窃盗事件の余罪で再逮捕

窃盗事件の余罪で再逮捕

窃盗事件余罪再逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

Aさんは、滋賀県高島市にあるVさん宅に侵入し、金品を盗み出しました。
誰かが自宅に侵入して盗みをはたらいたことに気づいたVさんが滋賀県高島警察署に被害を申告したことで、捜査が開始され、ほどなくしてAさんはVさん宅で侵入盗をはたらいたという住居侵入罪窃盗罪の容疑で逮捕されることとなりました。
しかし、実はAさんはVさん宅だけでなく、滋賀県高島市内で同様の侵入盗事件を複数件起こしていました。
捜査が進むうちにそのことが発覚すると、Aさんは警察官から「最初に逮捕された事件ではない件で再逮捕されるかも」と伝え聞きました。
すでに逮捕されたのにさらに逮捕されるようなことがあるのかと不安になったAさんは、家族からの依頼で接見に訪れた刑事事件に強い弁護士に、再逮捕について相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・再逮捕とは

今回のAさんは、警察官から再逮捕の可能性を示唆されています。
この記事を読んでいる方の中にも、ニュースなどで「被疑者を●●罪の容疑で再逮捕した」といったものを聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
すでに逮捕・勾留されている被疑者、もしくは逮捕・勾留されて起訴されている被告人について、その逮捕・勾留が行われた事実以外の事実でまた逮捕された場合の逮捕のことを「再逮捕」と言います。

「再」逮捕という文字から、すでに逮捕されている事実についてもう一度逮捕され直すことのようにも聞こえますが、実はそういった「再逮捕」の方は「一罪一逮捕(・一勾留)の原則」という原則で禁止されています。
一罪一逮捕の原則」とは、文字通り、1つの犯罪について1つの逮捕しかできないという原則です。
この「一罪」とは、「窃盗罪という罪名の容疑で逮捕できるのは1回限りだ」ということではなく、「X月X日のXさんに対する窃盗罪の容疑で逮捕できるのは1回限りだ」という意味です。
つまり、たとえ同じ窃盗罪という罪名であったとしても、日時や被害者が違う窃盗罪であれば、再逮捕をすることはできるのです。

実は、この一罪一逮捕の原則は、実は法律に明文として規定されている物ではありません。
ですが、逮捕や勾留といった被疑者・被告人の身体を拘束する手続は、それぞれ厳格に時間制限が決められています。
例えば、逮捕による身体拘束は最大72時間しかできません。
さらに、逮捕された被疑者は逮捕から48時間以内に検察官へ送られ、そこからさらに24時間以内に勾留請求されるか釈放されるかが決められます。
逮捕・勾留は被疑者・被告人の自由を制限する=権利を侵害する手続ですから、それが濫用されないよう、時間制限も厳しく決まっているのです。
もしも同じ事実に対する再逮捕が認められてしまえば、こうした時間制限が全く意味をなさなくなってしまい、好き勝手に逮捕や勾留を繰り返し、いつまでも被疑者・被告人を身体拘束できることになってしまいます。
そのため、一罪一逮捕の原則として守られているのです。

ですが、それでも全く同じ事実での再逮捕ができないと解されているわけではないことにも注意が必要です。
重要な新しい証拠が発見された場合や、逃亡や証拠隠滅のおそれが新しく発生した場合などで事情が変わり、再逮捕をする合理的な必要が生じ、逮捕の不当な蒸し返しにならない場合に限り、同じ事実での再逮捕も可能であると考えられているのです。

・再逮捕が繰り返されると

今回のAさんのように、逮捕されてしまった件とは別に他の事件も起こしていたような場合(この他の事件について「余罪」と呼んだりします。)、その他の事件について再逮捕が繰り返されることも十分考えられます。
理論上、別の件であれば再逮捕が可能であるため、余罪が多ければその分再逮捕が繰り返され、身体拘束される期間が長くなってしまうという可能性もあります。

こうした身体拘束期間の長期化が見込まれる刑事事件では、弁護士のサポートを受けることが望ましいです。
逮捕・勾留されれば当然ながら自分で外に行き家族や友人と会うことはできませんし、もちろん連絡を自由に取ることもできません。
家族や友人との面会も、1日にできる回数や時間、人数が制限されています。
そんな中、慣れない留置場で1人で過ごしながら取調べを受け続けることは、被疑者・被告人にとって非常に大きな負担となります。
だからこそ、弁護士の助けが効果的なのです。
弁護士は一般の方とは違い、面会時間や回数に制限がありません。
そのため、被疑者・被告人が不安に思う部分を丁寧に説明することができますし、ご家族・ご友人の伝言を伝えて橋渡しすることもできます。
刑事事件の手続き的な面でも、被疑者・被告人の精神的な面でも、弁護士のサポートは大きな意味を持つのです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、再逮捕が見込まれるような刑事事件についてのご相談・ご依頼も多く承っています。
再逮捕が不安だという方、逮捕されてしまったご家族・ご友人が心配だという方は、遠慮なく弊所弁護士までご相談下さい。

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