【事例紹介】窓ガラスを割り、逮捕された事例①

窓ガラスを割ったとして、器物損壊罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

滋賀県警草津署は12日、器物損壊の疑いで草津市、運送業の男(27)を逮捕した。
逮捕容疑は、11日午後10時ごろ、同市内の会社役員男性(66)宅1階に石を投げ、窓ガラス1枚を割った疑い。男は「記憶にない」と容疑を否認している。
(後略)
(8月12日 京都新聞 「周辺でガラス割れなど被害10件 警察が関連を捜査 民家の窓に投石の男逮捕」より引用)

器物損壊罪

刑法第261条
前3条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。

器物損壊罪は簡単に説明すると、人の持ち物を壊した際に成立します。

今回の事例では、容疑者が被害者宅に石を投げ、窓ガラスを割ったと報道されています。
実際に容疑者が報道のとおり石を投げ、被害者宅の窓ガラスを割ったのであれば、被害者の物を壊したことになりますので、器物損壊罪が成立する可能性があります。

建造物損壊罪

刑法第260条
他人の建造物又は艦船を損壊した者は、5年以下の懲役に処する。よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

刑法第260条では、建造物損壊罪が規定されています。
建造物損壊罪とは、簡単に説明すると、建造物の重要な役割を果たす柱や壁とつなぎ合わさっていて、簡単に取外しができないものを壊した際に成立します。
例えば、家の敷居などを壊すと、建造物損壊罪が成立します。

今回の事例では、被害者宅の窓ガラスが容疑者によって割られたと報道されています。
他人の家の窓ガラスを割った場合には、建造物損壊罪は成立する可能性があるのでしょうか。

窓ガラスは建造物の一部とはいえ、多くの場合、取外しが可能でしょうから、建造物損壊罪の対象にはならないように思われます。

ですが、ドアを壊したことで建造物損壊罪で有罪となり、取外しが可能なドアを壊した場合には建造物損壊罪は成立しないとして上告した事件では、「本件ドアは,住居の玄関ドアとして外壁と接続し,外界とのしゃ断,防犯,防風,防音等の重要な役割を果たしているから,建造物損壊罪の客体に当たるものと認められ,適切な工具を使用すれば損壊せずに同ドアの取り外しが可能であるとしても,この結論は左右されない」として、取外しが可能なドアであっても建造物損壊罪が成立しました。(平成19年3月20日 最高裁判所 決定)

被害者宅の窓ガラスがどのようなものかは報道されている内容からは明らかではありませんが、取外しが可能であったとしても、防犯や防風、防音の重要な役割を果たしているのであれば、建造物損壊罪の対象になる可能性があります。
ですので、容疑者が実際に窓ガラスを割ったのであれば、場合によっては、器物損壊罪ではなく建造物損壊罪が成立してしまう可能性があります。

刑事事件に精通した法律事務所

人の家の窓ガラスを割った場合、器物損壊罪建造物損壊罪が成立する可能性があります。
器物損壊罪建造物損壊罪どちらが成立するかは、事例によって異なります。
ですので、窓ガラスやドアなど、人の家の一部を壊してしまった場合には、弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件に精通した法律事務所です。
器物損壊罪建造物損壊罪などの容疑をかけられた方は、お気軽に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回接見サービス無料法律相談のご予約は、0120―631―881で受け付けております。

次回のコラムでは、器物損壊罪と建造物損壊罪の違いや弁護活動について解説します。

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