逮捕・監禁

1 逮捕・監禁罪

【逮捕・監禁罪(刑法220条)】

不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、三月以上七年以下の懲役に処する。

(1)逮捕とは

「逮捕」とは、相手に直接的な強制作用を加えて、相手が場所を移動する自由を奪うことをいいます。例えば、相手を羽交い締めにしたり、縄で縛ったりすることをいいます。

もっとも、「逮捕」というためには、ある程度の時間、継続して強制作用を加える必要があります。そんため、相手に加えた強制作用が一瞬の場合、「逮捕」とはいえず、暴行罪が成立するにとどまります。暴行罪については、詳しくは「暴行」のページをご参照ください。

 

(2)監禁とは

「監禁」とは、一定の場所から脱出できないようにして、相手が場所を移動する自由を奪うことをいいます。典型的には、部屋に閉じ込めることです。

「監禁」といえるためには、相手の場所を移動する自由を奪えばいいですから、脱出を完全に不可能にしなくても、著しく困難にすれば「監禁」といえます。

また、物理的に脱出を困難にしていなくても、相手を脅迫して恐怖心を与えて、心理的に脱出を不可能か著しく困難にすれば「監禁」といえます。例えば、鍵がしまっていない部屋に相手をいさせて、「勝手に外に出たら殺すぞ」と脅迫し、相手が恐怖心から逃げられなかった場合には監禁といえます。

 

(3)逮捕・監禁罪が成立する他の条件

逮捕・監禁罪が成立するためには、相手が自分で場所を移動することができる人である必要があります。そのため、幼児を逮捕・監禁すれば逮捕・監禁罪が成立しますが、自分で行動できない赤ちゃんを逮捕・監禁したとしても逮捕・監禁罪は成立しません。

なお、相手が、「自分は逮捕・監禁されている」ということに気付いていなかったとしても逮捕・監禁罪の成立は妨げられません。

 

2 逮捕・監禁致死傷罪

【逮捕・監禁致傷罪(221条)】

前条の罪(逮捕・監禁罪のことです。)を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

(1)逮捕・監禁致死傷罪とは

逮捕・監禁致死傷罪とは、簡単に言うと、逮捕や監禁の際に相手に怪我をさせたり、死亡させたりした場合に成立する犯罪です。

 

(2)逮捕・監禁致死傷罪が成立する条件

相手が怪我をしたり、死亡したりした結果が、逮捕・監禁の手段として行われた暴行や脅迫から生じた場合にはもちろん成立します。

それだけでなく、逮捕・監禁それ自体から生じた場合も含まれます。例えば、監禁された相手が恐怖心から窓から飛び降りて死亡した場合、監禁致死罪が成立します。

 

~逮捕・監禁事件における弁護活動~

1 早期の示談成立

逮捕・監禁事件において、早期に被害者との示談を成立することができれば、検察官による不起訴処分や裁判を経ても執行猶予判決を受けることが可能となりえます。不起訴処分を受けると前科が付かなくて済みます。なお、逮捕・監禁罪の場合には、罰金刑がありませんから、起訴されて普通の裁判を受けるか、不起訴になるかのどちらかです。

できるだけ早く弁護士に依頼することをおすすめします。

 

2 早期の身柄開放活動

逮捕・勾留されてしまうのは、証拠隠滅や逃亡のおそれがあるためです。そこで、弁護士は早期釈放・早期保釈のために証拠隠滅や逃亡の恐れがないことを示す客観的証拠を収集し、社会復帰後の環境を整備するなどして釈放や保釈による身柄解放を目指します。

 

 3 逮捕・監禁罪不成立の主張

被害者と言われている方が真の同意のもとで被疑者の部屋や車に乗り込んだ場合、逮捕・監禁罪が成立せず無罪を獲得できる可能性があります。

弁護士は、捜査機関の主張が十分な事実や証拠に基づいていないということを的確に指摘し、不起訴処分・無罪判決に持ち込む弁護活動をします。

大津など滋賀県の逮捕監禁事件でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご連絡ください。弊所では、大津など滋賀県内の逮捕監禁事件について、刑事事件・少年事件に強い弁護士による無料の法律相談を行っています。関係者が滋賀県で逮捕勾留されている場合でも、最短当日に、弁護士が直接留置場や拘置所へ出張面会してアドバイスする初回接見サービスもご用意しています。

 

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