転売目的の窃盗事件で逮捕

転売目的の窃盗事件で逮捕

転売目的窃盗事件逮捕されたケースについて,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

滋賀県東近江市在住のAさんは,交際しているVさんがコレクションしていたアニメのDVDを,滋賀県東近江市内にあるVさん宅からVさんに無断で持ち出し,すぐに滋賀県東近江市にある内のリサイクルショップに売りました。
DVDのコレクションがなくなったことに気が付いたVさんがAさんを問い詰めると,AさんがVさんに無断でDVDを持ち出し転売していたことが発覚。
Vさんは滋賀県東近江警察署に相談し,その結果,Aさんは窃盗罪の容疑で滋賀県東近江警察署の警察官に逮捕されました。
Aさんの家族は,滋賀県刑事事件に対応している弁護士事務所に問い合わせ,弁護士に,逮捕されているAさんのもとに行ってもらうことにしました。
(※この事例はフィクションです。)

~転売目的の窃盗事件~

他人の財物を盗んだ(窃取した)者には,窃盗罪(刑法235条)が成立し,10年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑が科せられます。

刑法235条(窃盗罪)
他人の財物を窃取した者は,窃盗の罪とし,10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

今回の事例で見てみると,VさんのアニメDVDはAさんから見て「他人の財物」に当たります。
窃盗罪のいう「窃取」とは,その物の持ち主の意思に反してその物の支配・管理する権限を自分のもとに置き,その物を自分の物としてしまうことを指しています。
今回の事例のDVDは,Vさんの持ち物であり,Vさんの家にあったものですから,客観的にも主観的にもDVDはVさんが支配・管理していたものと考えられるでしょう。
AさんがVさんに無断で当該DVDを持ち出す行為は,DVDを支配・管理している権限をVさんの意思に反して移転する行為であるといえるでしょう。
つまり,AさんがDVDを持ち出した行為は窃盗罪の「窃取」に当たると考えられるのです。

さらにAさんは,当該DVDをすぐリサイクルショップに転売しており,DVDを持ち出す時点で転売目的であったことが推認されます。
DVDを転売するということは,DVDを自分の物として扱い処分しているということですから,窃盗罪の成立に必要とされている「不法領得の意思」=権利者(今回の事例で言えばDVDの持ち主であるVさん)を排除して他人の物を自己の所有物としてふるまい,その経済的用法に従い利用または処分する意思もあつと考えられます。
これらのことから,Aさんの行為は窃盗罪に当たると考えられるのです。

窃盗罪は,「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」と条文にある通り,その刑罰には幅があります。
つまり,窃盗事件と一口に言っても,どういった態様で被害金額がどれほどで何件の窃盗事件を起こしたのかといった個々の事情が考慮され,この幅広い法定刑の範囲で刑罰が決められるのです。
今回のAさんの事例のような転売目的の窃盗事件では,転売目的という部分が悪質であると判断され,厳しい判断が下されることも少なくありません。
だからこそ,転売目的の窃盗事件を起こしてしまったら,早い段階で弁護士に相談してみることが重要でしょう。

~転売目的の窃盗事件で他に成立しうる犯罪は?~

実は,今回のAさんの事例のような転売目的の窃盗事件では,窃盗罪以外にも犯罪が成立している可能性があります。
それは,リサイクルショップに対する詐欺罪です。

刑法246条1項(詐欺罪)
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

リサイクルショップに物を売る際には,多くの場合,その物が盗品等ではないかという確認を取られます。
盗品を盗品であると知って譲り受けてしまうと,盗品関与罪という別の犯罪が成立してしまうことから,Aさんのように転売目的で窃盗行為をしている人から盗品を買わないようにするために確認を取っているのです。
Aさんのように転売目的窃盗事件を起こし,さらにリサイクルショップに転売までしている場合,この確認で嘘をついて転売し,代金を受け取っている可能性があるのです。
そうなると,リサイクルショップの店員を騙して=「人を欺いて」,代金を引き渡させている=「財物を交付させた」ということになり,詐欺罪が成立することになってしまう可能性があるのです。

転売目的窃盗事件では,転売目的窃盗行為に成立する窃盗罪だけでなく,転売行為で詐欺罪も成立する可能性があるため,被害者が複数に渡ったり,対応しなければいけない被疑事実が複数あったりするため,刑事事件に強い弁護士のサポートを受けることが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,刑事事件専門の弁護士が複数の被疑事実・被害者の存在する刑事事件のサポートも丁寧に対応いたします。
滋賀県転売目的窃盗事件など,刑事事件にお困りの際は弊所弁護士までご相談ください。

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