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【事例紹介】工事現場から銅線計220メートルが盗まれた事例

2023-12-27

犯罪行為でお金を手に入れる男性

滋賀県甲賀市の工事現場から銅線計220メートルが盗まれた事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

滋賀県警甲賀署は14日、滋賀県甲賀市(中略)の工事現場から銅線計220メートル(時価200万円相当)が盗まれた、と発表した。同じ工事現場では1カ月前に銅線320メートルが盗まれており、同署が同一犯による窃盗事件として調べている。
(後略)
(12月14日 京都新聞 「工事現場から時価200万円相当の銅線盗まれる 1カ月前にも被害、同一犯か」より引用)

窃盗罪

刑法第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

窃盗罪は簡単に説明すると、人の物を勝手に自分の物や他の人の物にすると成立する犯罪です。

今回の事例では、滋賀県甲賀市の工事現場から銅線計220メートルが盗まれたようです。
この銅線は工事現場にあったわけですから、銅線の持ち主は工事現場の責任者になるでしょう。
この銅線を持ち主の許可なく勝手に持ち出したのであれば、持ち出した人は窃盗罪の罪に問われる可能性があります。

窃盗罪の法定刑は、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。
ですので、窃盗罪で有罪になってしまった場合には、懲役刑が科される可能性があります。

初犯であれば、窃盗罪で懲役刑は科されないと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、今回の事例では銅線計220メートル、時価200万円相当の被害が出ています。
また、1か月前にも同様の被害が出ており、同一犯とみて捜査していると報道されています。
今回の事件だけでもかなり高額の被害額ですし、1か月前の事件も同一犯が起こしていたのであれば、被害額は倍になります。

被害額が高額に及ぶ場合には、初犯であっても、裁判が開かれ懲役刑が科される可能性があります。
また、転売目的での窃盗だと判断された場合には、より重い処罰を科される可能性が高いです。

建造物侵入罪

刑法第130条
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

建造物侵入罪は簡単に説明すると、正当な理由や許可なく建造物に進入すると成立する犯罪です。
建造物とは、人が住んでいる家などの住居、使用していない別荘などの邸宅を除いた建物を指します。

今回の事例では、工事現場から銅線が盗まれたと報道されています。
どういった工事現場なのかは報道からでは明らかではありませんが、場合によっては、窃盗罪だけでなく、建造物侵入罪も成立してしまう可能性があります。

例えば、今回の事例の工事現場が新しくできるお店の工事現場であり、お店が建てられていた場合、お店は住居や邸宅にはあたらないので建造物にあたります。
ですので、そのお店に窃盗をする理由で侵入したのであれば、正当な理由や責任者の許可なく建造物に進入したことになりますので、建造物侵入罪が成立する可能性があります。

ですので、場合によっては今回の事例の窃盗犯も、窃盗罪だけでなく建造物侵入罪に問われる可能性があるかもしれません。

建造物侵入罪の法定刑は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金です。
建造物侵入罪についても、有罪になれば懲役刑が科される可能性があります。

窃盗事件は弁護士にご相談を

自分が起こしてしまった事件や似たような事件が報道されると、逮捕されるんじゃないか、刑務所に行くことになるかもしれないんじゃないかなど、不安になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
逮捕される前や警察署からの連絡がある前に弁護士に相談をすることで、少しでも良い結果を得られる可能性があります。

例えば、逮捕される前に弁護士を選任し弁護士と一緒に警察署へ出頭することで、逮捕のリスクを減らせる可能性があります。

また、警察側が犯人を全く特定できていないなどの場合には、自主をすることで自主が成立する可能性もあります。
自主が成立した場合には、科される刑罰が軽くなる場合があります。
しかし、自主にはデメリットもあり、自主しなければ犯人だとバレなかったのに自主したことで犯人であることが明るみになり、結果、有罪になって前科がついてしまうなどの可能性もあります。
自主した方が良い場合やそうでない場合は、事件によって異なりますので、事件を起こしてしまった方は、弁護士に相談をすることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、窃盗事件の豊富な弁護経験をもつ法律事務所です。
経験豊富な弁護士に相談をすることで、逮捕の回避執行猶予付き判決の獲得など、少しでも良い結果を得られるかもしれません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料法律相談を行っています。
事件を起こしてご不安な方、既に警察の捜査を受けている方は、お気軽に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

盗品のトレーディングカードを買い取った疑い

2023-11-16

商品を盗む男性

盗品のトレーディングカードを買い取った疑いが持たれている事件について弁護士法人あいち刑事事件

総合法律事務所が解説します。

事案

滋賀県大津北警察署は、盗品等有償譲受け罪の容疑で、滋賀県大津市在住の男子大学生(21)を逮捕した。
逮捕容疑は、滋賀県大津市内のトレーディングカード専門店で盗まれたトレーディングカード数十点(60万円相当)を、50万円で買い取った疑い。
容疑者は盗品とは知らなかったと容疑を否認している。
(2月1日京都新聞「高級時計店強盗、盗品の腕時計を売却 容疑で男女4人逮捕 指示役は「あいと」」を参考にしたフィクションです。)

盗品等有償譲受け罪とは

刑法256条1項
盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けた者は、3年以下の懲役に処する。
同2項
前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、10年以下の懲役及び50万円以下の罰金に処する。

盗品等有償譲受け罪とは、刑法256条が規定する盗品等に関する罪の1つで、盗品等窃盗罪などの犯罪で得られたものだと知りながら有償で譲り受ける犯罪です。
本件では、男子大学生は盗品であるトレーディングカードを50万円で買い取ったとされています。
ですので、盗品であると知りながら買い取ったのであれば、盗品等有償譲受け罪が成立する可能性があります。

ところで、本罪の法定刑は、10年以下の懲役「及び」50万円以下の罰金とされており、本罪の前提となる財産に対する罪(以下、本犯と言います)、例えば窃盗罪の法定刑である10年以下の懲役「又は」50万円以下の罰金(刑法第235条)よりも重くなっています。
なぜでしょうか?
これは、盗品等に関する罪の本犯助長性、すなわち窃盗罪などの本犯を事後的に援助することにより窃盗罪等の財産犯を一般的に助長・誘発する性質が考慮されたためと考えられています。

本件でいうと、トレーディングカードを盗んだ犯人は、盗品を買い取ってくれる人がいることで、「また盗んでこよう」というような気になってしまうおそれがあります。

盗品であることの認識

盗品に関する罪は、故意犯です。
故意犯とは、簡単にいうと自分のする行為が犯罪であるとわかった上で実行する犯罪のことです。

本件になぞらえると、トレーディングカードが盗品等である可能性を男子大学生が認識していることが、盗品等有償譲受け罪の成立に必要ということになります。
男子大学生は、盗品であることを知らなかったとして容疑を否認していますから、取調べや裁判ではこの点が争点になりそうです。

弁護士に早めの相談を

逮捕された男子大学生は、警察官や検察官から取調べを受けることになります。
トレーディングカードの購入時に盗品であることを本当に知らなかったのであれば、盗品等有償譲受け罪は成立しませんので、盗品だと知らなかったことをしっかり説明する必要があります。
盗品だと知らなかったことを、きちんと供述することで、嫌疑不十分として不起訴処分を得られる可能性があります。

取調べでは、警察官や検察官に供述を誘導されることがあります。
例えば、今回の事例では、60万円相当のトレーディングカードを50万円で譲ってもらえることを怪しいと思わなかったのかなどと聞かれることがあるかもしれません。
実際に譲り受けた際に怪しいと思わなかったとしても、取調べでこのような聞き方をされれば、怪しいと思わない方が不自然だと考え、怪しいと思ったと答えてしまう可能性もあるでしょう。
先ほど書いたように、盗品等有償譲受け罪では、盗品等であるという認識が必要です。
ですので、盗品等であるという確定には至らなかったとしても、少しでも犯罪で得られたものかもしれないといった認識があったのであれば、盗品等有償譲受け罪が成立してしまうおそれがあります。

取調べで作成される供述調書は裁判で証拠として扱われます。
ですので、取調べでトレーディングカードが盗品である可能性を認識していたと捉えられかねない不適切な供述をしてしまうと、不利な証拠が作成されてしまうおそれや、後の裁判で窮地に陥ってしまう可能性があります。

取調べで何をどう話せばいいのかを自分で判断することは非常に困難です。
取調べを受ける前に法律のプロである弁護士に一度相談しアドバイスを得ることを強くおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、盗品等に関する事件の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
刑事事件に詳しい弁護士に事前に相談して取調べのアドバイスを得ることで、不起訴処分無罪判決を得られるかもしれません。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無料法律相談のご予約は0120ー631ー881にて受け付けております。

万引きでも前科が付くってほんと?退学や解雇のリスクも⁈

2023-11-08

刑事事件で捜査を受けた際に、前科が付くかどうかを気にされる方も多いのではないでしょうか。
今回のコラムでは、前科がどういった場合に付くのか、前科を避ける方法はあるのかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説していきます。

事例

Aさんは滋賀県高島市にあるスーパーで100円のお茶1本を万引きしました。
Aさんの万引きの一部始終を見ていた店員が滋賀県高島警察署に通報し、Aさんは滋賀県高島警察署の警察官から窃盗罪の容疑で捜査を受けることになりました。
(事例はフィクションです。)

万引き

窃盗罪は刑法第235条で「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」と規定されています。
この条文を大雑把に説明すると、人の物を持ち主の許可なく自分の物や他の人の物にすると、窃盗罪が成立します。

万引きは店の商品を許可なく自分の物にしますので、万引きをすると窃盗罪が成立します。
窃盗罪の法定刑は、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金ですので、窃盗罪で有罪になると、懲役刑罰金刑が科されることになります。

前科とは?

では前科とはいったい何なのでしょうか。

簡単に説明すると、前科は犯罪の経歴なようなものをいいます。
何かしらの犯罪を犯して、刑罰を受けた場合には、この前科が付くことになります。

例えば、今回の事例のAさんが窃盗罪で略式命令による罰金刑を受けた場合、Aさんには前科が付くことになります。
また、略式命令による罰金刑で収まらずに、裁判が開かれ、執行猶予付き判決を得た場合にも、Aさんは前科が付きます。
当然、執行猶予付き判決が得られず、実刑判決が下された場合にも、Aさんに前科が付くことになります。

このように、罰金刑執行猶予の有無にかかわらず、何かしらの刑罰を受けた場合には、前科が付くことになります。

前科による影響

前科が付くことで何か悪影響があるのでしょうか。

Aさんが高校生である場合、大学生である場合、社会人である場合を想定して、前科が付くことによる悪影響を考えていきましょう。

① Aさんが高校生の場合

高校生であるAさんに前科が付いてしまうと、高校生活に悪影響を及ぼす可能性が高いです。
高校は義務教育ではありませんので、公立、私立にかかわらず、退学処分になってしまうおそれがあります。
前科が付いたことで退学となれば、新たに別の高校に入りなおすことは容易ではないでしょう。
また、退学にならない場合でも、大学へ学校推薦で入学することができなくなる可能性が非常に高いですし、推薦入学が決まっていた場合は取り消される可能性もあります。

② Aさんが大学生の場合

Aさんが大学生の場合はどうでしょうか。

Aさんが大学生の場合も高校生の場合と同様に、退学となってしまう可能性があります。
大学に入りなおすとなると再度試験を受ける必要がありますし、在籍している学部によっては専門性が高く、他大学では学べないなどもあるでしょう。
ですので、前科が付くことで、自分が学びたいことが学べなくなってしまう可能性があります。

また、国家資格によっては、前科が付くことが欠格事由に該当する可能性があります。
ですので、大学で専門的なことを学んでも、欠格事由に当たることで、資格を取得できず希望する職に就けなくなってしまうおそれがあります。

加えて、前科がAさんの就職活動に大きな影響を与える可能性があります。
前科がある=犯罪を犯して刑罰を受けたということですから、企業側は、Aさんが問題を起こすような人物だとして、採用したがらない可能性が非常に高く、希望する職種には就けないかもしれません。
就職活動を終え、内定をもらっていた場合でも、前科を理由に内定が取り消されてしまうおそれもあります。

③ Aさんが社会人の場合

社会人のAさんが前科が付くことで最も影響を受けるのは仕事でしょう。

仕事先にAさんが刑事事件を起こし、刑罰を受けたと知られることで、解雇されてしまうおそれがあります。
Aさんの年齢や職種によっては、転職先を見つけるのに相当な苦労をするでしょうし、前科があることで、企業側が採用を見送る可能性も非常に高いです。

以上のように、前科が付くことで、今まで通りの生活を送れず、将来にわたって悪影響を及ぼしてしまうおそれがあります。

前科は避けられる?

一度、犯罪行為を起こしてしまうと前科が付くことを避けられないのでしょうか。

結論から言うと、前科は避けられる場合があります。

前科は刑罰を受けた際に付きますので、不起訴処分を獲得することができれば、前科が付くことを避けることができます。

不起訴処分の獲得を目指すうえで重要になってくることの1つが、被害者との示談締結です。

今回の事例では、Aさんはスーパーのお茶を万引きしていますので、被害者はこのスーパーの店長などの責任者になります。
お店側との示談は、店側の規定などにより断られる可能性が非常に高いです。
加えて、加害者本人が直接示談交渉をする際は、より断られてしまう可能性がありますので、示談交渉を行う際は弁護士に相談をすることをお勧めします。

また、弁護士は、検察官に対して処分交渉を行うことができます。
弁護士が検察官に対して不起訴処分を求めることで、不起訴処分を得られる可能性があります。

今回の事例のような100円程度の万引きであれば、有罪にならずに前科は付かないと考えている方もいらっしゃるかもしれません。
100円であっても、窃盗罪にあたる行為を行ったのであれば、窃盗罪が成立する可能性は十分にあります。
これまでに前科もなく、余罪もないのであれば、罰金刑で収まる可能性もあるかもしれませんが、罰金刑であっても前科は付きますので、将来を棒にふってしまう可能性があります。
弁護士に相談をすることで、前科が付くことを避けられるかもしれませんので、万引きによる窃盗罪でお困りの方は、ぜひ、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

ご家族が逮捕された方は初回接見サービスを、ご本人様の刑事事件でご相談の方は無料法律相談をご利用ください。
初回接見サービス無料法律相談のご予約は、0120ー631ー88124時間受け付けております。

転売目的でトレカを万引きした事例

2023-11-01

今回のコラムでは、滋賀県甲賀市のトレーディングカード専門店で発生した万引き事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

お金に困っていたAさんは、フリマサイトであるトレーディングカード(以下「トレカ」と省略します)が高額で取引されていることに気が付きました。
Aさんはそのトレカが滋賀県甲賀市のトレーディングカード専門店であるV店で販売されていたことを思い出し、V店を訪れました。
目当てのトレカはV店で販売されていたものの、価格が32万円でAさんには手が出ませんでした。
近くに人がいなかったことから万引きしてもバレないだろうと思い、Aさんはそのトレカを万引きし家に帰りました。
帰宅後すぐにAさんは万引きしたトレカをフリマサイトに出品し、高値で転売することができました。
万引きから数日後、防犯カメラ映像からAさんが特定され、窃盗罪の容疑で滋賀県甲賀警察署の捜査を受けることになりました。
(事例はフィクションです。)

万引きと窃盗罪

コンビニやスーパーなどで商品を盗む行為を万引きと呼びますが、この行為は窃盗罪にあたります。
窃盗罪は、刑法第235条によって規定されており、簡単に説明すると、他人の物を持ち主の許可なく盗むと窃盗罪が成立します。
窃盗罪で有罪になった場合は、10年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。(刑法第235条)

今回の事例では、AさんがV店から32万円のトレカを万引きしています。
このトレカはV店の商品ですから、持ち主はV店の責任者になります。
AさんはV店の責任者の許可なくトレカを盗んだわけですから、Aさんには窃盗罪が成立することになります。

転売目的と窃盗罪

今回の事例では、Aさんは転売目的でトレカを盗んだうえに、実際にフリマサイトで転売しています。
このような転売目的での万引きや窃盗の場合は、悪質性が高いと判断される可能性が高く、転売目的ではない被害額が同程度の窃盗事件よりも重い量刑が科されるおそれがあります。

また、今回の事例では32万円のトレカを万引きしていますので、V店が被った損害は軽いとはいえません。
窃盗罪は被害の大きさによっても科される量刑が変わってきますので、Aさんが窃盗罪で有罪になった場合には、重い刑罰が科されてしまう可能性があります。

示談交渉とその重要性

窃盗罪の場合、被害者と示談を締結することで、不起訴処分を獲得できる場合があります。
不起訴処分はその名の通り、起訴されない処分を指します。
起訴されないということは刑罰を科されないということですので、不起訴処分を獲得することができれば、懲役刑や罰金刑などの刑罰を受けることはありませんし、前科が付くこともありません

ただ、今回の事例のような万引き事件の場合、被害者はV店になりますので、V店の責任者と示談交渉を行うことになります。
お店と示談を行う場合、お店の方針もありますから、示談交渉に応じてもらえない場合も少なくありません。
しかし、弁護士からお店に連絡をすることで、話を聞いてもらえる可能性があります。
加害者自らが示談交渉を行い断られた場合であっても、弁護士が再度連絡を取ることで示談に応じてもらえる場合がありますので、一度弁護士に相談をすることをお勧めします。

万引き事件に強い弁護士を

お店などでつい魔が差してしまい万引きをしてしまうこともあるかもしれません。
ですが万引き窃盗罪になりますので、魔が差してやってしまったことでも罪に問われることになります。

また、コンビニで数百円程度の商品を万引きしただけであれば、窃盗罪にはあたらないと考えている方もいるかもしれません。
しかし、万引きした商品が安かろうと、万引きは犯罪ですので窃盗罪の罪に問われることになります。

先ほども書いたように、万引きなどの窃盗事件示談の締結がカギになってきます。
弁護士を入れることで、円滑に示談を締結できる場合がありますし、示談を締結できない場合であっても弁護士が検察官に処分交渉を行うことで不起訴処分を獲得できる可能性があります。
万引き事件不起訴処分を目指している方は、窃盗罪に強い、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

【事例紹介】募金箱から10円を盗み逮捕された事例

2023-10-05

コンビニに設置してある募金箱から10円を盗んだとして、窃盗罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

滋賀県大津市にあるコンビニエンスストアで、募金箱から10円を盗んだとして、44歳の男が逮捕されました。
(中略)
男は警察に対し、窃盗容疑を認めた上で、「私はこれまで募金している。困った時のための募金。困ったので使った」と供述しているということです。
(10月1日 ABCニュース 「募金箱を揺すり10円盗んだ疑い コンビニ会計で不足「困った時のための募金 困ったので使った」 44歳男逮捕」より引用)

窃盗罪

刑法第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

窃盗罪は大まかに説明すると、他人のものを所有者の許可なく取得した場合に成立します。

募金箱から10円を盗ったと報道されていますが、窃盗罪は成立するのでしょうか。

募金箱はコンビニに設置されているわけですから、募金箱の中のお金は、コンビニの責任者の持ち物になります。
報道が事実であれば、容疑者はコンビニの責任者の許可を得ずに10円を取り出しているわけですから、窃盗罪が成立する可能性が高いです。

では、自分が募金したお金を取り出した場合にも窃盗罪は成立するのでしょうか。

事例②
Aさんはスーパーで買い物をし、おつりの10円をレジ横にある募金箱にいれました。
翌日、Aさんは同じスーパーで買い物をしたのですが、精算の際に10円足りないことに気付きました。
昨日Aさんが10円を寄付した募金箱はレジ箱に置かれてあり、Aさんが入れたであろう10円も確認できました。
Aさんは自分が入れた10円だから取り出して使ってもいいだろうと思い、報道されている事例のように、10円を取り出して精算に使用しました。
(事例②は今回の報道事例を参考にしたフィクションです。)

事例②のAさんは報道事例と同様に、募金箱から10円を取り出しています。
募金箱からお金を取り出すと窃盗罪が成立すると解説しましたが、Aさん本人が募金した10円を取り出している場合にも窃盗罪は成立するのでしょうか。

結論から言うと、窃盗罪は成立します。

事例②の募金箱はスーパーに設置されていますので、募金箱の中のお金の所有者はスーパーの責任者になります。
ですので、Aさんが募金箱に10円を入れた時点で、この10円はスーパーの責任者が所有していることになります。
この10円をAさんが入れたのだとしても、所有者がAさんではない以上、勝手に取り出してしまうと窃盗罪が成立します。

窃盗罪と刑罰

窃盗罪の法定刑は、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金ですので、有罪になると懲役刑や罰金刑が科されることになります。

報道事例では、10円を盗んだとされています。
10円を盗んだだけでは罪に問われないのではないかと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、10円だったとしても盗んだのであれば窃盗罪は成立しますし、窃盗罪が成立する以上、何らかの刑罰が科される可能性があります。

窃盗罪示談を締結することで、不起訴処分を獲得できる可能性があります。

今回の報道事例のような場合は、お店が被害者になりますので、お店の責任者と示談を締結することになります。
お店と示談を締結する場合、お店の連絡先も調べればわかるし簡単じゃないの?と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、実際はお店相手の方が示談に応じてもらえない場合が多く簡単だとはいえません。
ですので、示談交渉自体は行えても、示談の締結に至らない可能性が高いです。

とはいえ、必ずしもお店と示談を締結できないわけではありません。
弁護士が代理人となって示談交渉を行うことで、示談を締結できる可能性があります。
示談を考えている方は、一度、弁護士に相談をしてみることが望ましいでしょう。

また、示談が締結できない場合でも、被害弁償は受け入れてもらえる場合があります。
弁護士が検察官に、加害者本人が反省していることや、被害弁償を行っていること、被害額は大きくなく悪質とはいえないことなどを主張することで、示談が締結できなかった場合でも、不起訴処分を獲得できるかもしれません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料法律相談を行っています。
窃盗罪の容疑で捜査を受けている方、示談を考えている方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無料法律相談のご予約は、0120―631―881までご連絡くださいませ。

【事例紹介】故意に事故を起こした保険金詐欺事件

2023-08-30

故意に事故を起こして保険金をだまし取ったとして、詐欺罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

滋賀県警交通指導課と守山署は24日、詐欺の疑いで、滋賀県湖南市の会社役員(41)ら同県に住む28~41歳の男5人を逮捕したと発表した。
逮捕容疑は共謀して(中略)、野洲市内の国道で故意に乗用車同士の事故を起こして、損害保険会社にうその事故報告を行い、修理代などの名目で計約340万円をだまし取った疑い。
(後略)
(8月24日 京都新聞 「故意に交通事故起こし保険会社から340万円だまし取る 容疑の男5人逮捕」より引用)

保険金詐欺と詐欺罪

保険金詐欺とは、簡単に説明すると、保険会社などにうそをついて保険金をだまし取ることをいいます。
また、保険金詐欺を行うと、名称の通り、詐欺罪が成立する可能性が高いです。

詐欺罪は、刑法第246条1項で「人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。」と規定されています。

大まかに説明すると、詐欺罪は、人に重大なうそをついて相手に信じこませることにより、お金などを受け取ると成立します。

今回の事例では、容疑者らが故意に事故を起こして、損害保険会社にうその報告を行うことで保険金をだまし取ったと報道されています。
故意であったとしても事故により損害が発生したのであれば、犯罪は成立しないのではないかと思う方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、自動車損害賠償保障法第14条では、「保険会社は、第82条の3に規定する場合を除き、保険契約者又は被保険者の悪意によって生じた損害についてのみ、てん補の責めを免れる。」と規定しています。
つまり、原則として保険会社は、故意に起こされた事故の損害については、保険金を渡す必要はないことになります。

今回の事例では、容疑者らが故意に事故を起こしたのではないかと報道されています。
損害保険会社は、故意による事故であれば、おそらく保険金を渡さないでしょう。
ですので、今回の事例の容疑者らが、実際に故意に事故を起こしたうえで故意であることを偽って保険金を請求したのであれば、詐欺罪が成立する可能性があります。

保険金詐欺と示談

詐欺罪は罰金刑の規定がありませんので、有罪になってしまうと、必ず懲役刑が科されることになります。
執行猶予不起訴処分といった言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
執行猶予付きの判決を獲得することができれば、再犯などをしない限り刑務所に収容されることはありませんし、不起訴処分を獲得することができれば、懲役刑が科されることはありません。
では、どうすれば執行猶予付き判決や不起訴処分を獲得できるのでしょうか。

詐欺事件などの刑事事件では、被害者と示談を締結することで、執行猶予付き判決や不起訴処分を獲得できる可能性があります。

今回の事例のような保険金詐欺では、保険会社が被害者になるので、保険会社示談を締結することになります。
保険会社など、会社相手に示談交渉を行った場合には、示談を断られてしまう可能性が高いです。
弁護士が代わりに会社と示談交渉を行うことで、示談を締結できる場合もありますので、保険会社などの会社相手に示談交渉を行う場合には、弁護士を介して行うことが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、数々の事件で示談を締結に導いてきました。
示談交渉でお悩みの方や、保険金詐欺などの詐欺事件で逮捕、捜査されている方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回接見サービス無料法律相談のご予約は、0120―631―881までお電話くださいませ。

【事例紹介】マンガ1冊を万引きし逮捕された事例

2023-06-21

人気コミックを万引きしたとして、窃盗罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

滋賀県警東近江署は7日、書店から人気コミック(中略)1冊を盗んだとして窃盗(万引)容疑で、同県東近江市の派遣社員の男(29)を逮捕した。調べに対し、容疑を認めているという。
逮捕容疑は、(中略)大型書店で、(中略)人気コミック(中略)1冊(販売価格660円)を盗んだとされる。
(後略)
(6月7日 産経新聞 「映画大ヒットのコミック「スラムダンク 19巻」を万引 滋賀県警、29歳男を逮捕」より引用)

万引きと窃盗罪

万引きを行うと窃盗罪という罪が成立します。
窃盗罪は刑法第253条で「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と規定されており、窃盗罪で有罪になると懲役刑が科されてしまう可能性があります。

今回の事例では、容疑者がコミック1冊を万引きしたとされています。
コミックは財物にあたりますし、売買契約を交わしていない以上、お店の所有物になります。
ですので、容疑者がお店の許可なくお金を払わずにコミックを盗ったのであれば、窃盗罪が成立する可能性が高いです。

万引きと刑事処分

万引きというと軽い犯罪のように思えますが、万引きを行うと窃盗罪が成立しますので、決して軽い犯罪とはいえません。

今回の事例では660円のコミック1冊を万引きしたとされています。
1000円にも満たない商品での万引きであれば罪には問われないと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、盗品の値段や価値に限らず、万引き窃盗罪が成立しますので罪に問われることになります。
ですので、刑事罰を避けるためにも、万引きによる窃盗罪の嫌疑をかけられた場合には、早期に弁護士に相談をすることが重要になります。

示談を締結することで不起訴処分を獲得し、刑事罰を避けられる可能性があります。
今回の事例のように万引き事件の場合は、お店の責任者と示談を締結することになります。
お店と示談を締結する場合、断られてしまう可能性が高く、加害者が直接示談交渉をすることはおすすめできません。
弁護士が間に入り、加害者が二度と被害店舗を利用しないなどの誓約を示談書に記載することで、示談を締結できる場合がありますので、示談を考えている方は一度弁護士に相談をしてみることが望ましいでしょう。

また、弁護士は示談交渉の他にも、取調べのアドバイスや検察官への処分交渉などを行います。

取調べでは、なぜ万引きをしたのか、他に万引きした商品はないかなど聞かれることになるでしょう。
警察官はあなたが供述した内容を基に、裁判の証拠となる供述調書を作成します。
ですので、もしもあなたが不利になるような供述をしてしまった場合には、不利になるような証拠が作成されてしまう危険性があります。
弁護士と取調べ前に打合せを行うことで、不利な証拠の作成を防げるかもしれません。

加えて、弁護士は検察官に処分交渉を行うことができます。
弁護士があなたに有利な事情を検察官に訴え、不起訴処分を求めることで、不起訴処分を獲得できる可能性があります。

刑事事件は民事事件とは手続きや弁護活動が大きく異なります。
刑事弁護に精通した弁護士を選任することで、不起訴処分の獲得を目指せるかもしれません。
万引きなどの窃盗罪やその他刑事事件でお困りの方は、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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【事例紹介】持続化給付金詐欺で逮捕された事例②

2023-06-07

前回のコラムに引き続き持続化給付金詐欺を行い逮捕された事例を基に、自首逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

新型コロナウイルス対策の持続化給付金をだまし取ったとして、滋賀県警大津署は15日、詐欺の疑いで、(中略)逮捕した。
逮捕容疑は、仲間と共謀し、(中略)個人事業主を装い、虚偽申請をして、(中略)中小企業庁から給付金100万円をだまし取った疑い。
大津署によると、容疑の男は給付金が振り込まれた後、同署に自首したがいったん帰された。再度の出頭要請には応じず行方不明となっていた。
(5月15日 京都新聞 「持続化給付金100万円だまし取る 出頭要請応じず行方不明 容疑の男を逮捕」より引用)

自首

自首をすると刑罰が軽くなると聞いたことがある方もいらっしゃると思います。
実際に、刑法第42条では「罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。」と規定されており、自首をすることで刑罰が軽くなる可能性があります。

しかし、刑罰が軽くなるのは、捜査機関への発覚前に自首を行った場合に限られます。
捜査機関への発覚前とは、犯罪が行われたことが発覚していない場合や、犯罪が行われたことは発覚しているが犯人が誰であるか判明していない状態を指します。(昭和24年5月14日 最高裁判所 決定)
犯人が誰なのか捜査で明らかになっている状態で、出頭をしたとしても自首は成立せず、罪の減軽は行われません。

今回の事例では、容疑者による自首が認められています。
容疑者は自首後に帰宅したようですが、事件によっては自首の直後に逮捕される場合があります。
弁護士や家族が身元引受人になることで逮捕を免れられる可能性がありますので、自首を行う際には、一度弁護士に相談することが望ましいでしょう。

また自首には、罪が軽くなる可能性があるメリットと、犯罪事実や犯人が発覚してしまうデメリットがあります。
事件によっては、自首した方が良い場合やそうでない場合があります。
ですので、自首を検討している方は、自首をする前に弁護士に相談することをお勧めします。

出頭要請と逮捕

今回の事例では、容疑者は自首後に帰宅したものの、後日、詐欺罪の容疑で逮捕されています。
逮捕とはどういった場合にされるのでしょうか。

刑事訴訟法では、逮捕について以下のように定めています。

検察官、検察事務官又は司法警察職員は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときは、裁判官のあらかじめ発する逮捕状により、これを逮捕することができる。ただし、30万円以下の罰金、拘留又は科料に当たる罪については、被疑者が定まった住居を有しない場合又は正当な理由がなく前条の規定による出頭の求めに応じない場合に限る。(刑事訴訟法第199条1項)
裁判官は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があると認めるときは、検察官又は司法警察員の請求により、前項の逮捕状を発する。但し、明らかに逮捕の必要がないと認めるときは、この限りでない。(刑事訴訟法第199条2項)

通常逮捕の場合は、罪を犯したと疑うことの正当な理由逮捕しなければならない必要性がなければ逮捕することができません。

また、刑事訴訟規則第143条の3では、「逮捕状の請求を受けた裁判官は、逮捕の理由があると認める場合においても、被疑者の年齢及び境遇並びに犯罪の軽重及び態様その他諸般の事情に照らし、被疑者が逃亡する虞がなく、かつ、罪証を隠滅する虞がない等明らかに逮捕の必要がないと認めるときは、逮捕状の請求を却下しなければならない。」と規定しています。
つまり、逃亡や証拠隠滅のおそれがないと裁判官が認めた場合には、逮捕の必要性はなくなります。
逆に言えば、逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断される場合には、逮捕の必要性があると判断されることになります。

今回の事例では、容疑者は逮捕前の出頭要請に応じず、行方不明になっていたと報じられています。
出頭要請に応じずに行方不明状態であったことから、逃亡したと判断されたのではないでしょうか。
事例の容疑者は自首していますので、罪を犯したと疑うことの正当な理由があるといえます。
また、逃亡のおそれがある場合には逮捕の必要性が認められますので、出頭要請に応じずに行方をくらましていた容疑者には逮捕の必要性があると判断される可能性がかなり高いです。
今回の事例では、実際に容疑者が詐欺罪の容疑で逮捕されていることから、逮捕の必要性があると判断されたのでしょう。

弁護士が逮捕後に検察官や裁判所に、家族の監督体制が整っていることや釈放の必要性を記した意見書を提出することで、早期釈放を実現できる可能性があります。
この意見書は勾留の判断が行われるまでの間に提出しなければならず、逮捕後72時間以内に書類の準備や提出を行わなければなりません。
時間との勝負になりますので、早期釈放を目指す場合には、できる限り早い段階で弁護士に相談をすることが重要になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
刑事事件に精通した弁護士に相談をすることで、逮捕の回避早期釈放を実現できるかもしれません。
自首を検討している方、早期釈放を目指している方は、土日祝日対応可能弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

【事例紹介】持続化給付金詐欺で逮捕された事例①

2023-05-31

持続化給付金詐欺を行い逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

新型コロナウイルス対策の持続化給付金をだまし取ったとして、滋賀県警大津署は15日、詐欺の疑いで、(中略)逮捕した。
逮捕容疑は、仲間と共謀し、(中略)個人事業主を装い、虚偽申請をして、(中略)中小企業庁から給付金100万円をだまし取った疑い。
大津署によると、容疑の男は給付金が振り込まれた後、同署に自首したがいったん帰された。再度の出頭要請には応じず行方不明となっていた。
(5月15日 京都新聞 「持続化給付金100万円だまし取る 出頭要請応じず行方不明 容疑の男を逮捕」より引用)

持続化給付金詐欺

持続化給付金とは、コロナにより大きな影響を受けた事業者に給付される支援金を指します。
持続化給付金の申請には、いくつかの要件があり、その要件を満たさずに持続化給付金を受給した場合は、不正受給となってしまいます。
受給可能な要件を満たしていないのに、満たしているようにみせかけ、持続化給付金不正受給する行為を持続化給付金詐欺といいます。

持続化給付金詐欺を行うと、名前に「詐欺」が入っている通り、詐欺罪が成立します。

詐欺罪は、刑法第246条で「人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。」と規定されています。
詐欺罪は簡単に説明すると、相手に重大なうそをつき、うそを信じた相手方からお金などを受け取ると成立します。

持続化給付金詐欺では、持続化給付金制度を担当する職員に、実際には受給資格がないにもかかわらず受給資格があるようにみせかけ、持続化給付金を給付させます。
受給資格がないのに、あるようにみせかけ、相手をだます行為は欺罔行為にあたしますし、その欺罔行為により持続化給付金を給付させているので、持続化給付金詐欺を行った場合には詐欺罪が成立します。

今回の事例では、容疑者が仲間と共謀して虚偽申請を行い、持続化給付金をだまし取ったとされています。
容疑者は虚偽申請を行っていると報道されていることから、おそらく受給資格はなかったのでしょう。
受給資格がないにもかかわらず、あるようにみせかけて申請を行う行為は、持続化給付金詐欺の典型例です。
実際に、容疑者は虚偽申請により職員をだまし、持続化給付金を受け取ったのであれば、詐欺罪が成立する可能性があります。

持続化給付金詐欺と執行猶予

持続化給付金詐欺詐欺罪が成立しますので、有罪になった場合は、10年以下の懲役刑が科されることになります。
懲役刑は刑務所で刑務作業を行わなければならない刑罰ですが、裁判で執行猶予付きの判決を獲得できた場合には、猶予期間中に新たに犯罪を犯さない限り、刑務所に行かなくてよくなります。

持続化給付金詐欺では、執行猶予付き判決を獲得するうえで、不正受給した持続化給付金の返還や取調べ対応が重要になります。

持続化給付金制度を担当している中小企業庁では、不正受給者による持続化給付金の自主返還を推奨しています。
不正受給した持続化給付金を返還していることは裁判で有利な事情となりますから、執行猶予付き判決の獲得を目指す場合には、持続化給付金を返還することがかなり重要になってきます。

また、今回の事例のような持続化給付金詐欺の場合は、被害者が国であり、示談を締結することが困難であるといえます。
示談を締結できないような刑事事件の場合、贖罪寄附をすることで、裁判で有利な事情として考慮される場合があります。
事件の内容によって、執行猶予付き判決を得るために行っておこべきことは異なってきますので、一度弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。

加えて、取調べでは、裁判の証拠になる供述調書が作成されます。
取調べでは、警察官や検察官から供述の誘導が行われる場合があり、万が一、不利な供述調書が作成されてしまうと、後から覆すことは容易ではありません。
取調べで聞かれる内容をある程度予測することは可能であり、供述すべき内容をあらかじめ考えておくことで、供述を誘導されることを防げる可能性があります。
例えば、今回の事例では、虚偽の申請内容や申請方法、申請するに至った経緯、仲間との上下関係や担った役割などについて聞かれるのではないでしょうか。
取調べ前に供述内容を吟味するためにも、取調べを受ける際には、事前に弁護士と取調べ対策を行い、聞かれる内容を事前に予測しておくことがとても重要になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、詐欺事件の豊富な弁護経験をもつ法律事務所です。
詐欺事件に精通した弁護士に相談をすることで、執行猶予付き判決の獲得など、あなたにとってより良い結果を得られるかもしれません。
持続化給付金詐欺詐欺罪でお困りの方は、初回接見サービス、無料法律相談を行っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

次回のコラムでは、自首逮捕について解説します。

【事例紹介】業務上横領罪で逮捕された事例 草津市

2023-05-17

滋賀県草津市で起きた業務上横領事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

滋賀県警草津署は9日、業務上横領の疑いで、滋賀県草津市、飲食店店長の男(38)を逮捕した。
逮捕容疑は(中略)、店長を務める同市内の飲食店の売上金の一部約40万円を着服した疑い。
(後略)
(5月10日 京都新聞 「「強盗に現金奪われた」は作り話 飲食店の売上金着服した店長を横領容疑で逮捕」より引用)

業務上横領罪

業務上横領罪は刑法第253条で、「業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、10年以下の懲役に処する。」と規定されています。

業務上横領罪がいう業務とは、金銭などの管理を仕事として任され、保管することを指します。
大まかに説明すると、仕事で管理を任されているお金などを着服すると、業務上横領罪が成立します。

今回の事例では、店長である容疑者が売上金の一部である約40万円を着服したとされています。
報道によると、容疑者は店長を務めています。
店長なのであれば、お金の管理も仕事の一環として行っていたと推測できますので、実際に容疑者がお店のお金を着服していたのであれば、今回の事例では業務上横領罪が成立する可能性があります。

逮捕と釈放

逮捕と聞くと、長期間にわたって身体拘束されることをイメージされる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、弁護士による釈放に向けた弁護活動で、逮捕後すぐに釈放される場合があります。

刑事事件では、逮捕されると72時間以内に勾留か釈放かの判断がなされます。
弁護士は検察官が勾留請求を行う前に、検察官に対して勾留請求に対する意見書を提出することができます。
この意見書により、検察官が勾留請求を行わなかった場合には、すぐさま釈放されることになります。

また、検察官が勾留請求を行った場合でも、裁判官が勾留の判断を行う前であれば、意見書を裁判官に提出することができます。
裁判官に意見書を提出し、勾留は妥当ではないと判断してもらうことができれば、勾留されずに釈放されます。

勾留が決定してしまった場合は、最長で20日間、身体拘束を受けることになります。
ですが、勾留が決まった場合であっても、勾留満期を待たずに釈放される場合があります。
弁護士は、勾留が決定してしまった場合に、勾留決定に対する準抗告の申し立てを行うことができます。
この準抗告の申し立てが認められた場合には、勾留満期を待たずに釈放されます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、数々の刑事事件で早期釈放を実現してきました。
刑事事件に精通した弁護士に相談をすることで、早期釈放を実現できる可能性があります。
早期釈放を目指す場合には、できる限り早い段階から弁護活動をスタートする必要があります。
業務上横領罪などの刑事事件でご家族が逮捕された場合は、お早めに、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所初回接見サービスをご利用ください。

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