【事例紹介】制服を盗むため元教え子宅に作成した合鍵を用いて侵入した事例
制服を盗むために元教え子宅に侵入したとして住居侵入罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
(前略)
滋賀県栗東市の小学校教師(中略)容疑者(39)は5月下旬、女子高校生の自宅に侵入した疑いが持たれています。
水野容疑者はこの女子高校生が小学校5年生だった時の担任で、当時、学校行事で鍵を預かった時に勝手に合鍵を作ったとみられています。
(中略)
(中略)容疑者は取り調べに対し、「制服を盗むために合鍵を作って、家に入った。『あの子は高校生になったんだ』とふと思って、5年越しに侵入した」と容疑を認めています。
(7月5日 テレ朝news 「小学校教師「制服欲しい」“5年越し”女子高生宅侵入か 小5担任時に勝手に合鍵作る」より地名を変更して引用しています。)
住居侵入罪
刑法第130条
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
住居侵入罪とは簡単に説明すると、正当な理由や居住者の許可なく住居に侵入すると成立する犯罪です。
住居とは、人が生活を送っている建物を指します。
ですので、人が現在住んでいる家は住居にあたりますし、宿泊中のホテルの部屋なども住居にあたります。
今回の事例では、容疑者は元教え子の家に無断で作成した合鍵で侵入したとされています。
人が住んでいる家は住居にあたりますので、今回の事例で容疑者が侵入したとされる元教え子の家は住居にあたります。
容疑者は無断で作成した合鍵を使用したと報道されていますので、居住者の許可を得ていたとはいえないでしょう。
また、制服を盗む目的は侵入するための正当な理由とはいえませんので、実際に容疑者が無断で作成した合鍵を用いて制服を盗むために元教え子宅に侵入したのであれば、容疑者に住居侵入罪が成立する可能性があります。
住居侵入罪と逮捕
刑事事件では、逮捕後72時間以内に勾留するかどうかの判断が行われます。
勾留は逃亡や証拠隠滅のおそれがある場合になされます。
住居侵入事件では、被害者の家を加害者は当然知っているわけですから、加害者が被害者に接触することが容易だと判断される可能性が高く、証拠隠滅や被害者保護の観点から勾留が決定してしまうおそれがあります。
弁護士は検察官や裁判官に対して勾留請求に対する意見書を提出することができます。
この意見書は勾留が判断されるまで、逮捕後72時間以内に提出をしなければならないため、勾留阻止を求める場合には時間との勝負になります。
意見書により弁護士の訴えが認められ勾留を回避できた場合には釈放されることになりますので、釈放後は職場に出勤したり、学校に通学することが可能です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービスを行っています。
早期に弁護士に相談をすることで釈放を実現できる可能性があります。
ご家族が逮捕された方はお早めに、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。