少年院と刑務所・鑑別所は何が違う?

少年院と刑務所・鑑別所は何が違う?

少年院刑務所鑑別所は何が違うのかということについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

〜事例〜

滋賀県大津市に住んでいるBさんの息子Aさん(16歳)は、市内の路上で強制わいせつ事件を起こし、滋賀県大津北警察署に逮捕されました。
逮捕の知らせを受けたBさんは、滋賀県大津北警察署に行ってみましたが、Aさんと会うことはできず、警察官に「今回の事件以外にも近隣で似たような事件が起きている。何件も起こしているのであれば少年院に行くかもしれない」と言われました。
Bはその話を聞いて不安になり、少年事件も多く取り扱っている弁護士に相談し、少年院について詳しく聞いてみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・少年院と刑務所は何が違うのか?

少年事件の終局処分の1つに、少年院送致という処分があります。
多くの人がイメージされるように、少年院送致となれば、少年は少年院に収容され、その中で一定期間暮らすことになります。
犯罪をした少年が行く場所というイメージから、少年院と聞くと「成人の刑事事件で言う刑務所だろう」「刑務所に行くのと同じだろう」とイメージされる方もいるかもしれません。
しかし、刑務所少年院は根本的に異なる施設です。

少年事件では、原則的に「少年が更生するためにはどういった処分が適切か」ということが考えられ、最終処分が決められ、少年の更生のための処分が下されます(保護処分)。
刑罰はしてしまった犯罪の罰であるのに対し、保護処分はあくまで少年が更生できるように取られる処分であるため、刑罰と保護処分は性質が異なります。
少年院送致も少年を更生させるための処分(保護処分)であり、少年院は少年の健全な育成を図ることを目的として、矯正教育・社会復帰支援等を行う施設です。
成人の刑務所は刑罰として収容される場所ですが、少年院は少年を更生させるための場所なのです。

ここで、少年の入る少年刑務所という場所があることに疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれません。
少年院少年刑務所はどのような違いがあるのでしょうか。
少年刑務所は、いわゆる「逆送」をされ、刑事手続を受けて裁判で有罪判決を受けた少年の入る施設です。
少年刑務所では、社会復帰・再犯防止のための教科指導や改善指導以外に刑務作業(一般作業や職業訓練)も行われます。
少年刑務所はその名前の通り、少年のための「刑務所」であるので、犯罪の責任を問うて刑を執行し、改善更生を図る刑事施設なのです。
そういった点で、少年刑務所は矯正教育を中心とした処遇となる少年院と異なるのです。

・少年院と鑑別所は何が違うのか?

刑務所と同様、少年院と混同されがちな少年事件で登場する施設に、(少年)鑑別所という施設があります。
少年事件を起こして鑑別所に行く、という流れを聞いたことのある方もいらっしゃるかもしれません。

簡単に言えば、鑑別所少年事件を起こした少年について専門的な調査をするための場所です。
この調査は少年事件の最終処分を出すために行われるものです。
つまり、鑑別所少年事件の手続きの途中で少年が入る可能性のある施設で、少年院少年事件の終局処分として少年が入る可能性のある施設であるということになります。
よく「悪質な少年事件では鑑別所に行く」というようなことも言われますが、鑑別所に行って少年事件が終了するというわけではないのです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、成人の刑事事件だけでなく、少年事件のご相談・ご依頼も承っています。
少年院送致が考えられるような少年事件も、刑事事件・少年事件専門の弁護士だからこそ、安心してご相談いただけます。
少年院についての不安も、少年事件の手続き・対応についてのお悩みも、まずは弁護士にご相談ください。
逮捕・勾留や観護措置を伴う少年事件にお困りの方は初回接見サービスを、在宅での捜査・調査を受けている方は初回無料法律相談をぜひご利用ください。
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