【事例紹介】SNSで知り合った女性を脅迫し口止め料として50万円を振り込ませた事例
口止め料として50万円を振り込ませたとして恐喝罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
SNSで知り合った滋賀県高島市の女性(20代)を「秘密にしていることを親に言いに行く」などと脅し、金を脅し取ったとして、滋賀県高島署は、(中略)恐喝の容疑で再逮捕しました。
警察によると、男は、今年1月、SNSで知り合った滋賀県高島市の20代女性から、家族に秘密にしていることがあると聞いたことから、要求に応じなければ「秘密にしていることを親に言いに行く」などと女性を脅し、口止め料名目で現金50万円を男名義の口座に入金させ、脅し取った疑いが持たれています。
(中略)
恐喝容疑に関する警察の調べに対し、男は黙秘しているということです。
(後略)
(7月9日 tys テレビ山口 「「秘密にしていることを親に言いに行く」SNSで知り合った女性(20代)から50万円を脅し取った容疑 香川県の無職の男(24)を逮捕 山口県警」より地名・警察署名を変更して引用しています。)
恐喝罪
刑法第249条
1項 人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2項 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とす る。
恐喝罪とは、簡単に説明すると、暴行や脅迫を用いて畏怖させることで財物を交付させたり、財産上不法の利益を得ると成立する犯罪です。
また、暴行や脅迫が抵抗が困難な程度である場合には、恐喝罪ではなく強盗罪が成立します。
脅迫
今回の事例では、容疑者が「秘密にしていることを親に言いに行く」と被害者を脅したと報道されています。
親に秘密にしていることを知られることは避けたいでしょうから、「秘密にしていることを親に言いに行く」と脅迫されれば、親に知られてしまったらどうしようと恐怖を感じても不思議ではないでしょう。
また、おそらく警察に相談をすることは可能だったと思われますので、抵抗することが困難であったとまではいえないでしょう。
ですので、容疑者が「秘密にしていることを親に言いに行く」と被害者を脅したとされている行為は、恐喝罪が規定する脅迫にあたる可能性があります。
財物の交付
報道によると、被害者は容疑者による脅迫によって50万円を容疑者名義の口座に振り込ませたとされています。
自身の口座に振り込まれたお金は自由に引き出して使用できるわけですから、被害者が容疑者に50万円を交付したといえそうです。
ですので、実際に容疑者が被害者を脅して50万円を振り込ませたのであれば、容疑者に恐喝罪が成立する可能性があります。
財産上不法の利益
一方で、50万円が容疑者の口座に振り込まれただけでは、容疑者に50万円が交付されたとはいえないとも考えられます。
ですが、容疑者の口座に50万円が振り込まれれば、容疑者は自由に50万円を引き出す権利が与えられるわけですから、財産上不法の利益を得たといえそうです。
ですので、財物が交付された、財産上不法の利益を得た、どちらの立場に立っても、実際に容疑者が口止め料として50万円を振り込ませたのであれば、容疑者に恐喝罪が成立するおそれがあります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
恐喝罪は罰金刑の規定がなく、有罪になれば、必ず懲役刑が科されることになります。
刑事事件に精通した弁護士に相談をすることで、不起訴処分や執行猶予付き判決を獲得できる可能性がありますので、恐喝罪で捜査を受けている方、ご家族が逮捕された方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。