無免許運転でひき逃げ

無免許運転でひき逃げ

無免許運転ひき逃げしてしまったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します

~事例~

滋賀県長浜市に住んでいるAさんは、3年前に運転免許を更新し忘れ、運転免許を失効してしまいました。
しかしAさんは、「元々運転免許を持っていたわけだから、運転したって問題ないだろう」と考え、運転免許を失効してからも自動車の運転を続けていました。
そんなある日、Aさんは滋賀県長浜市の道路で通行人のVさんと接触する交通事故を起こし、Vさんに怪我をさせてしまいました。
Aさんは、「このままでは無免許運転のこともばれてしまう」と思い、Vさんを救助したり通報したり等することなくその場から逃げました。
後日、滋賀県木之本警察署ひき逃げ事件として捜査し、Aさんが被疑者として逮捕されました。
Aさんの家族は、Aさんが逮捕されたと知って弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・更新切れの免許失効も無免許運転

今回のAさんは、ひき逃げ事件を起こしてしまっていますが、このときAさんの運転免許は失効していました。
当然、運転免許の効力がなければ運転免許がないことと同じになります。
今回のAさんのように、更新のし忘れで運転免許を失効してしまった場合はもちろん、交通違反などで運転免許の効力を停止されていたり運転免許を取り消されていたりする場合(いわゆる「免停」や「免取」の場合)も、その期間に自動車を運転すれば無免許運転となってしまいます。

無免許運転をした場合、道路交通法違反という犯罪が成立することになります。

道路交通法第117条の2の2
次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第1号 法令の規定による運転の免許を受けている者(第107条の2の規定により国際運転免許証等で自動車等を運転することができることとされている者を含む。)でなければ運転し、又は操縦することができないこととされている車両等を当該免許を受けないで(法令の規定により当該免許の効力が停止されている場合を含む。)又は国際運転免許証等を所持しないで(第88条第1項第2号から第4号までのいずれかに該当している場合又は本邦に上陸をした日から起算して滞在期間が1年を超えている場合を含む。)運転した者

・無免許運転で交通事故を起こすと

交通事故を起こし、人に怪我をさせたり人を死なせてしまったりすると、通称「自動車運転処罰法」という法律の中にある、過失運転致死傷罪に問われることになります(危険運転をして交通事故を起こしたような場合には異なります。)。

自動車運転処罰法第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。
ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

多くの人身事故はこの条文にある過失運転致死傷罪となります。
しかし、今回のAさんのように無免許運転をして交通事故を起こしたような場合は注意が必要です。
自動車運転処罰法では、無免許運転で人身事故を起こした場合にはより重く処罰することを定めているのです。

自動車運転処罰法第6条第4項
前条の罪を犯した者が、その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは、10年以下の懲役に処する。

「前条の罪」とは、先ほど紹介した過失運転致死傷罪のことです。
過失運転致死傷罪の法定刑が「7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金」であるため、無免許運転で過失運転致死傷罪を犯した場合の「10年以下の懲役」という法定刑は、罰金刑の規定が消えて刑罰の上限が引き上げられていることから、より重い刑罰になっているといえるのです。

・ひき逃げ

さらに今回のAさんは交通事故を起こした後にその場から逃亡しており、いわゆるひき逃げをしています。
ひき逃げは、道路交通法に定められている交通事故を起こした場合に果たさなければいけない義務、例えば通報する義務や被害者を救護する義務などを果たさないという行為を指します。
つまり、ひき逃げについては道路交通法違反という犯罪が成立することになります。

道路交通法第117条
第1項 車両等(軽車両を除く。以下この項において同じ。)の運転者が、当該車両等の交通による人の死傷があつた場合において、第72条(交通事故の場合の措置)第1項前段の規定に違反したときは、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第2項 前項の場合において、同項の人の死傷が当該運転者の運転に起因するものであるときは、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

無免許運転ひき逃げをしてしまった場合、このように様々な犯罪がかかってきます。
無免許運転をしたうえでさらにひき逃げをしているという事情から、悪質な行為と判断されて厳しい判断が下される可能性も考えられますから、まずは早い段階で弁護士に相談してみましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無免許運転ひき逃げに関する刑事事件のご相談・ご依頼も受け付けていますので、まずはお気軽にご相談ください。

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