未成年の大麻所持事件で逮捕
未成年の大麻所持事件で逮捕されてしまったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
Bさんは、滋賀県彦根市に、高校2年生になる娘のAさんと夫のCさんと一緒に暮らしています。
ある日、BさんがAさんの部屋を掃除していると、袋に入った葉っぱのようなものを見つけました。
Bさんは、「もしかしてこれは違法なものなのではないか」と不安になり、それを持って滋賀県彦根警察署に相談に行きました。
検査の結果、その葉っぱは大麻であることが発覚し、Aさんは大麻取締法違反の容疑で滋賀県彦根警察署に逮捕されてしまいました。
BさんとCさんはまさか本当にAさんが違法なものに手を出しているとは思わず、どうにか今後同じようなことを繰り返さずにすむように対応したいと思っていますが、今後Aさんがどういった手続きと流れでどのような処分が下されるのかも分かりません。
そこでBさんとCさんは、少年事件の相談を受けている弁護士に相談し、今後について詳しい話を聞いてみることにしました。
(※令和2年3月22日YAHOO!JAPANニュース配信記事を基にしたフィクションです。)
・未成年と大麻
大麻などの違法薬物と未成年はなかなか結びつきにくいという方もいるかもしれません。
特に、中高生などのまだ親元を離れていないことの多い年齢の未成年者については、大麻等の違法薬物を入手する場所や人との結びつきが想像しづらいかもしれません。
しかし、SNS等が発達した今では、知り合いを通じて、もしくは全く知らない人とコンタクトを取って大麻等の違法薬物を入手することもできてしまうのが現状です。
警察庁の「令和元年における組織犯罪の情勢」という統計で、実際の数字を確認してみましょう。
まず、令和元年(平成31年)に大麻取締法違反等大麻に関連して検挙された人数は4,321人です。
大麻に関連して検挙された人数は、平成27年が2,101人、平成28年が2,536人、平成29年が3,008人、平成30年が3,578人となっており、年々増加していることが分かります。
そして、令和元年の大麻に関連して検挙された人数のうち、20歳未満の未成年者は前年よりも180人増え、609人であるとされています。
つまり、昨年大麻に関連して検挙された人のうち、約14パーセントは未成年者なのです。
こうしてみると、「未成年なのだから大麻とかかわることは一切ない」「子どもなのだから大麻を手にして逮捕されることはない」とは言い切れないということが分かります。
20歳未満の未成年者や20代の若者の検挙数が大幅に増加していることも大麻事犯の特徴です。
大麻は、よく「違法薬物の入り口」とも呼ばれます。
というのも、大麻は覚せい剤などに比べて市場価格が安く、手に入れやすいと言われているのです。
一度違法薬物に手を出してしまえば、違法薬物を使うこと自体へのハードルが低くなり、他の違法薬物に手を出すことへのためらいもなくなりやすいです。
こうしたことから「大麻は違法薬物にへの入り口」と言われているのだと考えられます。
実際に、先ほどの警察庁の統計を見ると、大麻事犯の初犯率は非常に高く、特に20歳未満の未成年者で検挙された者のうち90.3パーセントは初犯で検挙されています。
ですから、もしも未成年者で大麻取締法違反で検挙されてしまったら、そこから違法薬物に関連する犯罪を繰り返さないよう、しっかりと再犯防止策を固めることが必要とされるのです。
もちろん成人の刑事事件であっても、大麻取締法違反のような薬物事犯の場合には、再犯を繰り返さないように再犯防止策や監督体制の構築が望まれます。
ですが、特に少年事件の場合には、少年の更生に重きを置くという特徴も相まって、よりきちんとした再犯防止策や監督体制の構築が望まれます。
こうした活動には、第三者であり専門家でもある弁護士のアドバイスが有効です。
今回のAさんらの事例のように、未成年の薬物事犯の場合、家族が心配して通報や相談した結果、事件が判明して逮捕に至るケースも少なくありません。
そうしたケースでは、保護者の方も今後について不安を抱えると同時に、できる限りの支援をしたいと考えられる方も多いです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件だけでなく少年事件の弁護活動・付添人活動も行っています。
大麻取締法違反事件などの薬物事犯も取り扱っていますので、まずはお気軽にご相談ください。