ネットオークション詐欺事件で逮捕されてしまった
ネットオークション詐欺事件で逮捕されてしまったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
Aさんは、ネットオークションサイトに、人気で入手困難とされているゲーム機Xを出品しました。
しかし、Aさんはゲーム機Xを実際に手元に持っていたわけではなく、単にお金欲しさに偽の情報で出品しただけでした。
すると、滋賀県守山市に住んでいるVさんが、Aさんの出品情報を見て、購入したいと申し込んできました。
AさんはVさんの申し出を受けると伝え、Vさんから代金として約7万円を振り込んでもらいました。
後日、Vさん宅にAさんからの荷物が届きましたが、中身はゲーム機ではなく飲料水でした。
ネットオークション詐欺に遭ったと気づいたVさんは、滋賀県守山警察署に被害を相談。
滋賀県守山警察署の捜査により、Aさんは詐欺事件の被疑者として逮捕されてしまいました。
Aさんの逮捕の知らせを聞いたAさんの家族は、どうしてよいのか分からず、ひとまず滋賀県の刑事事件や逮捕に対応してくれる弁護士に相談してみることにしました。
(※令和3年5月18日YAHOO!JAPANニュース配信記事を基にしたフィクションです。)
・ネットオークション詐欺
現在では、様々な人がインターネットを介して自分の持っている物を売買することができます。
今回のAさんの事例でも登場しているネットオークションや、フリーマーケットアプリ(フリマアプリ)などがその筆頭でしょう。
他にも、SNSで買い手や売り手を募集してやり取りをするなどの手段を通じて個人間で売買を行うことも見られます。
しかし、こうしたケースでは、直接商品を確認することはできないため、今回の事例のように詐欺行為が行われてしまうことがあります。
今回の事例では、Aさんは詐欺罪に問われていますが、その詐欺罪は刑法に定められている犯罪の1つです。
刑法第246条第1項
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
この詐欺罪の「人を欺いて」という部分は、単に相手に嘘をついたということだけを示しているのではありません。
詐欺罪のいう「人を欺」く行為とは、相手が財物を交付する判断をする際に重要な事実について嘘をつく行為を指します。
つまり、「これが嘘だったら財物を引き渡すことはしない」という部分について嘘をつくことが詐欺罪成立の条件の1つとなるのです。
今回のAさんの事例を考えてみましょう。
Aさんは、Vさんに対してネットオークションでゲーム機Xを販売するとしています。
Vさんとしては、当然ゲーム機Xをもらえるということでその代金=「財物」をAさんに振込んでいます。
ゲーム機Xでないのであれば、Vさんは代金という「財物」をAさんに引き渡すことはしないでしょう。
となると、AさんがVさんへゲーム機Xを販売するという嘘は、Vさんにとって、財物を交付する判断をする際に重要な事実を偽る行為=「人を欺」く行為と言えるでしょう。
そうなると、「人を欺いて」代金という「財物を交付させ」たAさんには、詐欺罪が成立すると考えられるのです。
・詐欺事件と弁護活動
詐欺罪は、刑罰として懲役刑のみが定められている犯罪です。
つまり、罰金を支払って事件が終了するということはなく、起訴されるということは公開の法廷で裁判を受けるということとイコールになります。
そして、有罪となった場合には、執行猶予が付かなければ刑務所に行くことになるのです。
これだけ重い犯罪ですから、詐欺事件の被疑者となった場合には逃亡を防ぐ目的で逮捕される可能性も十分考えられますし、早期に示談交渉などに取り組んで刑の減軽などを主張していくことが重要です。
だからこそ、すぐに弁護士に相談することが大切となるのです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、ネットオークションに関わる詐欺事件のご相談・ご依頼も受け付けています。
刑事事件専門だからこそ、刑事手続きの始まりから終わりまで迅速かつ丁寧な弁護活動が可能です。
まずはお気軽にご相談ください。