子どもによる家庭内暴力事件で逮捕

子どもによる家庭内暴力事件で逮捕

子どもによる家庭内暴力事件逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

滋賀県近江八幡市に住んでいる高校1年生のAさんは、春休みということもあり、1日中自宅で過ごすようになっていました。
しかし、その中で、母親であるVさんから生活の細々したことを注意されることも増え、次第にストレスを溜めるようになりました。
そしてある日、ついにAさんは我慢が効かなくなり、Vさんに対して手をあげてしまいました。
物音を不審に思った近隣の住民が滋賀県近江八幡警察署に通報し、警察官が駆けつけた結果、Aさんは暴行罪の容疑で逮捕されることになってしまいました。
Vさんと、Aさんの父親であるBさんは、Aさんが逮捕されたことに焦り、どうにか穏便に収めることはできないかと、少年事件にも対応している弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・子どもによる家庭内暴力事件と少年事件

今回の事例は、子どもから親に対する家庭内暴力事件です。
家庭内暴力事件というと親から子どもへのものが思い浮かびやすいですが、こういった子どもから親への暴力も家庭内暴力事件となります。

今回の家庭内暴力事件に限ったことではありませんが、日本の法律上、家庭内暴力行為が特別に犯罪となっているわけではなく、家庭内暴力の態様によって該当する犯罪が変わります。
例えば、今回のAさんはVさんに対して手をあげてしまっていることから、まさに暴力を振るってしまったのだと考えられます。
こうした場合、Vさんに怪我があった場合には傷害罪、怪我がなければ暴行罪の成立が考えられます。

刑法第204条(傷害罪)
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

刑法第208条(暴行罪)
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

ただし、今回のAさんは高校生であるため、原則として「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」や「2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」といった刑罰を受けることはなく、保護処分を受けることが考えられます。
保護処分とは、少年法条の処分のことで、少年事件を起こした少年が再び事件を起こさないように、少年の矯正・改善を目的とした処分です。
保護処分は刑罰とは別物で、その目的は先ほど触れたように少年の更生ですから、今回のAさんの家庭内暴力事件でも、その保護処分が最終処分となることが予想されます。

保護処分の種類としては、大きく分けると少年院などの施設への送致と、定期的に保護司や保護観察所に通う保護観察に分けられます。
さらに、すでにそうした保護処分をしなくとも少年の更生に十分な環境が作られていると判断された場合には不処分となることもあります。

少年事件で適切な処分を求めていくには、再度同じような少年事件を起こさないような環境を作れるような活動を早期からしていくことが重要です。
今回のような家庭内暴力事件の場合、同じ家で生活している家族同士で起こった事件であるため、特に再犯防止・更生のための対策・環境づくりが大切になります。
そのままの環境で放置してしまえば、環境が変わらなければ更生は不可能と判断され、少年院送致などの処分になる可能性も否定できません。
本来不要な処分となってしまったがゆえに少年の負担が重くなってしまうということは避けなければなりませんから、少年事件にお悩みの際は早めに弁護士に相談されることをおすすめいたします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件についてのご相談・ご依頼も承っています。
家庭内暴力事件についても、第三者である弁護士が介入することで具体的な改善点が見つかるといった効果も期待できます。
まずはお早目にご相談ください。

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