帰省ラッシュで渋滞中の交通事故①
Aさんは、お盆休みの帰省のため、滋賀県近江八幡市内を通る道路で自動車を運転していました。
しかし、帰省ラッシュのために道路はずいぶん先まで渋滞しており、Aさんは1時間強の間、少し動いては停まるといったことを繰り返していました。
Aさんは渋滞にいら立ち、つい、Vさんの運転している前の車に対してパッシングや前後の距離を詰めることを繰り返してしまいました。
そしてその結果、Aさんの車はVさんの車にぶつかる交通事故を起こしてしまいました。
Aさんは、Vさんが通報したことで駆け付けた滋賀県近江八幡警察署の警察官に逮捕され、話を聞かれることになりました。
(※この事例はフィクションです。)
・帰省ラッシュの渋滞
8月が始まり、もうすぐお盆の時期になります。
お盆休みに自動車を運転して帰省したり旅行したりといった方も多いのではないでしょうか。
しかし、お盆の時期には帰省ラッシュによる渋滞も起こってしまいますし、慣れない長距離運転をする方もいらっしゃるでしょう。
こうした状況下では、思わぬ刑事事件が起こってしまうこともあります。
帰省ラッシュによる渋滞では、交通トラブルが起こるきっかけも交通事故が起こるきっかけも多いです。
少し古いデータではありますが、2015年の警察庁の統計では、8月8日から8月17日までの10日間の交通事故発生件数は1万3,335件、交通事故による死者数は106人、交通事故による負傷者数は1万7,353人となっています。
10日間でこれだけの交通事故が起き、死傷者が出ることに驚いた方も多いのではないでしょうか。
この全てが帰省ラッシュに関連した交通事故というわけではないでしょうが、それでも帰省ラッシュやその渋滞による影響はあると考えられます。
・交通事故は刑事事件になるのか?
そもそも、交通事故は犯罪となり刑事事件になるものなのでしょうか。
よく逮捕や書類送検などが報道されているのは、人を怪我させたり死なせてしまったりしたような交通事故が多いです。
このようないわゆる人身事故は、通称自動車運転処罰法という法律に違反することになるケースが多く、犯罪となります。
一方、物損事故の場合は、それだけでは犯罪とならず、刑事事件とならないことも多いです。
物損事故の場合、壊した物がなんだったのか、運転態様はどのようなものだったか、飲酒運転していなかったか、無免許運転ではなかったか、物損事故を起こした後に適切な行動を取ったか、といった部分によって、刑事事件となるものなのかどうかが決まります(なお、刑事罰を受けることはなくとも、免許の減点や取り消しといった行政罰は受ける可能性があることに注が必要です。)。
そのため、交通事故を起こしてしまった際には、人身事故であるのかどうか、物損事故だったとして当時の詳しい状況はどのようなものだったのかを把握し、判断する必要があります。
自分の起こしてしまった交通事故が犯罪となり刑事事件になるのか、刑事事件として捜査されてしまったとしてどういった犯罪にあたるのかということは、早めに弁護士に相談してみることが望ましいでしょう。
次回以降、Aさんにどういった犯罪が成立しうるのか検討していきます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、お盆休み中の刑事事件・交通事故のご相談も受け付けております。
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