逮捕なしの少年事件と弁護士

逮捕なしの少年事件と弁護士

逮捕なしの少年事件弁護士について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

中学3年生のAさんは、滋賀県守山市内に外出した際、市内の駅構内で、駅の利用客である女性Vさんのスカートの中を盗撮してしまいました。
駅員がAさんの盗撮行為を目撃して滋賀県守山警察署に通報したことで、Aさんは盗撮事件の被疑者として滋賀県守山警察署まで任意同行されました。
Aさんは警察署で取調べを受けた後、両親の迎えを受けて逮捕されることなく自宅へ帰されました。
Aさんの両親は、逮捕されずに帰宅を許されたことから、弁護士に相談するなどの対応はしなくてよいのではないかと思っていましたが、インターネットなどで調べたところ、逮捕されていない少年事件でも弁護士に相談した方がよいとの記事が出てきたため、どうしようか悩んでいます。
(※この事例はフィクションです。)

・逮捕なしの少年事件と弁護士

上記事例のAさんは、盗撮事件を起こしたことから滋賀県守山警察署に任意同行された後、逮捕されることなく帰宅を許されたようです。
多くの場合、逮捕されずに捜査が進むということになれば、何度か警察などに呼び出しを受けて取調べを受けるという流れをたどります。
こうした逮捕なしの刑事事件少年事件は、被疑者・被告人となった人が通常の生活を送りながら=家で暮らしながら刑事手続きが進められることから、在宅事件とも呼ばれます。

逮捕されずに手続きが進んでいく在宅事件の場合、取調べなどで呼び出されること以外に日常生活に大きな変化が見えないため、切迫性に欠ける印象を受けるかもしれません。
「重大な刑事事件少年事件を起こすと逮捕される」というイメージのせいで「逮捕されていないのであればたいしたことではない」と考えられる方もいらっしゃるかもしれません。
ですから、Aさんの両親のように、逮捕されていないのであれば弁護士への相談等はいらないと考えられる方も少なくありません。
しかし、逮捕されていない在宅事件においても弁護士の役割は非常に大きいものとなります。

例えば、上記事例のAさんのような場合、成人の刑事事件とは異なる少年事件として手続きが進んでいくことになります。
少年事件の場合、たとえ捜査段階で逮捕されずに在宅事件として進められていたとしても、事件が家庭裁判所に送致された後、観護措置という措置が取られる可能性があります。
観護措置となれば、その少年は一定期間(平均的には4週間程度)、鑑別所に収容されることとなってしまいます。
そうなれば、学校へ行けなかったり、就業先に行けなかったりといった不都合が出てくることはもちろん、少年本人や家族にも負担がかかってしまうことになりかねません。

そして、家庭裁判所へ送致されるまでの取調べ等の手続きは、成人の刑事事件とほとんど同様の手続きによって行われます。
たとえ未成年でも、被疑者として1人で取調べに臨まなければならないのです。
未成熟な少年が、捜査官相手にきちんと主張したいことを貫けるかどうか、という問題も出てきます。
かけられている容疑が冤罪であった場合はもちろん、そうでなくとも目的や手段、実際にやったこと等を自分の認識通り話せるかどうかによって、処分にも大きな影響が出てしまう可能性があります。

また、上記事例の盗撮事件のように、被害者の存在する事件であれば、被害者の方への謝罪や賠償も考えられるでしょう。
特に盗撮事件においては、被害者の方は見ず知らずの方であることも多いです。
そうした中で謝罪や賠償を行っていくには、まずは被害者の方と連絡を取るために連絡先を教えてもらわなければなりませんが、通常、捜査機関は盗撮をした当事者に直接被害者の連絡先を教えることはしません。
盗撮された被害者としては、当然加害者側に対して処罰感情や恐怖を感じていることも多いためです。
そうすると、被害者に対して自分たちだけで謝罪や弁償をするということは難しくなってしまいます。

そして、少年事件の場合、終局処分は家庭裁判所が少年の更生にとって適切な処分を判断することで決まります。
少年の更生にとってよい環境を自分たちで作れているかどうかという点は、この判断の際に重視されることの1つです。
そのためには、少年の更生のためにどういったことが必要なのか、現在の環境からどこをどう変えるべきなのか適切に把握し、行動する必要があります。

このように、たとえ逮捕をされていなくとも、刑事事件少年事件の専門的知識が必要な活動は多く存在します。
特に、少年事件の場合は、前述のように家庭裁判所に事件が送致されてからも身体拘束のリスクがある上に、終局処分での判断が少年の更生に適切かどうかという点で考えられることから、逮捕されていないから軽く済むに決まっている、ということはありません。
滋賀県少年事件でお困りの際は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士まで、ご相談ください。
初回無料法律相談もございますので、逮捕なしの少年事件でまずは弁護士の話を聞いてみたいという方もお気軽にご利用いただけます。

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