倉庫に放火した男を逮捕
「放火」の逮捕に伴う弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
事例
滋賀県草津市の倉庫に放火した疑いで同市内在住の無職の男(69)が逮捕されました。
滋賀県草津警察署によりますと、男は今年6月5日未明、草津市の倉庫に放火した疑いがもたれています。
その後の調べで男は、自宅から約1キロメートル離れた現場に自転車で向かい、犯行に及んだとみられています。
男は「生活でたまったストレスを解消するために自転車で出歩いていた」と話しているとのことです。
(※実際にあった事件をもとに作成したフィクションです)
放火罪とは?
放火罪とは、概していうと故意または悪意をもって建造物や自然保護区などに火を放つことにより成立する犯罪です。
一般的には他人の財産または保険金目的で自分の財産に対して故意に生じさせた火災などをいいます。
また放火罪といっても、放火した対象物により成立する犯罪が異なります。
放火罪の一つである非現住建造物等放火罪(刑法第109条)の対象である「建造物」とは、現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物、艦船又は鉱坑を指します。
「放火」とは、目的物に点火することです。
直接目的物に点火する場合だけでなく、着火剤等の媒介物を使用する場合も含みます。
「焼損」は火が媒介物を離れて、目的物が独立に燃焼を継続するに至った状態をさします。
非現住建造物等放火罪で規定されている刑罰は2年以上の有期懲役で、罰金刑等はありません(刑法第109条1項)。
また未遂でも罰せられることがあります(刑法第112条)。
ちなみに放火の対象物が自己の所有物である場合は、6月以上7年以下の懲役になり、公共の危険が生じなかった場合は、罰しないことになっております(刑法第109条2項)。
しかし、自己の所有物に放火し、それが他人の「建造物」に延焼した場合、炎症する可能性が予見できていたのであれば延焼罪(111条1項)が成立し、3月以上10年以下の懲役に処すると規定されています。
延焼罪は結果的加重犯であり、つまり予想していた結果以上に重い結果を引き起こしてしまった場合には、より重い罪に問われる可能性があります。
今回の事案について放火の対象物は人が居住用として使用しておらず、また中に人もいなかった倉庫になるため、非現住建造物に該当します。
またその倉庫に点火しているので、放火の事実があり、目的物が独立に燃焼を継続するに至った状態になっているので焼損していると考えられます。
ですので、事案の男に非現住建造物等放火罪が成立するでしょう。
【放火で逮捕されてしまったら弁護士へ】
放火に関する犯罪は他人の財物、場合によっては人の生命にも関わり損害が広範囲に広がりかねない犯罪のため、法定刑は比較的重く規定されています。
不起訴処分や執行猶予を目指すなら、弁護士をとおして刑事手続き初期の段階からの効果的な防御活動が不可欠です。
その中でも被害の状況などによっては、弁護士を通じて被害者の相手との示談交渉が成立すれば、不起訴処分や執行猶予の道もみえてくるでしょう。
またご家族が放火の事件を起こして逮捕されているけど早期釈放してほしい、不起訴処分を獲得して前科を避けたい、起訴されても量刑を少しでも軽くしてほしい、といった場合は、弁護士に刑事弁護活動を依頼することをおすすめします。
私ども、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、放火はもちろん、様々な刑事事件の弁護活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件に精通した法律事務所です。
ご家族が逮捕されている場合は、最短当日中に弁護士が接見に向かう初回接見サービス(有料)を提供しています。
弁護士がご本人から直接事実関係などを確認した上で、現在の状況や今後の見通しについて詳しい説明を受けることができます。
またその他にもご相談・ご依頼に関するお問い合わせは、弊所フリーダイヤル(0120‐631‐881)にて24時間365日受付中です。
滋賀県内でご家族が放火の刑事事件を起こして逮捕されてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。