野良猫の虐待で動物愛護法違反

野良猫の虐待動物愛護法違反となったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

◇野良猫を虐待して逮捕された事件◇

滋賀県守山市に住んでいる会社員のAさんは、近所にいる野良猫に腹が立ち、ボーガンで野良猫を打っていました。
近所の住民が、怪我をしていたり矢が刺さっていたりする野良猫を発見し、滋賀県守山警察署に通報したことをきっかけに、滋賀県守山警察署野良猫の虐待事件として捜査を開始しました。
そして後日、捜査の結果、Aさんが野良猫虐待事件の犯人であると発覚し、Aさんは動物愛護法違反の容疑で滋賀県守山警察署に逮捕されることとなりました。
(※令和2年4月15日NHK NEWS WEB配信記事を基にしたフィクションです。)

◇野良猫の虐待行為は動物愛護法違反◇

Aさんは、野良猫に向かってボーガンを打つという虐待行為をしてしまったようですが、こういった行為は動物愛護法(正式名称:動物の愛護及び管理に関する法律)に違反する犯罪行為です。

動物愛護法第4条第1項
愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、2年以下の懲役又は200万円以下の罰金に処する。

ここで、「人がペットとして飼っているわけでもない野良猫なども『愛護動物』と言えるのか」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、動物愛護法では、その保護の対象となる「愛護動物」について、以下のように定義しています。

動物愛護法第4条第4項
前三項において「愛護動物」とは、次の各号に掲げる動物をいう。
第1号 牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる
第2号 前号に掲げるものを除くほか、人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬は虫類に属するもの

「前三項」には、先ほど掲載した動物愛護法第4条第1項のことを含んでいますから、つまり、「牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる」と、それ以外で「人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬は虫類に属するもの」を殺したり傷つけたりして虐待した場合、動物愛護法違反となるのです。
条文を見ていただければ分かるように、動物愛護法第4条第4項第1号で決められている「愛護動物」については、人が飼っているものかどうかの限定はされていません。
ですから、野良猫であっても動物愛護法の「愛護動物」ということになり、虐待すれば動物愛護法違反として処罰される可能性があるということになるのです。

◇飼い猫を虐待した場合は?◇

ここで、今回のAさんは野良猫虐待して動物愛護法違反の容疑で逮捕されていますが、飼い猫を虐待したような場合はどうなるでしょうか。
自分で飼っている自分が所有している猫を虐待したような場合には、野良猫の場合同様、動物愛護法違反となると考えられますが、他人の飼い猫を虐待したような場合には、別の犯罪の成立も考えられます。
それが刑法の器物損壊罪です。

刑法第261条
前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。

ペットを「物」と考えることに違和感をもつ方もいるとは思いますが、法律上、ペットは財産・物として扱われます。
そのペットを傷害するということは、「他人の物を…傷害した」と判断され、器物損壊罪となりえるのです。

◇動物愛護法違反事件と弁護活動◇

動物愛護法違反事件では、謝罪・弁償して示談を締結する相手がいません。
そのため、示談締結によって処分の軽減や逮捕・勾留からの釈放を目指すことは難しいといえます。
ですから、例えば動物保護団体への贖罪寄付や、再犯防止のための環境づくりなどを被疑者・被告人本人だけでなく、その周囲の人たちと協力しておこなっていき、それを適切に捜査機関や裁判所に訴えていくことで、処分の軽減や釈放を目指していくことになるでしょう。

◇動物愛護法違反事件に強い弁護士◇

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、こうした動物愛護法違反事件でも、逮捕直後から処分が決まるまで刑事事件専門の弁護士が一貫してフルサポートいたします。
滋賀県の刑事事件にお困りの際は、まずは一度、弊所弁護士までご相談ください。

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