チケットの不正転売で逮捕されてしまったら

チケットの不正転売で逮捕されてしまったら

チケット不正販売逮捕されてしまった場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~事例~

Aさんは、人気のアーティストであるVさんが滋賀県大津市でコンサートをする予定であることを知りました。
Vさんのコンサートは人気ゆえにチケットの当選倍率が高く、チケットを手に入れることのできないファンが多くいることを知っていたAさんは、Aさんはこうしたファンの強い購買意欲に商機を見出し、事業として独自システムによってVさんのコンサートチケットを大量に仕入れ、それを自身のインターネットサイトでVさんらに許可をとらず転売しました。
Aさんの転売したチケットは、全て指定席のもので、通常価格が8,000円であるのに対しAさんは3万円という高額での転売をしていました。
すると後日、滋賀県大津警察署の警察官がAさんの自宅にやってくると、Aさんはチケット不正転売禁止法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの家族は、Aさんがチケット転売行為によって逮捕されたことに驚き、これからどうしてよいのか弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・チケット不正転売禁止法ができた経緯とは

チケット不正転売はダフ屋行為とも呼ばれており、その語源はチケットを意味する「札(ふだ)」を逆さに読んだことであるとも言われています。
チケット不正転売防止法が制定される以前も、チケット不正転売は各都道府県の条例で規制されており、対応がなされていました。
しかし、多くの条例は「公の場所」での不正転売を禁ずるのみであって、インターネット販売について適用があるといえるか等の問題を抱えていました。
また、このような条例を制定してない地方自治体は、物価統制令という戦後まもなく成立した古い法律で対処していたようですが、この法律はハイパーインフレに対処し生活安定を図る法律であるため、不正転売への適用には無理があると言われていました。
このような状況の中、2020年に予定されていた東京オリンピックの開催決定を受け全国的な規制の必要性が生じたこと、また、インターネットの登場で個人も容易に不正転売を行うことができるようになってしまったことなどに対処する必要が生じたことから、チケット不正転売禁止法が成立することになりました。

・チケット不正転売禁止法の対象となる行為

チケット不正転売禁止法が対象とする行為は、特定興行入場券の不正転売(第3条)と、特定興行入場券の不正転売の目的を有しての譲受け(第4条)です。
そしてこれら行為を行った場合に処罰されます。

チケット不正転売禁止法
第3条 何人も、特定興行入場券の不正転売をしてはならないこと。
第4条 何人も、特定興行入場券の不正転売を目的として、特定興行入場券を譲り受けてはならない。
第9条 第3条又は第4条の規定に違反した者は、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

今回の事例では、いずれの行為もAさんに成立する可能性があります。
まず第3条に決められている不正転売については、「特定興行入場券の不正転売」とは、興行主の事前の同意を得ない、特定興行入場券の業として行う有償譲渡であって、興行主等の当該特定興行入場券の販売価格を超える価格をその販売価格とするものをいいます(第2条第4項)。
これを本件について見てみると、まずAさんは自身のインターネットサイトでVさんに許可をとらず転売しており、コンサートを開催し不特定多数の者に聴かせることを主宰する「興行主」たるVさんらの許可を得ずに販売しています。
次に、このコンサートチケットの販売は事業としてなされた有償販売であり、当該チケットは本来8,000円で販売されているところ、Aさんは3万円で販売しており特定興行入場券の販売価格を超える価格をその販売価格で販売したといえます。
以上より、Aさんの行為はチケット不正転売禁止法第3条で禁止されている不正転売に該当します。

次に第4条に定められている不正転売行為について考えてみましょう。
Aさんは、自身の販売サイトで転売することを目的として独自のシステムでVさんのコンサートチケットを仕入れていることから、「特定興行入場券の不正転売を目的として譲り受けた」といえます。
ですから、Aさんの行為はチケット不正転売禁止法第4条で禁止されている行為にも該当すると考えられます。

これらのことから、Aさんはチケット不正転売禁止法の第3条又は第4条の規定に違反したといえるので、チケット不正転売禁止法違反の罪が成立することになるでしょう。

SNSやインターネットの普及により、誰でもやろうと思えばできてしまうチケットの不正転売だからこそ、注意を払わねばなりません。
それでもこのようなチケット不正転売禁止法違反をしてしまった場合には、刑事事件専門弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。

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