景品表示法違反事件を弁護士に相談
景品表示法違反事件を弁護士に相談するケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
〜事例〜
滋賀県彦根市で会社を営んでいるAさんは、実際の商品はX国産のものであるにもかかわらず国産であるという表示をして商品を販売していました。
しかし、これが景品表示法に違反する表示であると指摘され、消費者庁から措置命令が出されました。
それにもかかわらず、Aさんは表示を変えることなく商品を販売し続けました。
すると、Aさんの元に滋賀県彦根警察署から景品表示法違反の容疑で話を聞きたいという連絡が入りました。
Aさんは途端に不安になり、弁護士に今後の対応について相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・景品表示法とは?
景品表示法とは、正式名称を「不当景品類及び不当表示防止法」という法律です。
景品表示法では、商品やサービスの内容や価格等の広告での表示や、商品やサービスについている景品を規制しています。
例えば、誇大広告や嘘の広告があれば、その商品を購入する消費者は正しい判断をして商品を購入することができなくなってしまいます。
こうしたことを防ぐために、景品表示法では広告での表示や商品・サービスについている景品についての規制をしているのです。
今回は、上記の事例にあるAさんがしてしまっている「表示」の違反について簡単に確認してみましょう。
景品表示法では、「表示」について以下のように規定しています。
景品表示法第5条
事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。
第1号 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの
第2号 商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの
第3号 前二号に掲げるもののほか、商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認めて内閣総理大臣が指定するもの
これらはそれぞれ「優良誤認表示」「有利誤認表示」「その他誤認されるおそれがある表示」などとも呼ばれています。
例えば本当は外国産なのに国内産と表示する産地偽装や、常に行っているキャンペーンにもかかわらず「期間限定」と銘打っている表示などがこれらにあたります。
しかし、これらの景品表示法に違反する表示をしてしまったとしても、すぐさま刑事事件となるわけではありません。
景品表示法では、刑罰について以下のように規定されています。
景品表示法第36条
第1項 第7条第1項の規定による命令に違反した者は、2年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。
第2項 前項の罪を犯した者には、情状により、懲役及び罰金を併科することができる。
「第7条第1項の規定による命令」とは、措置命令と呼ばれる命令のことを指します。
措置命令は、先ほど挙げた景品表示法に違反する「表示」などをしている事業者へ、「表示」の差し止めや改善といったことを命じる命令です。
景品表示法では、まずこういった措置命令などの行政処分が行われ、それに反した場合刑罰など刑事処分が行われるという流れになるのです。
今回のAさんは、すでに景品表示法による措置命令が下されていたにもかかわらず、それに従わなかったことから景品表示法違反事件として刑事事件化してしまったのでしょう。
なお、犯行態様によっては詐欺罪など別の犯罪が成立する可能性もありますから、詳しい事情とともに弁護士に相談することが望ましいでしょう。
景品表示法違反事件など、聞き慣れない刑事事件ではどのように対応すべきかわからないことも多いでしょう。
だからこそ、刑事事件の専門家である弁護士にサポートを受けるメリットは大きいと言えます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回無料法律相談も受け付けていますから、まずは相談だけでも受けてみたいという方にも気軽にご利用いただけます。
0120ー631ー881ではいつでも弊所弁護士によるサービスをご案内していますので、遠慮なくお問い合わせください。