負わせた人身事故を起こし、警察への報告義務を果たさなかったというひき逃げ事件で、懲役1年執行猶予4年が言い渡された事例(判決:平成26年8月)
・普通乗用自動車の運転中、前方左右の安全確認を怠り、被害者と衝突し、加療約94日の怪我を負わせた人身事故を起こし、警察への報告義務を果たさなかったというひき逃げ事件で、懲役1年6月執行猶予3年が言い渡された事例(判決:平成25年4月)
(参照:第一東京弁護士会刑事弁護委員会・編(2018)『量刑調査報告集Ⅴ』第一東京弁護士会)

もちろん、刑罰の重さは人身事故の態様や原因、被害者が亡くなっているのか、けがの重さはどの程度か、被害弁償はできているのかといった様々な事情に左右されますので、詳細な見通しなどは弁護士に相談してみることが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、ひき逃げ事件に関連したご相談・ご依頼も承っています。
在宅捜査されている方向けの初回無料法律相談から、逮捕・勾留中の方向けの初回接見サービスまで、様々なご事情に合わせたサービスをご用意していますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

集団暴走で高校生の子どもが逮捕されてしまった!

2021-12-22

集団暴走で高校生の子どもが逮捕されてしまった!

集団暴走で高校生の子どもが逮捕されてしまったというケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

Aさんは、滋賀県高島市に住んでいる18歳の高校生です。
Aさんは、大晦日の夜に、友人のXさんら6人でバイク3台に分乗すると、滋賀県高島市内の道路を蛇行運転したり信号無視をしたりといった集団暴走をしました。
Aさんらがパトロール中の滋賀県高島警察署の警察官らの前でバイクを空ぶかしさせたり爆竹を鳴らしたりしたことから警察官らがAさんらを追跡。
最終的に、Aさんたちは滋賀県高島警察署集団暴走による道路交通法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの母親Bさんは、帰宅しないAさんを心配して滋賀県高島警察署に相談したところ、逮捕され留置されていることが判明しました。
警察官から、「本日から明日は会えないと思う。詳しいことも話せない」と伝えられたBさんは困ってしまい、少年事件に対応している弁護士に相談してみることにしました。
(※令和3年12月7日YAHOO!JAPANニュース配信記事を基にしたフィクションです。)

・集団暴走で子どもが逮捕された!

今回の事例のAさんは、友人のXさんらと一緒に3台のバイクに乗り、一緒になって蛇行運転や信号無視をする集団暴走をしています。
こうした集団暴走行為は、交通事故を誘発する可能性のある、非常に危険な行為です。
そのため、集団暴走行為は「共同危険行為」として道路交通法によって禁止されています。

道路交通法第68条(共同危険行為)
二人以上の自動車又は原動機付自転車の運転者は、道路において二台以上の自動車又は原動機付自転車を連ねて通行させ、又は並進させる場合において、共同して、著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる行為をしてはならない。

道路交通法第117条の3
第68条(共同危険行為等の禁止)の規定に違反した者は、2年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

集団暴走という単語からは、暴走した人数や自動車・バイクなどの数が多くなければ犯罪にならないように思えますが、道路交通法にある通り、人数は「二人以上」、自動車・バイクなどの数は「二台以上」であればよいため、例えば2人が2台のバイクや自動車などに分乗して暴走行為をしても集団暴走、「共同危険行為」として道路交通法違反という犯罪になります。
道路交通法での「共同危険行為」とは、このように複数人が複数の自動車やバイクなどを連ねて又は並べて道路を運転する際、一緒に著しい道路上の危険や他人への迷惑を発生させることが該当の条件となっています。
今回のAさんらの集団暴走行為では、蛇行運転や信号無視といった行為が行われています。
先ほども触れたように、蛇行運転や信号無視は交通事故を引き起こし得る、非常に危険な行為であることに間違いありませんから、Aさんらは複数人・複数台で「共同して、著しく道路における交通の危険を生じさせ」たと考えられるでしょう。
こうしたことから、Aさんらは集団暴走行為をしたことによる道路交通法違反(共同危険行為)と判断され、逮捕されたのでしょう。

さて、今回の事例のAさんは、滋賀県高島警察署逮捕されています。
集団暴走行為によって刑事事件・少年事件となった場合、逮捕によって身体拘束されてしまうケースも珍しくありません。
集団暴走行為は当然複数人で行われるものですから、事件関係者が複数人存在することになります。
そうなると、口裏合わせなどによって証拠隠滅されてしまうおそれがあるとして、逮捕によって身体拘束をした上で捜査を進めるという判断がされる場合が出てくるのです。

さらに、今回の事例のAさんのように、少年事件である場合には、捜査が終了した後も、更生のためには集団暴走行為をする環境から切り離すべきと判断される可能性もあります。
そういった場合、当事者が予想していたよりも長期間に渡って身体拘束が続いてしまい、身体的・精神的負担が大きくなってしまうことも心配されます。
弁護士などの専門家の力を借りることで、釈放を求めたり、逮捕などによる身体拘束中の負担を減らすべくサポートをしたりすることができます。
まずは弁護士に相談してみましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、集団暴走によって子どもが逮捕されてしまったというお悩みにも迅速に対応できるよう、お問い合わせ用フリーダイヤルを設置しています。
まずはお気軽に問い合わせください。

飲酒運転で刑事裁判に発展してしまったら

2021-12-04

飲酒運転で刑事裁判に発展してしまったら

飲酒運転で刑事裁判に発展してしまった事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

Aさんは、滋賀県彦根市に住んでいる会社員です。
Aさんは、通勤に自動車を利用していたのですが、ある日、会社帰りに居酒屋で飲食した際、飲酒していたにもかかわらず、「いつも通っている道なのだから大丈夫だろう」と自動車を運転して帰路につきました。
しかし、その道中、滋賀県彦根警察署の警察官が飲酒検問をしており、Aさんの飲酒運転が発覚しました。
Aさんは過去に飲酒運転で罰金となったことがありましたが、「事故を起こしたわけでもないのだから交通違反程度のことだろう。今回も罰金を支払って終わりだろう」と考えていました。
そのAさんの考えに反し、Aさんは取調べのために訪れた検察庁で、「起訴して刑事裁判になる」という話を聞きました。
驚いたAさんは、滋賀県の刑事事件に対応している弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・飲酒運転でも刑事裁判になる

多くの方がご存知の通り、飲酒運転は犯罪です。
道路交通法では、飲酒運転を「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」に分けて禁止しています。

道路交通法第65条第1項(注:酒気帯び運転)
何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。

道路交通法第117条の2の2(注:酒気帯び運転の刑罰)
次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第3号 第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等(軽車両を除く。次号において同じ。)を運転した者で、その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつたもの

道路交通法第117条の2(注:酒酔い運転とその刑罰)
次の各号のいずれかに該当する者は、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
第1号 第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等を運転した者で、その運転をした場合において酒に酔つた状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。以下同じ。)にあつたもの

このうち、道路交通法第65条第1項のものが「酒気帯び運転」、道路交通法第117条の2第1号のものが「酒酔い運転」と言われる飲酒運転です。
酒気帯び運転は基準値以上のアルコールが検出された場合(呼気1リットルあたり0.15mg以上)に当てはまる飲酒運転であり、そのうち酒に酔っている程度が強いもの(例:千鳥足になっている、ろれつがまわっていないなど)は酒酔い運転となるイメージです。

飲酒運転と聞くと、単なる交通違反のイメージがある方もいらっしゃるかもしれませんが、刑罰を見ると懲役刑なども設定されていることが分かります。

・飲酒運転は単なる交通違反ではない?

交通違反のうち、軽微な交通違反は反則金制度(交通反則通告制度)の対象とされています。
反則金制度とは、簡単に言えば、軽微な交通違反の場合に反則金を納めることで、刑事手続・少年保護手続を受けないようにするという制度で、反則金を納めれば、出頭する必要もなくなります。
こうした反則金制度もあってか、交通違反と刑事事件、刑事裁判が結びつきにくい方も多いでしょう。

しかし、この反則金制度は、全ての交通違反について適用されるというわけではありません。
今回の事例のAさんの飲酒運転も、反則金制度の対象外となる交通違反です。
そのため、飲酒運転をしてしまえば、反則金を納める納めないにかかわらず、刑事事件化してしまいます。
飲酒運転の他にも、無免許運転などが反則金制度の対象外となる交通違反として挙げられます。

先ほども触れたように、飲酒運転には懲役刑=刑務所へ行く刑罰も定められているため、繰り返してしまったり態様が悪質だったりすれば、起訴されて正式な刑事裁判となります。
刑事裁判には入念な準備をもって臨む必要がありますし、そうでなくても刑事事件には一般の方が把握できていない権利や手続き、注意点があります。
飲酒運転事件にお困りの際は、弁護士にお早めにご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、飲酒運転事件を含めた交通に関わる刑事事件も取り扱っています。
お気軽にご相談ください。

集団暴走による少年事件

2021-07-28

集団暴走による少年事件

集団暴走による少年事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~事例~

滋賀県高島市に住んでいる高校3年生のAさんは、友人達とバイクを運転することを楽しみにしていました。
Aさんらは、複数回運転を繰り返すうち、「もっと自由にみんなで走りたい」と思うようになり、そのうち複数人で蛇行して道路を走ったり、横並びになって道路を占拠するようにしてバイクを走らせたりするようになりました。
周辺では集団暴走に困っているという通報が相次ぐようになり、滋賀県高島警察署が見回りを強化。
Aさんらがいつものようにバイクを走らせていたところ、巡回していた滋賀県高島警察署の警察官がAさんらの集団暴走行為を発見し、Aさんらは道路交通法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの家族は、警察官からの連絡でAさんの逮捕を知ると、滋賀県の少年事件を取り扱っている弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・集団暴走は犯罪になる?

今回の事例のAさんは、複数人の友人達と一緒にバイクを走らせているうちに、集団暴走をしてしまって逮捕されるに至ったようです。
集団暴走行為はいけないことだ」というイメージを持たれている方は多いかもしれませんが、どのような犯罪のどの部分に当たることになるのかまでご存知の方は少ないかもしれません。
ここからは、集団暴走をするとどういった犯罪に問われることになるのか確認してみましょう。

まず、道路交通法では以下のような条文が定められています。

道路交通法第68条
2人以上の自動車又は原動機付自転車の運転者は、道路において2台以上の自動車又は原動機付自転車を連ねて通行させ、又は並進させる場合において、共同して、著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる行為をしてはならない。

この条文は、一般的に「共同危険行為等の禁止」を定めているとされています。
「共同危険行為」とは、条文の中にある「2人以上の自動車又は原動機付自転車の運転者」が「道路において2台以上の自動車又は原動機付自転車を連ねて通行させ、又は並進させる場合において、共同して、著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる行為」をすることを指します。
この共同危険行為と今回問題となっている集団暴走行為を比較してみましょう。

集団暴走行為をした場合、そもそも複数人で集団暴走行為をするわけですから、この「2人以上の自動車又は原動機付自転車の運転者」が主体になります。
そして、Aさんらは複数人でバイクを並べて道路を走らせていたわけですから、共同危険行為のいう「道路において2台以上の自動車又は原動機付自転車を連ねて通行させ、又は並進させる場合」にも当てはまりそうです。
さらに、Aさんらはその状態で一緒になって蛇行運転や道路を占拠するように広がった形での運転をしていますが、これらは非常に危ない、もしくは迷惑になる行為と考えられますので、「共同して、著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる行為」と考えられるでしょう。
こうしたことから、態様にもよるものの、集団暴走行為は道路交通法のいう「共同危険行為」に当てはまり、道路交通法違反となる場合が考えられるのです。

・集団暴走と少年事件

Aさんの事例のように、被疑者が未成年の場合は少年事件として処理されることになります。
少年事件では、基本的に終局処分として刑罰が科されることはありません。
しかし、だからといって何も処分されずに事件が終わるというわけではなく、少年には「保護処分」という処分が下されることが一般的です。
「保護処分」とは、簡単に言えば少年を更生させるために行われる処分のことです。
例えば、保護観察処分では、保護司や保護観察所の職員が定期的に連絡を取りながら社会内での少年の生活を見守りアドバイスすることで少年の更正を目指します。
対して、少年院送致の処分が取られれば、少年は少年院という施設の中で、今までの環境と自分を切り離して教育等を受けながら更生を目指していくことになります。
これらの処分は刑罰ではなく、あくまで少年の更正のための処分です。

集団暴走事件では、少年が集団で犯罪をしているという特徴から、少年の更正のためにその集団との距離を置くべきである=今までの環境から切り離して更生を目指すべきであるという観点から、少年院などの施設送致が検討されることも少なくありません。
もちろん、先ほど触れたように少年院に行くことは刑罰ではなく少年の更正のために行くものであるため、全く少年のためにならないことであるわけではありません。
しかし、少年院に行くということは、ある程度の期間を社会から切り離されて過ごさなければならないということでもありますから、少年の進路等によっては少年院に行くことが大きな影響を及ぼすこともあります。

だからこそ、より適切な処分を求めていくことが重要なのですが、そのためには社会内で少年が更生できるような環境を整え、その環境を主張していくことが必要です。
こうした環境調整が少年事件の弁護活動・付添人活動の特徴の1つと言えるでしょう。
少年事件独特の手続もあるため、少年事件に対応している弁護士に早い段階から相談・依頼しておくことが重要と言えます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件だけでなく少年事件も取り扱っている法律事務所です。
集団暴走による少年事件についてお困りの際や、少年事件についてお悩みの際には、お気軽に弊所弁護士までご相談ください。
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