【事例紹介】大津市で高校生を連れ去った事例

滋賀県大津市内の路上で、高校生を無理矢理連れ去ったとして、未成年者略取罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

高校生を無理やり車で連れ去ったとして、滋賀県警大津署などは11日、県内の大学に通う男子学生7人を未成年者略取容疑で逮捕したと発表した。いずれの認否も明らかにしていない。
(中略)大津市内の路上で、県内に住む男子高校生(16)に、「お前、何してるねん」と声をかけて羽交い締めにし、乗用車に押し込み、甲賀市内まで連れ去った疑い。
(後略)
(4月13日 読売新聞 「路上で高校生に「お前、何してるねん」と羽交い締め…車で連れ去った大学生7人逮捕」より引用)

未成年者略取罪

未成年者略取罪は、刑法第224条で「未成年者を略取し、又は誘拐した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。」と規定されています。

未成年者略取罪は、その名の通り、未成年者略取した場合に成立します。
略取とは、暴行脅迫を行って連れ去る行為をいいます。

今回の事例では、容疑者らが被害者を羽交い絞めにして滋賀県甲賀市内まで連れ去ったとされています。
暴行と聞くと殴る、蹴るなどをイメージする方もいらっしゃるでしょう。
もちろん殴る、蹴るなども暴行にあたるのですが、今回の事例のような、羽交い絞めにする行為も暴行にあたります。
報道が事実であれば、容疑者らは被害者に暴行を加えて連れ去っていますので、容疑者らの行為は略取にあたります。

また、今回の事例では、被害者は未成年者です。
未成年者略取した場合は、未成年者略取罪が成立しますので、実際に被害者が未成年者であることを知りながら、容疑者らが報道のように未成年者を連れ去っていたのであれば、未成年者略取罪が成立する可能性があります。

未成年者略取罪と親告罪

未成年者略取罪親告罪です。(刑法第229条)
親告罪とは、告訴がなければ起訴できない罪を指します。
起訴されて有罪にならなければ刑事罰は科されませんので、親告罪では告訴を取り下げられた場合には、刑事罰が科されることはありません。
また、今回の事例のように未成年者略取罪の被害者は未成年者になりますので、被害者本人だけでなく親権者も告訴をすることができます。(刑事訴訟法第231条1項)

示談を締結することで、告訴を取り下げてもらえる場合があります。
加害者と被害者に面識がない場合、示談交渉を行う際には、連絡先を手に入れるところから始めなければなりません。
何らかの犯罪で被害に遭ってしまった場合、被害者は少なからず加害者に対して恐怖を抱いているでしょうから、被害者から連絡先を教えてもらうことは難しいでしょう。
とりわけ、今回の事例では、被害者は未成年者ですので、連絡先を手に入れるのはかなり難しいかもしれません。
弁護士が間に入ることで、連絡先を教えてもらえる場合もありますので、示談交渉を行う際には、弁護士を代理人として行うことをおすすめします。

また、被害者の連絡先を知っている場合であっても、被害者が加害者と連絡を取りたくない場合がありますし、連絡をとることで証拠隠滅を疑われる可能性もあります。
加えて、未成年者略取罪の場合は被害者は未成年者ですので、被害者の親権者と示談を締結することになります。
親権者と示談交渉を行う場合には、我が子を思う気持ちから、示談が難航する可能性が高いです。
トラブルを生じさせず円滑に示談を締結するためにも、示談を考えている方は、弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。

繰り返しになりますが、未成年者略取罪親告罪です。
示談を締結し、告訴を取り下げてもらえば刑事罰は科されません。
弁護士に相談をして示談を締結することで、告訴を取り下げてもらえる可能性があります。
未成年者略取罪示談のことでお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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