コインランドリーの下着泥棒事件で逮捕②建造物侵入罪

コインランドリーの下着泥棒事件で逮捕②建造物侵入罪

コインランドリー下着泥棒事件とその逮捕建造物侵入罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
滋賀県守山市に住んでいるAさんは、近所のコインランドリーの利用客に女性客が多いことと、利用客は洗濯機を回している間、近くのコンビニやスーパーに買い物に出ていることに気が付きました。
そこでAさんは、コインランドリーの利用客が洗濯機を回している間にコインランドリーへ行き、女性客の下着を盗むことを思いつきました。
Aさんは、コインランドリーで女性客Vさんが洗濯機を回し、スーパーへ出かけていったのを確認するとコインランドリーへ入り、Vさんの利用していた洗濯機からVさんの下着を盗み、立ち去りました。
その後、Vさんが下着を盗まれたことに気づき、滋賀県守山警察署に相談。
捜査の結果、Aさんの犯行が明らかになり、Aさんは窃盗罪と建造物侵入罪の容疑で逮捕されました。
(※この事例はフィクションです。)

・コインランドリーの下着泥棒事件と建造物侵入罪

前回の記事では、Aさんの逮捕容疑の1つである窃盗罪について触れました。
今回の記事では、Aさんのもう1つの逮捕容疑である建造物侵入罪について詳しく見ていきましょう。

刑法130条(建造物侵入罪)
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

マンションのベランダや部屋内に侵入して下着泥棒をしたような下着泥棒事件建造物侵入罪が成立するのはうなずけるかと思います。
しかし、コインランドリーのような利用する人もしない人も中に入れる施設で、さらに営業時間内に入ったというような場合でも建造物侵入罪が成立することはあるのでしょうか。

建造物侵入罪の「侵入」とは、一般に、その住居に住んでいる人や建造物の管理者の意思に反する立ち入りを指します。
そのため、よくイメージされるような閉店後の店に忍び込むような態様でなかったとしても、建造物侵入罪の「侵入」行為にあたることが考えられます。

今回のコインランドリー下着泥棒事件では、Aさんはそもそも下着泥棒をするためにコインランドリーに立ち入っています。
コインランドリーを利用しようとする人はともかく、コインランドリーの管理者としては通常、下着泥棒をする目的の人がコインランドリーへ入ることを許さないでしょう。
ですから、今回のAさんはコインランドリーの管理者の意思に反してコインランドリーに立ち入った=「侵入」をしたということになり、建造物侵入罪に問われているのでしょう。

なお、コインランドリーに入った時には下着泥棒の意思はなかったが、コインランドリーに入った後に下着泥棒をしようという意思を生じた場合には、建造物侵入罪は成立しません。
先ほど触れたように、単にコインランドリーを利用しようという人の立ち入りをコインランドリーの管理者が拒むことはないと考えられるからです。
ですから、どの時点で下着泥棒の意思を生じたかは非常に重要なことです。
被疑者自身の供述や犯行の際の詳しい事情を含めて判断されますから、自分の認識に反する供述をして不要な不利益を被らないためにも、弁護士と相談し、きちんと自分の認識通りに主張できるよう準備を整えておくことが大切でしょう。

・コインランドリーの下着泥棒事件と示談

窃盗事件では被害者が存在するため、示談交渉をすることで事件解決を図ることが考えられます。
しかし、今回のような下着泥棒事件の場合、窃盗事件とはいえ性犯罪的な側面もあるため、被害者の被害感情が苛烈であったり、加害者に対する恐怖が大きかったりすることが予想されます。
だからこそ、謝罪をしようと思っても当事者が直接連絡を取ることは難しいでしょう。

ここで、示談交渉の際に弁護士を間に入れることで、被害者の方は加害者と直接連絡を取ることなく謝罪や賠償の話を聞くことができ、要望を伝えることができるようになります。
こうした事情から、弁護士限りでのお話であれば応じてくださる被害者の方も少なくありません。
そのため、示談交渉をしたいのであれば、一度弁護士に相談・依頼をすることがおすすめされます。

また、Aさんのように建造物侵入罪も成立する可能性のある場合には、窃盗罪の被害者(今回であればVさん)への謝罪だけでなく、建造物侵入罪の被害者(今回であればコインランドリーの管理者)への謝罪や弁償も必要となってくるでしょう。
複数の犯罪とその被害者への対応は負担が大きいと考えられますから、弁護士のサポートを受けることでその負担を軽減することが望ましいでしょう。

刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕された方向けの初回接見サービスから、在宅捜査を受けている方向けの初回無料法律相談まで、幅広いサービスを用意しています。
滋賀県刑事事件にお悩みの際は、お気軽に弊所弁護士によるサービスをご利用ください(お申し込み:0120-631-881)。

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