【事例紹介】家の敷地内に侵入 住居侵入罪で逮捕

家の敷地内に侵入したとして、住居侵入罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

大津市議会の市議(68)宅の敷地内に侵入したとして、滋賀県警大津署は25日、住居侵入の疑いで、大津市の無職の男(45)を逮捕した。
逮捕容疑は(中略)、正当な理由がないのに同市の市議宅の敷地内に侵入した疑い。(後略)
(7月25日 京都新聞 「市議宅の敷地内侵入疑い男逮捕 教諭時代の教え子、これまでにも嫌がらせ 滋賀・大津」より引用)

住居侵入罪

刑法第130条
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

住居とは、簡単に説明すると、人が住むために建てられた建物で、人が実際に使用している建物を指します。
今回の事例では、容疑者が被害者宅の敷地内に侵入したとされています。
被害者宅は、実際に被害者がそこに住んでいるのであれば、被害者宅は住居に該当するでしょう。
では、敷地内ではあっても建物ではない部分、例えば庭などに侵入した場合には、住居侵入罪が成立するのでしょうか。

住居侵入罪の対象となるのは、住居である建物だけでなく、その附属となる囲繞地も含まれます。
昭和51年3月4日の最高裁判所の判例は、「囲繞地であるためには、その土地が、建物に接してその周辺に存在し、かつ、管理者が外部との境界に門塀等の囲障を設置することにより、建物の附属地として、建物利用のために供されるものであることが明示されれば足りる」としていますので、住居である建物に接していて、門や塀などで土地の境界が明確になっていれば、庭などの建物でない敷地であっても住居侵入罪の対象となります。

今回の事例では、容疑者が被害者宅の敷地内に侵入したとして、住居侵入罪の容疑で逮捕されたと報道されています。
敷地内に侵入と報道されていることから、おそらく建物内には侵入していないのでしょう。
ですが、建物そのものでなくとも、建物に接していて門や塀などで土地の境界が明確にされているのであれば、囲繞地にあたります。
大抵の家は門や扉で囲われていますので、被害者宅の敷地内が囲繞地にあたる可能性が高く、実際に容疑者が敷地内に侵入したのであれば、住居侵入罪が成立するおそれがあります。

住居侵入罪と逮捕

住居侵入罪で逮捕された場合、加害者が被害者の住居を知っていることから証拠隠滅のおそれがあるとして、釈放が認められにくいことがあります。
1度逮捕されてしまうと、最長で23日間、留置場で過ごすことになります。
勾留期間が長いほど、職場や学校などに事件のことを知られるリスクが高くなりますし、解雇退学処分などに付されてしまう危険性もあります。

弁護士が検察官や裁判官に働きかけることで、早期釈放を実現できる可能性があります。
刑事事件では、逮捕後72時間以内に勾留の判断が行われるのですが、この判断前であれば、検察官や裁判官に釈放を求める意見書を提出することができます。
この意見書で、証拠隠滅や逃亡のおそれがないことを訴えることで、釈放を認めてもらえる可能性があります。
また。勾留が決定した場合であっても、弁護士が準抗告の申し立てを行うことで、釈放が認められる場合があります。

早期釈放を実現することで、職場や学校に事件のことを知られずに済む場合があります。
勾留前の釈放を目指すには、逮捕後72時間以内に意見書を提出する必要があるため、できる限り早く弁護活動を始める必要があります。
ですので、ご家族が逮捕された方、職場や学校に事件のことを知られたくない方は、お早めに、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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