【事例紹介】ブランドと類似した商標を使い、商標法違反で逮捕

【事例紹介】ブランドと類似した商標を使い、商標法違反で逮捕

ブランドと類似した商標を使い逮捕された事件を基に、商標法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

滋賀県警木之本署は17日までに、商標法違反の疑いで、滋賀県多賀町の会社員の男(29)と同県彦根市の会社員の男(43)を逮捕した。
逮捕容疑は、共謀し、昨年9月から今年3月、インターネットオークションで、衣料品ブランド(中略)に類似する商標を付けた長袖シャツなど計4点を計2万2千円で販売し、商標権を侵害した疑い。
(後略)
(11月17日 京都新聞 「シャツに「ポロ・ラルフローレン」類似の商標 ネット販売の男ら容疑で逮捕、衣類400点押収」より引用)

商標権侵害

自分の業務で扱う商品について商標登録を行うことができ、その登録されている商標について、第三者が類似した商標などを勝手に使用した場合は商標権侵害にあたります。
商標権は商標法で規定されており、商標権侵害の罰則についても商標法に規定されています。

今回の事例の報道によれば、男性2人が共謀して衣料品ブランドに類似する商標を付けた商品を販売したとされています。
衣料品ブランドはおそらく商標登録を行っているでしょうから、類似した商標を当該ブランドと無関係の者が勝手に使用した場合には商標権侵害にあたります。
報道が事実であり、容疑者が商標法違反で有罪になった場合には、10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金またはその両方が科されることになります。(商標法第78条)

詐欺罪

今回の報道が事実であり、類似する商標を付けた商品を本物だと偽り販売していた場合には、逮捕容疑として挙げられている商標法違反だけではなく、詐欺罪に問われる可能性もあります。

詐欺罪は、大まかに説明すると、取引の相手方に対して取引などで重要なことについてうそをつき、だまされた相手からお金を受け取った際に成立します。
例えば、偽物のブランド用品を本物だと偽って販売し、そのうそを信じた人からお金を受け取った場合などが詐欺罪にあたります。

今回の事例では、インターネットオークションで衣料品ブランドと類似する商標を付けた長袖シャツなどを販売したと報道されています。
販売していたことが事実であり、もしも、その類似する商標を付けた商品を本物のブランド品であると偽って販売し、お金を得ていたのであれば、うそをついてお金を受け取ったことになりますので、詐欺罪が成立する可能性があります。

また、詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役(刑法第246条1項)ですので、もしも詐欺罪が成立し有罪になってしまった場合には、懲役刑が科されることになります。

逮捕されている事件(身柄事件)の場合には、早期に釈放に向けた弁護活動を開始し、裁判所や検察庁へ働きかける機会を逃さないことが重要になります。
裁判所や検察庁への働きかけを行うためにも、書類などを準備する時間が必要になりますので、逮捕後すぐに釈放に向けた活動を行うことが望ましいといえます。
また、今回の報道からでは認否がわかりませんが、冤罪をかけられた場合など事件について否認している場合はとりわけ厳しい取調べが行われるかもしれません。
取調べは1日かけて行われることがあり、長時間にわたる取調べが多大なストレスになる場合もあるでしょう。
弁護士によるアドバイスで、取調べのストレスを少しでも軽減できるかもしれません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件の豊富な経験をもつ法律事務所です。
現在、取調べでの対応でご不安な方、商標法違反詐欺罪逮捕、捜査されている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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