1 少年事件とは
未成年の人については、通常の刑事事件で成人に適用される刑事訴訟法だけではなく、少年法という別の特別な法律が適用されます。
一般には、少年法が適用される事件を少年事件と呼んでいます。
具体的には少年事件のページをご覧ください。ここでは、成人の事件との違いのみを挙げていきます。
2 逮捕されるとどうなるか?
少年が逮捕(最長72時間の比較的短期間の身体拘束をいいます。)されても、成人と変わることはありません。警察に逮捕され、成人と同じように取調べを受けることとなります。
3 勾留段階の違い
しかし、勾留(逮捕に引き続いて行われる最大20日間の身柄拘束をいいます。)されるとなると、少し異なる点が出てきます。
まず、18歳未満の少年については、勾留するために必要な要件が増えます。具体的には、少年の場合には「やむを得ない場合」にしか勾留請求できないとされています。
次に、通常の勾留ではなく勾留に代わる観護措置というものを選択することができます。勾留される場合には留置場に入れられるのですが、観護措置の場合は少年鑑別所に入れられることになります。期間としても、通常の勾留は最初10日間で延長が認められるとさらに10日間の最長20日間ですが、勾留に代わる観護措置の場合は延長が認められないので10日間だけになります。
4 検察官の処分に関する違い
成人の場合、犯罪となるような場合でも、今回は裁判にかけないという起訴猶予という選択肢があります。
しかし、少年の場合には、検察官が犯罪は成立しないと考えた場合は別として、罪となると考えた場合には、必ず家庭裁判所に送致されます。
5 逮捕された少年の身柄
成人の場合は、保釈が認められない限り、逮捕後の勾留が起訴後も継続します。逮捕された少年の事件が、家庭裁判所に送られると、多くの場合、少年鑑別所というところに移されて、観護措置という形で身体拘束が続きます。
少年鑑別所では、少年の資質を計る様々な試験や課題が課されます。
6 少年審判
成人の場合、公開の法廷で裁判を受けることとなりますが、少年の場合は、非公開の法廷で少年審判を受けることとなります。
そして、少年審判の結果下されるのは、成人のような懲役・禁錮・罰金等の刑罰ではなく、不処分・保護処分・逆送(成人と同じように裁判にかけるという処分をいいます。)という処分になります。
7 刑事裁判になってしまった場合
少年が逆送され、刑事裁判を受ける場合でも、成人と異なる点があります。具体的には死刑・無期の刑に処するのを相当とする場合に刑の緩和が行われるほか、18歳未満の少年については不定期刑という刑期を定めない判決をすることができます。
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