危険ドラッグ所持事件で逮捕

危険ドラッグ所持事件で逮捕

危険ドラッグ所持事件とその逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
滋賀県甲賀市に住んでいる高校3年生のAさんは、受験勉強に疲れ、ストレス発散できるものがないかと悩んでいました。
すると、友人のBさんが「いいバスソルトが買えるサイトがあるよ」といって、疲労回復やリフレッシュの効果があるというバスソルトを取り扱っている雑貨店の販売サイトを教えてくれました。
Aさんはそのサイトを見てみると、たしかにバスソルトが販売されており、ストレス解消に効果がある旨が書いてありました。
Aさんは、「これはもしかしたら話題になっている危険ドラッグなどの違法薬物なのではないか」と思いましたが、「違法薬物であったとしてもそうであったら使わないでいればいいだろう」と思い、バスソルトを購入し、手元に持っていました。
すると、後日、そのバスソルトを使用する前に滋賀県守山警察署の警察官がやってきて、Aさんを薬機法違反の容疑で逮捕してしまいました。
Aさんの所持しているバスソルトはやはり危険ドラッグの一種だったのです。
(※この事例はフィクションです。)

・危険ドラッグ

昨今、危険ドラッグという呼称も一般に浸透してきたところだと思われますが、危険ドラッグは元々「脱法ドラッグ」や「合法ドラッグ」、「脱法ハーブ」などと呼ばれていたものです。
これらの薬物は、大麻や麻薬、覚せい剤などの違法薬物と同様もしくは類似の成分が含まれている危ない薬物であり、現在では薬機法(正式名称:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)の「指定薬物」として規制されている違法薬物です。

危険ドラッグの成分は、先ほど触れたように他の違法薬物と同じ又は類似したものが含まれていることが多いですが、危険ドラッグの中にはより危険で人体に危害を加える成分が含まれているものもあります。
危険ドラッグを使用した場合、他の違法薬物同様に高揚感や清涼感などを感じることもあるようですが、危険ドラッグの使用により、幻覚や幻聴、意識障害や嘔吐を引き起こしたり、最悪の場合には死に至ることもあります。

このように危険な危険ドラッグですが、法律の穴を抜けるために、一見して危険ドラッグであると分かるように売られているわけではありません。
今回のAさんが購入してしまったバスソルト状のものから、お香やキャンドルを装ったもの、アロマやハーブを装ったものなど、形状は様々です。
また、パッケージもカラフルなものやポップなものが多く、危険ドラッグのようなリスクの大きいものであるというイメージを持たせず、手が出しやすい見た目となっていることが多いです。

・危険ドラッグ所持と薬機法違反

先ほど触れたように、危険ドラッグは指定薬物として薬機法で規制されています。
Aさんは「使わなければいい」と考えていたようですが、実は危険ドラッグは所持しているだけでも薬機法違反となる犯罪行為です。

薬機法76条の4
指定薬物は、疾病の診断、治療又は予防の用途及び人の身体に対する危害の発生を伴うおそれがない用途として厚生労働省令で定めるもの(以下この条及び次条において「医療等の用途」という。)以外の用途に供するために製造し、輸入し、販売し、授与し、所持し、購入し、若しくは譲り受け、又は医療等の用途以外の用途に使用してはならない。

今回のAさんは20歳未満ですので、原則として刑罰を受けることはありませんが、営利目的以外で危険ドラッグの所持をしてしまった場合には「3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科」されることになります(薬機法84条26号)。

・危険ドラッグと少年事件

少年事件では、少年の更生に重きを置いて手続きが進んでいきます。
しかし、少年事件であっても、捜査段階では逮捕や勾留が行われ、警察官や検察官による取調べを受けることになります。
特に危険ドラッグなどの薬物事件では、証拠隠滅のしやすさや関係者の多さから逮捕・勾留が行われることも多いです。
Aさんのように受験の迫る少年などには、長期にわたって身体拘束を受けることになるのかどうかは非常に大きな問題でしょう。
まずは弁護士に相談し、できる活動やその方針を詳しく聞いてみることがおすすめです。

そして、事件が家庭裁判所に行われ、少年事件ならではの手続きに入った際にも、弁護士のサポートが重要となります。
Aさんのような危険ドラッグ所持事件では、今後どのようにして危険ドラッグに手を出さない環境を作っていくのかを少年本人やそのご家族と検討し、さらにその過程や結果を証拠化し、家庭裁判所により適切な処分を求めるための材料としていくことが考えられます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件だけでなく、20歳未満の方の起こしてしまった少年事件も専門に扱っている法律事務所です。
少年による危険ドラッグ所持事件や、逮捕の伴う少年事件について遠慮なくご相談ください。

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