滋賀県甲賀市の工事現場から銅線計220メートルが盗まれた事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
滋賀県警甲賀署は14日、滋賀県甲賀市(中略)の工事現場から銅線計220メートル(時価200万円相当)が盗まれた、と発表した。同じ工事現場では1カ月前に銅線320メートルが盗まれており、同署が同一犯による窃盗事件として調べている。
(後略)
(12月14日 京都新聞 「工事現場から時価200万円相当の銅線盗まれる 1カ月前にも被害、同一犯か」より引用)
窃盗罪
刑法第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
窃盗罪は簡単に説明すると、人の物を勝手に自分の物や他の人の物にすると成立する犯罪です。
今回の事例では、滋賀県甲賀市の工事現場から銅線計220メートルが盗まれたようです。
この銅線は工事現場にあったわけですから、銅線の持ち主は工事現場の責任者になるでしょう。
この銅線を持ち主の許可なく勝手に持ち出したのであれば、持ち出した人は窃盗罪の罪に問われる可能性があります。
窃盗罪の法定刑は、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。
ですので、窃盗罪で有罪になってしまった場合には、懲役刑が科される可能性があります。
初犯であれば、窃盗罪で懲役刑は科されないと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、今回の事例では銅線計220メートル、時価200万円相当の被害が出ています。
また、1か月前にも同様の被害が出ており、同一犯とみて捜査していると報道されています。
今回の事件だけでもかなり高額の被害額ですし、1か月前の事件も同一犯が起こしていたのであれば、被害額は倍になります。
被害額が高額に及ぶ場合には、初犯であっても、裁判が開かれ懲役刑が科される可能性があります。
また、転売目的での窃盗だと判断された場合には、より重い処罰を科される可能性が高いです。
建造物侵入罪
刑法第130条
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
建造物侵入罪は簡単に説明すると、正当な理由や許可なく建造物に進入すると成立する犯罪です。
建造物とは、人が住んでいる家などの住居、使用していない別荘などの邸宅を除いた建物を指します。
今回の事例では、工事現場から銅線が盗まれたと報道されています。
どういった工事現場なのかは報道からでは明らかではありませんが、場合によっては、窃盗罪だけでなく、建造物侵入罪も成立してしまう可能性があります。
例えば、今回の事例の工事現場が新しくできるお店の工事現場であり、お店が建てられていた場合、お店は住居や邸宅にはあたらないので建造物にあたります。
ですので、そのお店に窃盗をする理由で侵入したのであれば、正当な理由や責任者の許可なく建造物に進入したことになりますので、建造物侵入罪が成立する可能性があります。
ですので、場合によっては今回の事例の窃盗犯も、窃盗罪だけでなく建造物侵入罪に問われる可能性があるかもしれません。
建造物侵入罪の法定刑は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金です。
建造物侵入罪についても、有罪になれば懲役刑が科される可能性があります。
窃盗事件は弁護士にご相談を
自分が起こしてしまった事件や似たような事件が報道されると、逮捕されるんじゃないか、刑務所に行くことになるかもしれないんじゃないかなど、不安になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
逮捕される前や警察署からの連絡がある前に弁護士に相談をすることで、少しでも良い結果を得られる可能性があります。
例えば、逮捕される前に弁護士を選任し弁護士と一緒に警察署へ出頭することで、逮捕のリスクを減らせる可能性があります。
また、警察側が犯人を全く特定できていないなどの場合には、自主をすることで自主が成立する可能性もあります。
自主が成立した場合には、科される刑罰が軽くなる場合があります。
しかし、自主にはデメリットもあり、自主しなければ犯人だとバレなかったのに自主したことで犯人であることが明るみになり、結果、有罪になって前科がついてしまうなどの可能性もあります。
自主した方が良い場合やそうでない場合は、事件によって異なりますので、事件を起こしてしまった方は、弁護士に相談をすることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、窃盗事件の豊富な弁護経験をもつ法律事務所です。
経験豊富な弁護士に相談をすることで、逮捕の回避や執行猶予付き判決の獲得など、少しでも良い結果を得られるかもしれません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料法律相談を行っています。
事件を起こしてご不安な方、既に警察の捜査を受けている方は、お気軽に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。