盗撮事件で任意出頭・自首③

盗撮事件で任意出頭・自首③

盗撮事件任意出頭自首について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例(前回からの流れ)~
Aさんは、滋賀県草津市にあるXという会社で勤務する会社員です。
Aさんは、女性の下着姿に興味を持ち、会社の女子トイレに忍び込むと、女子トイレの中に盗撮用の小型カメラを設置し、女子トイレの利用者の下着姿を盗撮していました。
しかしある日、女子トイレの利用者の1人がしかけられた小型カメラに気づき、滋賀県草津警察署に通報したことをきっかけに捜査が開始され、会社内で盗撮事件が起こったことが知れ渡りました。
Aさんは、自分が盗撮をしていたことがばれて滋賀県草津警察署に逮捕されてしまうのではないかと不安になり、まずは刑事事件に強い弁護士に、自ら出頭した方がよいのかどうか、自分の盗撮行為はどういった罪にあたるのかといったことを含めて今後の対応を相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・盗撮事件で任意出頭・自首をしたい

前回までの記事では、今回のAさんに成立が考えられる可能性のある犯罪について詳しく触れてきましたが、今回の記事ではAさんの今後の対応について触れていきます。
Aさんは、自ら警察に出頭した方がよいのかどうか悩んでいるようですが、自ら出頭する場合のメリットやデメリットはどういったことが考えられるでしょうか。

ここでまず注意しなければならないことの1つとして挙げられるのは、自ら警察署に出頭するということは必ずしも法律に定められている「自首」とはイコールではないということです。
一般的なイメージとしては、自ら警察署に犯人であることや犯行をを申し出る=自首であるというイメージが強いのではないでしょうか。
しかし、刑法で定められている自首の定義は、以下のようなものです。

刑法42条
罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。

条文にある通り、「自首」は「罪を犯した者」が「捜査機関に発覚する前」に行われなければ「自首」として成立しません。
この「捜査機関に発覚する前」とは、そもそもその犯罪の事実が捜査機関に全く発覚していない時であるか、その犯罪の事実は発覚しているもののその犯人が誰であるか全く分からない時を指します。
つまり、すでに被疑者として指名手配されている場合や、指名手配などはされていなくてもすでに捜査機関から被疑者とされている場合に出頭したとしても、それは自首にはならず、任意出頭したということにとどまるのです。

今回の事例の場合、会社のトイレに盗撮カメラが仕掛けられ盗撮事件が起こったということはすでに滋賀県草津警察署の知るところとなっています。
捜査も開始されているため、犯罪の事実(今回の事例でいえば盗撮という事実)が全く捜査機関に発覚していない時ではありません。
ですから、この状況でAさんが出頭したとして自首が成立するには、盗撮事件は発覚しているが犯人がAさんであるとは全く発覚していないという条件が必要になってきます。
捜査機関側に犯人が発覚しているのかどうかは確かめようがありませんから、この条件が確実に満たされるかどうかははっきり確認することができません。
カメラにAさん自身の姿が映っている可能性があるのかどうか、防犯カメラなどの映像はあるのかどうか、といった様々な事情を考慮して、自首が成立する可能性があるのかどうかを考えることになるでしょう。
そして、自首もしくは任意出頭をするのかどうかを判断することになるでしょう。

自首任意出頭をする場合はもちろん、しない場合でも、弁護士に相談するなどして刑事事件化した際の対応を整えておくことは重要です。
警察からの呼び出しや逮捕などは唐突に行われることがほとんどですから、そうした事態に備える意味も込めて、早めに弁護士に相談してみることが重要でしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、刑事事件にお悩みの方が気軽にご相談いただけるよう、初回無料法律相談を受け付けています。
まずは0120-631-881までお電話ください。

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