(事例紹介)子どもへの暴力で傷害罪 逮捕された事例
~事例~
三男(5)を竹刀でたたいてけがを負わせたとして、滋賀県警米原署は26日、傷害の疑いで、滋賀県米原市、理容師の男(31)を逮捕した。
逮捕容疑は、24日午後10時半ごろ、自宅で三男の背中や腰を殴打するなどの暴行を加え、打撲などを負わせた疑い。
同署によると、男は容疑を認めているという。
(※2022年7月26日16:56京都新聞配信記事より引用)
~子どもへの暴力と犯罪~
今回取り上げた事例では、男性が自身の子どもに対して暴力をふるいけがをさせてしまっています。
こうした家庭内で起きた事件では、「家庭内の出来事だから」と軽く考えてしまう方もいらっしゃいますが、暴行事件や傷害事件においては、「家族だから」「身内だから」といって犯罪が成立しないということはありません。
こうした子どもに対して暴力をふるい、暴行事件・傷害事件などとなった事例は他にも見られ、厳しい判決が下ることも少なくありません。
例えば、以下のような事例が見られます。
・当時3歳の長男が自宅で泣く・排便するなどしたことに腹を立てて暴行し、その結果長男が亡くなったという経緯の傷害致死事件で母親が起訴され、1人親で3人の子どもを育てており疲弊から体調を崩していたなどの事情が考慮され、懲役3年執行猶予5年が言い渡された事例(2021年9月11日朝日新聞DIGITAL配信記事より)
・当時1歳の娘に暴行して頭の骨を折る大けがをさせた上、その数日後に当時生後4か月の息子の頭に強い衝撃を与えて大けがをさせた容疑で父親が傷害罪に問われ(父親は容疑を否認)、懲役8年の実刑判決が言い渡された事例(2021年11月29日NHK NEWS WEB配信記事より)
・養子縁組を組んでいた当時9歳の男児を投げ飛ばして腕を骨折させたり、足首を掴んで浴槽の湯の中に頭から沈めたりする、同じく養子縁組を組んでいた当時10歳の女児の頭を踏みつけて打撲を負わせるなどの行為を、しつけと称して行ったとして、父親が傷害罪などに問われ、懲役2年6月の実刑判決が言い渡された事例(2022年6月9日iza配信記事より)
・父親が当時生後2か月の次男を冷蔵庫や冷凍庫に入れて扉を閉めたという暴行罪に問われ(父親は故意を否認)、罰金30万円となった事例(2022年7月26日YAHOO!JAPANニュース配信記事より)
子どもへ暴力が振るわれた刑事事件では、その暴力の結果がどれほどのものでどういった犯罪が成立するのかといったことだけでなく、どういった経緯で暴力がふるわれてしまったのか、子どもへの暴力が常態化していたのかどうか、期間はどれほどだったのかなど、様々な事情が総合的に考慮されて刑罰の重さが決められます。
例として挙げた報道で、子どもが亡くなっていても執行猶予がついている事例もあれば、子どもに怪我をさせて長期の実刑判決となった事例もあるというのは、単に成立する犯罪の重さだけではなく、こうした様々な事情が考慮された結果であるといえます。
暴力事件では、設定されている刑罰の幅も大きく、例えば今回取り上げた事例では男性が傷害罪の容疑で逮捕されていますが、傷害罪の法定刑は「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です(刑法第204条)。
罰金を支払って事件が終了することもあれば、刑事裁判を行って長期の実刑判決となることもあるため、単に傷害事件といっても、一般の方からすればその見通しはなかなか立てづらいのではないでしょうか。
子どもへの暴行事件・傷害事件となれば、家庭内の環境を見直すことも必要となることが考えられますから、第三者かつ刑事事件の専門家である弁護士に相談してみることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、0120-631-881でご相談者様の状況に合わせたサービスをご案内しています。
子どもへの暴力事件で逮捕されてしまった、傷害事件の捜査を受けて悩んでいるといった場合には、お気軽にお問い合わせください。