「卑わいな言動」で迷惑防止条例違反

「卑わいな言動」で迷惑防止条例違反

卑わいな言動」で迷惑防止条例違反となったケースについて,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

滋賀県米原市のAさんは,滋賀県米原市内の路上を走行中のバス車内で,後ろに座っていた20代の女性客であるVさんに対し,「1万円でパンツを売ってください」という文面を表示させたスマートフォンの画面を見せました。
Vさんが嫌がっているにも関わらずAさんがそうした行為を続けたため,Vさんはバスの運転手に被害を申し出ました。
バスの運転手が滋賀県米原警察署に通報し,Aさんは滋賀県迷惑防止条例違反卑わいな言動)で滋賀県米原警察署の警察官に逮捕されました。
(フィクションです。)

~迷惑防止条例違反(卑わいな言動)~

迷惑防止条例は,各都道府県が定めている条例で,市民に迷惑を与える様々な行為を禁止し,罰則を定めたものです。
滋賀県の場合,滋賀県迷惑行為等防止条例という迷惑防止条例が定められています。

この迷惑防止条例では,性犯罪についても規定があります。
迷惑防止条例で取り締まられている性犯罪の代表的なものは痴漢や盗撮などですが,都道府県によっては,迷惑防止条例で痴漢や盗撮以外の性犯罪として,公共の場所での「卑わいな言動」を禁止し,罰則を設けているところもあります。

滋賀県の場合,公共の場所での卑わいな言動を行った場合,6月以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられます(滋賀県迷惑防止条例3条1項3号,同条例11条1項1号)。
なお,常習として「卑わいな言動」行った場合には,1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられます(滋賀県迷惑防止条例11条2項)。

滋賀県迷惑防止条例3条1項
何人も、公共の場所または公共の乗物において、みだりに人を著しく羞恥させ、または人に不安もしくは嫌悪を覚えさせるような次に掲げる行為をしてはならない。
1号 直接または衣服その他の身に着ける物(以下「衣服等」という。)の上から人の身体に触れること。
2号 人の下着または身体(これらのうち衣服等で覆われている部分に限る。以下「下着等」という。)をのぞき見すること。
3号 前2号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。

滋賀県迷惑防止条例11条1項
次の各号のいずれかに該当する者は、6月以下の懲役または50万円以下の罰金に処する。
1号 第3条の規定に違反した者

滋賀県迷惑防止条例11条2項
常習として前項の違反行為をした者は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処する。

この迷惑防止条例に定められている「卑わいな言動」についてですが,ある言動が「卑わいな」ものといえるか否かは,行為者の主観的意図によらず,その言動を客観的に見て,社会通念上,性的道義観念に反する下品でみだらなものといえるかどうかにより決すべきと解されています。
このような観点から今回のAさんの行為について見ると,「1万円でパンツを売ってください」と表示された画面をしつこくVさんに見せることは,卑わいな言動に当たるといえそうです。
迷惑防止条例違反というと,痴漢や盗撮のイメージが強いかもしれませんが,このような「卑わいな言動」でも迷惑防止条例違反として刑事事件になりうるのです。

卑わいな言動による迷惑防止条例違反事件の依頼を受けた弁護士の活動としては,卑わいな言動をしてしまったことについて争いがない場合には,被害者に謝罪と賠償を行い,示談交渉をしていくことが考えられます。
弁護士が被害者と交渉し早期に示談が成立すれば,不起訴処分によって前科がつかずに済む可能性もあります。
性犯罪事件では,被害者の処罰感情や恐怖が強いことも多く,当事者が直接謝罪や示談交渉をすることが難しいです。
第三者であり専門家である弁護士に依頼し,示談交渉をするのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,卑わいな言動による迷惑防止条例違反事件のご相談も受け付けています。
そもそも自分の言動が「卑わいな言動」に当たるのかどうか,当たるとしてどういった弁護活動が可能なのか,弁護士に相談してみましょう。
お問い合わせは0120-631-881までお電話ください。

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