路面凍結による交通事故①道路交通法違反
路面凍結による交通事故で、特に道路交通法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
滋賀県長浜市に住んでいるAさんは、通勤に自動車を使用しています。
ある日、Aさんはニュースで、「今週は今季一番の冷え込みとなるため、路面凍結などが起きる可能性が高い。ドライバーの方は路面凍結による交通事故防止のためにスタッドレスタイヤへの交換やチェーンの取り付けを行うように」という報道がなされているのを見ました。
こうした注意は道路上の電光掲示板や地域の案内メールなどにもみられましたが、Aさんは「わざわざタイヤを変えたりチェーンを付けるのは面倒だ」と思い、特に対策を行わずに路面凍結状態の道路を運転していました。
すると、Aさんが自動車を運転中、ブレーキを踏んだにも関わらず車がスリップしてしまい、Aさんの前を走っていたVさんの車に追突する交通事故を起こしてしまいました。
Vさんはその交通事故で全治3週間の怪我を負ってしまい、Aさんは通報によって駆け付けた滋賀県木之本警察署の警察官に、過失運転致傷罪の容疑で話を聞かれることとなってしまいました。
(※この事例はフィクションです。)
・路面凍結と運転
2月に入りましたが、まだまだ寒い日が続いています。
寒い日が続くと、今回の事例のように路面凍結による交通事故も起こりやすくなってしまいます。
この記事を読まれている方の中にも、路面凍結によってブレーキを踏んだのに車がスリップしてしまいヒヤッとしたことのある方がいらっしゃるのではないでしょうか。
路面凍結についてAさんのように簡単に考えてしまっている方もいるかもしれませんが、実は、そもそもこういった路面凍結や積雪した道路を運転する場合について、法律によって注意と対策をしなければいけないということが決められているのです。
まずは道路交通法を見てみましょう。
道路交通法71条
車両等の運転者は、次に掲げる事項を守らなければならない。
6号 前各号に掲げるもののほか、道路又は交通の状況により、公安委員会が道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要と認めて定めた事項
この「…公安委員会が…定めた事項」について、滋賀県では以下のような定めがあります。
滋賀県道路交通法施行細則14条
法第71条第6号の規定により車両等の運転者が遵守しなければならない事項は、次に掲げるとおりとする。
1号) 積雪または凍結している道路において、自動車(二輪の自動車を除く。)を運転するときは、タイヤ・チェーン等をとりつけ、すべり止めの措置を講ずること。
※注:「法」とは道路交通法のことを指します。
つまり、滋賀県では、積雪状態の道路や路面凍結状態の道路を運転する時には、何らかのすべり止め措置をしなければいけないということなのです。
この道路交通法施行細則は各都道府県ごとに定めらえており、細かく内容も異なってくることから、もしも関連する刑事事件を起こしてしまったら、自分の行為はどの都道府県の細則のどの部分にどのように違反しているのか聞いてみましょう。
この道路交通法に違反した場合、以下のような罰則を受けることになります。
道路交通法120条1項
次の各号のいずれかに該当する者は、5万円以下の罰金に処する。
9号 第71条(運転者の遵守事項)第1号、第4号から第5号まで、第5号の3、第5号の4若しくは第6号…(中略)…の規定に違反した者
ですから、タイヤを変えるのが面倒だから、チェーンを付けるのが億劫だからといった理由で路面凍結状態の道路を運転してはいけないのです。
このように、身近な行動1つとっても、道路交通法違反などの犯罪になってしまう可能性があることがわかります。
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