廃棄物処理法違反で取調べ

廃棄物処理法違反で取調べ

廃棄物処理法違反で取調べを受けることになったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

滋賀県大津市に住んでいるAさんは、地域で指定されているごみ捨て場までごみを持ち運ぶことを面倒だと考えていました。
ある日、Aさんは、ごみ捨て場に行く途中の家のすぐ近くに空地があることに気が付きました。
Aさんは、「どうせ空地になっているのだからいいだろう」と考え、本来ごみ捨て場に捨てるべきごみをその空地に捨てるようになりました。
そうしたことを続けているうちに、空地には「不法投棄禁止」といった貼り紙が貼られるようになりましたが、Aさんは特に気にせずごみを捨てることを続けていました。
すると後日、Aさん宅に滋賀県大津警察署の警察官が訪れ、Aさんは廃棄物処理法違反の容疑で話を聞かれることとなってしまいました。
自分の家で出たごみを捨てることで警察沙汰になると思っていなかったAさんは驚き、刑事事件の相談を受け付けている弁護士に相談をすることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・廃棄物処理法違反

廃棄物処理法は、正式名称を「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」という法律です。
廃棄物処理法違反という犯罪は、産業廃棄物を不法投棄した事件などで見かけることも多く、この記事を読まれている方の中には、なかなかなじみのない、自分たちとはかかわりのない犯罪だというイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、実は廃棄物処理法は産業廃棄物に限った法律ではなく、私たちの生活に非常に近い法律であるということに注意が必要です。

ここで、滋賀県の犯罪状況を見てみましょう。
滋賀県警の統計によると、平成30年に検挙された特別法犯(=刑法以外の法律や条例に違反した犯罪)は、533件であったとされています。
このうち、犯罪名別に検挙件数の多い順に犯罪名を見ていくと、1番多いのは覚せい剤取締法違反の112件ですが、その次には、廃棄物処理法違反の84件となります。
つまり、一昨年滋賀県で検挙された特別法犯のうち、廃棄物処理法違反は2番目に多い犯罪であるということなのです(以上、「滋賀の犯罪」より)。
廃棄物処理法違反は聞きなじみのない犯罪かもしれませんが、こうして数字で見てみると、意外に多く起こっている犯罪であり、身近なものであるということが分かります。

では、私たちが生活する中で、どういった場面で廃棄物処理法違反となってしまう可能性があるのでしょうか。
廃棄物処理法の条文を確認してみましょう。

産業廃棄物処理法2条1項
この法律において「廃棄物」とは、ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であつて、固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによつて汚染された物を除く。)をいう。

廃棄物処理法16条
何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。

廃棄物処理法25条1項
次の各号のいずれかに該当する者は、5年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
14号 第16条の規定に違反して、廃棄物を捨てた者

廃棄物処理法16条は、不法投棄を禁止する条文ですが、この対象は「廃棄物」とされています。
そしてこの「廃棄物」には、「ごみ、粗大ごみ」等が含まれると廃棄物処理法2条に規定されていることから、一般の家庭ごみも「廃棄物」であり、みだりに投棄してはいけないことになります。
ですから、今回のAさんのように、決められた場所以外に勝手にごみを捨てることは不法投棄にあたり、廃棄物処理法違反という犯罪になってしまうのです。

廃棄物処理法違反は、思いの外身近な犯罪です。
軽い気持ちでしてしまったごみの不法投棄が刑事事件につながってしまうかもしれません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、こうした廃棄物処理法違反事件のご相談・ご依頼も承っていますので、まずはお気軽にご相談ください。

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