友人が飼っているハムスターを逃がしたら何罪?①

友人が飼っているハムスターを逃がしたら何罪?①

ハムスター

友人が飼っているハムスターを逃がした事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

Aさんは滋賀県長浜市にあるVさんの家に遊びに来ていました。
Vさんはハムスターを飼っており、ケージに入れられたハムスターを見たAさんは「狭い場所で飼育されるのは可哀想」「このハムスターはVさんに飼われるのではなく自然で生きた方が良い」と感じ、Vさんの目を盗んでハムスターのケージを持って庭に出てケージを開け放ちハムスターを逃がしました。
数分後、Vさんがケージからハムスターがいなくなっていることに気づき、Aさんに確認したところ、Aさんが逃がしたと自白したため、Vさんは滋賀県長浜警察署に告訴しました。
(事例はフィクションです。)

ペットを逃がしたら何罪?

結論から言うと器物損壊罪が成立する可能性があります。

ペットを逃がす行為に器物損壊罪が成立するの?と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。
今回のコラムでは、器物損壊罪について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説していきます。

器物損壊罪

器物損壊罪は刑法第261条に「前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。」と規定されています。
前三条とは、刑法第258条の公用文書等毀棄罪、刑法第259条の私用文書等毀棄罪、刑法第260条の建造物等損壊罪、同致死傷罪を指します。
刑法第258条~260条の対象となる、公用文書や私用文書、建造物など以外の他人の物を損壊または傷害した場合に器物損壊罪が成立します。

例えば、学校の机をハンマーで破壊する行為や他人から借りたスマートフォンを投げて破壊する行為は損壊にあたり器物損壊罪が成立します。
また、意外に思われるかたもいるかもしれませんが、他人の食器に尿をかけて心理的に使用できなくさせる行為も損壊にあたり器物損壊罪が成立することになります。
損壊とは、物の効用を害する一切の行為をいいますので、物を破壊するような物理的に使用できなくなる行為だけでなく、尿をかけるといった心理的に使用できなくさせる行為も損壊にあたるのです。

ペットを逃がすと器物損壊罪が成立!?

では他人が飼っているペットを逃がす行為はどうでしょうか。

人が飼っているペットについても器物損壊罪が規定する他人の物にあたります。
ですので、損壊傷害の行為があれば器物損壊罪が成立することになります。
傷害とはけがを負わせる行為のほか、効用を害する行為も含まれるとされています。
他人のペットにけがを負わせると他人の物を傷害したとして器物損壊罪が成立するのはもちろんのこと、ペットの効用を害された場合にも器物損壊罪が成立するのです。

Vさんはハムスターをペットとして飼うことで、ハムスターに日々癒しを得ていたことでしょう。
Aさんによって逃がされたことで、Vさんはハムスターのお世話をできなくなってしまいましたし、ハムスターから日々の癒しを得ることもできなくなってしまいました。
これはハムスターを飼うことで得られる効用を得られなくなったと考えられますので、ペットの効用を害されたといえそうです。
ですので、Vさんの飼っているハムスターはAさんによって傷害されたといえるでしょう。
Aさんには器物損壊罪が成立すると考えられます。

つまり、他人のペットを逃がす行為は他人の物の傷害にあたり、器物損壊罪が成立する可能性があるといえます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料法律相談を行っています。
他人のペットを傷害してしまった場合などは、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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