逮捕されたら

1 逮捕とは

逮捕とは、犯罪を行なったと疑われている人(いわゆる「容疑者」。正式には「被疑者」といいます。)が逃げたり、証拠を処分したり、他の人と口裏を合わせたりすることを防ぐ目的で、身体を比較的短期間拘束する処分です。

比較的短期間というのがどのくらいの長さかというと、基本的には72時間です。ただし、逮捕したのが誰なのかによって若干異なります。

 

2 逮捕の種類

逮捕には、通常逮捕、現行犯逮捕、緊急逮捕の3種類があります。

まず、通常逮捕とは、裁判官が出した許可状(いわゆる「逮捕状」。)に基づいて、被疑者の身体を拘束することです。自宅に警察官が押し寄せて逮捕するというシーンをニュースやドラマなどで見かけたことがあるかと思いますが、それはこの通常逮捕を行っているシーンです。

次に、現行犯逮捕とは、犯罪を行っている人や、犯罪を行い終わった直後の人を逮捕することです。この場合、逮捕状はいりません。また、現行犯逮捕は、警察官などではない一般の方でも行うことができます。

そして、緊急逮捕とは、一旦、逮捕状のない状態で逮捕した上で、事後的に裁判官に逮捕状を出してもらう逮捕です。もっとも、緊急逮捕が行えるのは、現行犯逮捕できるような犯行の直後ではありませんが、その人が犯罪を行なったと高度に疑われる場合で、逮捕状をとる余裕のない緊急の場合に、限られます。

 

3 逮捕されたらどうなるか?

逮捕されると、通常、警察の留置場というところに入れられ、身体拘束されることとなります。

最長で72時間拘束され、この間に、警察や検察からの取調べを受けます。

その後、検察官が、より長期の身柄拘束(「勾留」といいます。)をすべきかどうかを判断します。

その結果、勾留すべきとなれば、検察官は、裁判所に対して勾留を請求し、裁判所が、勾留すべきかどうかを決めます。

検察官が勾留請求をすると多くの場合認められますから、最初10日間、最長20日間身体拘束されることとなります。

 

4 逮捕に関してのQ&A

①警察官が自宅に来て連れていかれてしまいました。これは逮捕ですか?

逮捕状を示していれば、逮捕です。

逮捕状を示されていなければ、任意同行ということになります。

しかし、警察は逮捕状を持っていたとしても、いきなり逮捕をせず、最初は任意同行を求めるということがあります。そのため、任意同行だからといって、その後も逮捕されないとは限りません。

 

②警察から呼び出しがあったのですが、出頭しないと逮捕されますか?

直ちには逮捕されませんが、逮捕される可能性は上がります。

出頭しないことが繰り返される場合には、逃亡のおそれなどがあるのではないかと疑われます。そのため、逮捕の可能性が上がるといえます。

警察からの出頭要請があった場合で、どうしても時間帯の都合がつかない場合などには、日時をずらしてもらえないか依頼することが無難といえます。

 

③逮捕された場合、家族と連絡は取れますか?

原則として取れません。

逮捕されていると、ご家族の方は面会することができません。また、本人が携帯電話を持っていても、中で使用することができないため、電話連絡もできません。

連絡を取るためには、弁護士を通してやり取りするほかありません。

 

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