自分の事件が裁判員裁判にて取り扱われる場合

自分の事件が裁判員裁判にて取り扱われる場合

今回は、自身の起こしてしまった事件が裁判員裁判において取り扱われるケースにつき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

Aさんはかねてから知人Vとの間に、女性関係をめぐったトラブルをかかえており、AさんとVは自宅近くの河川敷において激しい口論となりました。
激情にかられたAさんがVの頭部を右手の拳で殴打したところ、よろめいて転倒したVは堤防のブロックで頭を強打し、頭部外傷により間もなく死亡しました。
Aさんは後日、傷害致死罪の疑いで逮捕され、警察官や弁護士からは「Aさんの事件は裁判員裁判になる」と告げられています。
裁判員裁判とはどのような刑事手続なのでしょうか。
(フィクションです)

~裁判員裁判とは?~

裁判員制度が開始されたのは平成21年5月であり、運用開始から10年以上が経過しています。
そのため、ご存知の方も多いでしょう。

裁判員裁判では、殺人事件、現住建造物等放火事件、強盗致死傷事件、傷害致死事件などが扱われます。
一定程度重大な事件が裁判員裁判事件となるため、国民の関心が強い事件が裁判員裁判となることが多いといえるでしょう。

※裁判員裁判法
(対象事件及び合議体の構成)
第二条 地方裁判所は、次に掲げる事件については、次条又は第三条の二の決定があった場合を除き、この法律の定めるところにより裁判員の参加する合議体が構成された後は、裁判所法第二十六条の規定にかかわらず、裁判員の参加する合議体でこれを取り扱う。
一 死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に当たる罪に係る事件
二 裁判所法第二十六条第二項第二号に掲げる事件であって、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に係るもの(前号に該当するものを除く。)
2~7 省略

日常、刑事裁判とは縁のない方も裁判員として裁判に参加し、被告人が有罪であるか無罪であるか、有罪である場合にはどのような刑が適切かを裁判官と共に決めることになります。

Aさんは傷害致死罪の疑いで逮捕されており、この罪は裁判員裁判法第2条1項2号に該当しますので、傷害致死罪のまま起訴されれば裁判員裁判として審理されることになる可能性が高いでしょう。

~Aさんの事件はどのように進行する?~

裁判員裁判対象事件であっても、捜査段階においてはその他の事件と概ね変わりはありません。
ただし、ほとんどの事件が社会の注目を集める重大事件であり、勾留の長期化、保釈の実現困難が予想されます。

裁判員裁判対象事件では、起訴された後、事件が必ず「公判前整理手続」に付されます(裁判員裁判法第49条)。
公判前整理手続とは、第一回公判期日の前に、裁判官、検察官、弁護人が争点を明確にし、証拠を開示するなどの手順を踏んで、審理計画を立てる手続です。
検察側にどのような証拠があるかを知っておくことは、防禦の観点から重要であるとともに、高度な法的知識を必要とします。

公判期日では、前述の通り、あらかじめ選ばれた裁判員も参加します。
検察官や裁判官だけでなく、裁判員から質問を受けることもあります。

審理のあとは、裁判官と裁判員が評議・評決を行い、被告人が有罪であるか無罪であるか、有罪である場合にはどのような刑が適切であるかを話し合います。
話し合いがまとまれば、判決手続に移行し、裁判員立会いのもとで判決の言い渡しを受けることになります。

~刑事事件に熟練した弁護士を選ぶ重要性~

これまで述べてきた通り、裁判員裁判の法律的な手続は複雑であり、裁判員が立ち会うという心理的な負担もあるでしょう。
特に世間の注目を集めている事件であれば、傍聴人に取材関係者がおられる可能性も大いに予想されます。

裁判員裁判において可能な限り有利に活動するためには、裁判員裁判の手続に熟練した、刑事事件に詳しい弁護士のサポートが重要となるでしょう。
自身の起こしてしまった事件が裁判員裁判対象事件である場合には、すぐに弁護士の接見・法律相談を受け、今後の対策についてアドバイスを受けることを強くおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を中心に取扱う法律事務所です。
裁判員裁判についてお悩みの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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