Archive for the ‘暴力事件’ Category

【解決事例】暴行事件で示談締結・不起訴処分獲得

2022-05-04

【解決事例】暴行事件で釈放と不起訴処分を獲得

事例

Aさんは滋賀県東近江市に住む大学生です。
Aさんは大学に通う傍らで、同じ滋賀県東近江市内にある学習塾でアルバイトをしています。
アルバイト中のAさんは生徒のVくんとの間でトラブルになり、Vくんを殴ってしまいました。
幸いなことにVくんに怪我はありませんでしたが、翌日Aさんは暴行罪の容疑で滋賀県東近江警察署の警察官に逮捕され、身柄を拘束されてしまいました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)

事件解決までの流れ

Aさんの家族は、滋賀県東近江警察署からの電話でAさんの逮捕を知りました。
Aさんの今後の大学生活やキャリア形成を不安に思ったAさんの家族は、滋賀県東近江警察署からの電話後すぐに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士に相談・依頼をしました。

逮捕され身体拘束をされて捜査される、いわゆる身柄事件は時間との勝負になります。
そのため、依頼を受けた弁護士は、ただちにAさんの釈放を目指した弁護活動に取り組みました。
逮捕翌日には、Aさんに対して勾留請求がなされましたが、早期に弁護活動を始められたおかげで、柔軟に対処することができました。
弁護士が逃亡や証拠隠滅のおそれはないことを裁判官に認めさせたことにより、勾留は阻止され、Aさんは釈放となりました。
勾留が長引いてしまうと暴行事件が周囲に露見する可能性も高まり、そうなるとAさんは退学処分を受ける危険性がありましたが、釈放されたことにより退学処分を受けずに済みました。

釈放後、Aさんは今回の事件でとても反省をしており、Vくんとその家族に謝罪と損害賠償をしたいと弁護士に申し出ました。
弁護士は示談交渉に取り掛かり、Vくんの家族に連絡をとりました。
Vくんとその家族は、始めのうちは示談に対して後ろ向きでしたが、弁護士の積極的な働きかけにより示談に応じてくれました。
その結果、Vくんとその家族はAさんを許し、被害届を取り下げました。

示談を締結していること、被害届が取り下げられたことがプラスとなり、Aさんは不起訴処分となりました。
不起訴処分になったことによって、Aさんは前科が付くことなく社会に復帰することができました。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、暴行事件をはじめとして、数多くの刑事事件少年事件を取り扱っております。
暴行事件に限らず、刑事事件少年事件のことで何かお困りごとがございましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。
フリーダイヤル0120-631-881では、いつでも初回接見サービス、初回無料相談のご予約を承っております。

【解決事例】傷害事件で示談締結・不起訴獲得

2022-04-20

【解決事例】傷害事件で示談締結・不起訴獲得

~事例~

滋賀県甲賀市にある学校に通っているAさん(成人済み)は、学内で同級生Vさんとトラブルになり、Vさんの顔を叩き、Vさんに怪我をさせてしまいました。
このことにより、Aさんは滋賀県甲賀警察署傷害事件の被疑者として調べられることになりました。
Aさんは、今後の対応に不安を感じ、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に相談にいらっしゃいました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)

~弁護活動と結果~

Aさんの起こしてしまった傷害事件は、Vさんとのトラブルがきっかけであったため、Vさんとの示談交渉を当事者であるAさんやAさんのご家族が行うことは、さらなるトラブルを生む可能性もあり、現実的ではありませんでした。
そういったこともあり、Aさんは弁護士に弁護活動を依頼し、弁護士を通じてVさんと示談交渉を行うこととなりました。
弁護士がVさんと示談交渉を行った結果、Vさんとお許しの言葉を含んだ示談を締結することができました。

また、弁護士はAさんらの所属する学校とも協議を行い、Aさんの今後の処分について検討してもらえるよう、交渉しました。
学校には、トラブルがあった経緯についても理解してもらうことができ、Aさんの就職などに悪影響が出ないようフォローするというお言葉をいただくこともできました。

こうした弁護活動の結果、Aさんは不起訴となり、前科も付かずに事件を終了することができました。

刑事事件の被害者と加害者が知人であったり、刑事事件のきっかけがトラブルであったりする場合には、当事者間で示談交渉を行うことがさらにトラブルを生んでしまうおそれもあるため、弁護士を介して謝罪や示談交渉を行うことが望ましいでしょう。
示談締結の事情は、不起訴処分などの獲得に大きく影響しますから、まずは弁護士に相談してみることがおすすめです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、示談交渉を含めた刑事弁護活動のご相談・ご依頼を受け付けています。
傷害事件などの刑事事件にお悩みの際は、お気軽にご相談下さい。

滋賀県大津警察署に3万6千回の迷惑電話 業務妨害罪で逮捕

2022-03-31

滋賀県大津警察署に3万6千回の迷惑電話 業務妨害罪で逮捕

滋賀県大津警察署に3万6千回の迷惑電話をかけた男が、業務妨害罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。


滋賀県大津警察署に3万6千回の迷惑電話をかけた男が業務妨害罪で逮捕

新聞等の報道によりますと、3月29日に逮捕された68歳の男は、2020年8月18日から2022年3月20日までの間に、滋賀県大津警察署の代表電話に約3万6千回も電話をしたようです。
一日に100回以上も電話したこともあり、男は電話口でうなったり、意味不明な内容の話を繰り返していたようです。
(3月30日付けの各社新聞記事から抜粋してます。)

業務妨害罪

人の業務を妨害すると「業務妨害罪」に問われます。
業務妨害で保護されている「業務」とは、営利目的、経済的なものである必要はなく、社会生活上の地位に基づき継続して行う事務を意味します。
また業務妨害罪が成立するのに、結果発生は不要で、妨害するに足りる行為が行われれば既遂となります。
業務妨害の罪は「威力業務妨害罪」と「偽計業務妨害罪」等があり、今回の事件は「偽計業務妨害罪」が適用されています。
それではまず、これらの業務妨害罪について解説します。

(1)威力業務妨害罪

威力を用いて他人の業務を妨害すると「威力業務妨害罪」となります。
ここでいう「威力」とは、人の意思を制圧する勢力とされています。
人の意思に働きかける行為(例えば暴行・脅迫など)のほか、公然と行われた妨害手段でも威力業務妨害罪でいうところの「威力」に当たる可能性があります。
例えば、会社の人の机の引き出しに猫の死骸を入れるなどして業務を妨害する場合も威力業務妨害罪における「威力」に当たりますし、コインパーキングの跳ね上がり式のフラップの上にタイヤを乗せてフラップを上がらないようにして不正駐車を繰り返した場合も、威力業務妨害罪に当たる可能性があります。

(2)偽計業務妨害罪

虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて人の業務を妨害すれば「偽計業務妨害罪」となります。
簡単にいうと、人を騙したり、誘惑したりすること又は人の勘違いや無知につけこんで利用する等、威力以外の不正な手段を用いて他人の業務を妨害すれば「偽計業務妨害罪」となります。
今回の事件のように、複数回にわたって警察署に電話して警察の業務を妨害したり、最近世間を騒がせた事件では、大学入学共通テストでカンニングしようとして、問題が流出した事件で、カンニング使用とした受験生や、受験生の協力者が、偽計業務妨害罪の容疑で捜査を受けています。

業務妨害罪の刑事罰は

業務妨害罪の法定刑は、威力業務妨害罪、偽計業務妨害罪ともに「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
不起訴となれば、このような刑事罰を受けることはありませんが、起訴されて有罪が確定すれば、この法定刑内の刑事罰を受けることになります。
今回逮捕された男がどのような処分になるのか、弁護士の見解は「業務妨害罪で警察に逮捕されたとしても、初犯で、犯行を認めていれば、略式起訴による罰金刑になる可能性があります。しかし今回の事件は、電話の回数が非常に多い事や、警察署に対する事件であることから、非常に悪質だと判断されてしまうでしょう。そのため例え初犯で、犯行を認めていたとしても略式起訴による罰金刑で収まることはないのではないしょうか。おそらく正式に起訴されて執行猶予付きの判決がくだると思います。」です。

滋賀県大津市の刑事事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、滋賀県大津市の刑事事件に強いと評判の法律事務所です。
滋賀県大津市の刑事事件でお困りの方は、是非一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無料法律相談のご予約は

フリーダイヤル 0120-631-881(24時間、年中無休)

で承っておりますので、お気軽にお電話ください。

【少年事件】近江八幡市の業務妨害事件 脅迫メールを送りつけて逮捕

2022-02-04

【少年事件】近江八幡市の業務妨害事件 脅迫メールを送りつけて逮捕

【少年事件】近江八幡市のショッピングセンターに脅迫メールを送りつけて逮捕された業務妨害事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

近江八幡市のショッピングセンターに脅迫メールを送りつけた少年が逮捕

滋賀県近江八幡警察署は、近江八幡市のショッピングセンターに脅迫メールを送り付けたとして、19歳の少年を業務妨害の容疑で逮捕しました。
このショッピングセンターには、先月から複数回にわたり「店内にガソリンをまいて客や店員を道連れにして殺してやる」等の脅迫メールが送り付けられており、ショッピングセンターは警備員を増やす等して対応し、滋賀県近江八幡警察署に被害を届出ていました。
逮捕された近江八幡市に住む少年は「受験勉強でストレスがたまっていた。」と容疑を認めているようです。

(実際に起こった事件ではなくフィクションです。)

脅迫メールを送りつけた業務妨害事件

今回の事件はフィクションですが、このようにお店等に対して脅迫メールを送り付けた業務妨害事件は全国で何件か発生しています。
業務妨害事件は、大きく分けると

①威力業務妨害罪
②偽計業務妨害罪

の何れかの犯罪に該当します。

①威力業務妨害罪

威力業務妨害罪とは「刑法234条」に規定されている犯罪です。
威力業務妨害罪の法定刑は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
威力業務妨害罪でいうところの「威力」とは、人の自由意思を制圧するに足る勢力を意味します。
暴行や脅迫のように、人の意思に働きかけるほか、公然と行われた妨害手段も「威力」となる場合があります。
例えば、会社の人の机の引き出しに猫の死骸を入れるなどして業務を妨害する場合も威力業務妨害罪における「威力」にあたります。

ちなみに威力業務妨害罪の成立には、実際に業務を妨害される結果発生は不要で、妨害するに足りる行為が行われれば既遂となります。

②偽計業務妨害罪

偽計業務妨害罪とは「刑法233条」に規定されている犯罪です。
偽計業務妨害罪の法定刑は、威力業務妨害罪と同じく「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
偽計業務妨害罪は、虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて人の業務を妨害することで成立する犯罪で、虚偽の風説とは、簡単にいうと「嘘の情報」のことで、流布とは「不特定又は多数の人に伝える」ことです。

【少年事件】19歳の少年が逮捕されたら

19歳の少年が逮捕された場合は、通常の少年事件よりも迅速に手続きを進める必要があります。
と言いますのは、成人してしまうと少年法による手続きではなく、成人による刑事手続きが進められてしまうからです。
このように成人が迫っている少年の起こした少年事件を年齢切迫事件と言います。
19歳の少年が手続き中に成人してしまうと、家庭裁判所は年齢超過として事件を検察官に送致する必要があります。
この手続きを逆送といい、もしも、逆送されて起訴されると、成人と同様な刑事裁判を受けることとなり、前科がついてしまう可能性が高くなるのです。
また保護処分が受けられないことにより、少年が教育的な処遇を受ける機会を得られなくなってしまいます。
こういった少年の不利益を避けるために、弁護士は、少年更生のためにできる限り保護処分となるように、家庭裁判所送致後、成人となる前に、早急に審判期日を入れるように、家庭裁判所に働きかけを行なうことができます。

近江八幡市の少年事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は近江八幡市の少年事件に強いと評判の弁護士です。
まだ未成年のお子様が何か刑事事件を起こしてしまった際は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の無料相談をご利用ください。
また弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、まだ未成年のお子様が警察に逮捕されたような場合には、初回接見サービスをご用意しております。
有料にはなってしまいますが、弁護士を少年のもとに派遣することで迅速に弁護活動を開始することができます。
少年事件に関する無料法律相談や初回接見サービスについては

フリーダイヤル 0120-631-881

にて24時間、年中無休で受け付けておりますので、まずはお気軽にお電話ください。

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少年による器物損壊事件と示談

2021-09-25

少年による器物損壊事件と示談

少年による器物損壊事件示談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

〜事例〜

Aさんは、滋賀県高島市に住む16歳の高校生です。
ある日、Aさんはいたずらのつもりで、近所に住むVさんの車にペンキで大きく落書きをしました。
Vさんが滋賀県高島警察署に相談したことから捜査が開始され、Aさんは器物損壊事件の被疑者として取調べをされることになりました。
Aさんやその家族は、被害弁償や示談をすれば全て終わるものだと思っていたのですが、弁護士に相談してみたところ、少年事件の場合は示談をしたからといって全て終了とはいかない可能性があるという話を聞いて驚きました。
(※この事例はフィクションです。)

・器物損壊罪

器物損壊罪は、刑法261条に以下のように定められています。

刑法261条 器物損壊罪
前3条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。

この条文や器物損壊罪という名前を見ると、例えばお皿を割るといった、物を物理的に壊す行為に器物損壊罪が成立するように思えます。
しかし、この器物損壊罪の「損壊」という言葉の意味には、まさに物を壊すといった意味以外にも、その物の効用を失わせる、という意味も含まれています。
つまり、その物を使えなくしてしまったり、その物の価値をなくしてしまったりという行為をしてしまえば、物を壊していなくとも器物損壊罪が成立する可能性があります。
よく例に挙げられるのは、他人の飲食器に放尿した場合に器物損壊罪が成立するという例です(大判明42.4.16)。
放尿されたとしても食器が壊れたわけではありませんが、誰かが放尿した食器を食器として使いたいという人はいないでしょうから、食器の効用を失わせている=器物損壊罪が成立する、ということになるのです。
今回のAさんの事例のような、ペンキで車に大きく落書きをするという行為と器物損壊罪とは結び付きにくいかもしれませんが、上記のような考え方から、車本来の効用を失わせていると考えられ、器物損壊罪が成立する可能性が高いのです。

・器物損壊罪の示談と少年事件

Aさんやその家族が考えていたように、一般的に器物損壊事件では示談が重要視されます。
なぜなら、器物損壊罪は「親告罪」と言い、被害者の方等による「告訴」がなければ起訴できない犯罪だからです。
犯罪の被害を受けたということを申告するのが「被害届」ですが、そこにさらに加害者に処罰を求める意思表示も行うのが「告訴」です。
ですから、示談を行って、被害者の方に告訴を取り下げてもらったり告訴を出さないようにしてもらうことができれば、器物損壊事件は不起訴となって刑罰等を受けることなく終了する、ということになります。

しかし、Aさんやその家族は、弁護士に相談したところ、示談をしても今回そうなるとは限らないと言われています。
それは、Aさんが20歳未満の少年であるというところが深くかかわってきます。
度々取り上げているように、20歳未満の少年が起こした事件は少年事件として扱われ、捜査ののち、家庭裁判所に送られて保護処分を受けるかどうか、どういった保護処分を受けるのかを判断されます。
保護処分は成人の刑事事件の結果として科せられる刑事罰とは別物で、少年が更生するための処分です。
このように少年事件の手続きが成人の刑事事件と別になっている理由は、少年の柔軟性を重視し、少年が今後更生できるようにすることに重点を置いている点にあります。
そのため、全ての少年事件は原則少年の専門家が在籍している家庭裁判所に送られることになっていますし、理論上、成人の刑事事件なら不起訴になるような事件であっても、少年を取り巻く環境から少年院に入ることが少年の更生に適切であると判断される可能性があるのです。
つまり、原則として少年事件の判断の中に、成人の刑事事件の「不起訴」の考え方はないのです。

今回の器物損壊事件は、先述したように「親告罪」であるため、成人の刑事事件では示談ができれば不起訴となります。
しかし、少年事件となれば、「不起訴」の考え方はありませんから、なぜ少年が器物損壊行為をしたのか、再度そうした器物損壊行為をしないためには、更生のためにはどのようにすべきか、という点が重視されます。
ですから、示談をすれば終了ということではなく、示談を含めてその後の更正に関わる環境を整えていくことが重要となるのです。。

少年事件は、こうした特色から、注意すべき点も独特です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件だけでなく少年事件も専門として取り扱う弁護士事務所です。
滋賀県の少年事件・器物損壊事件にも対応しておりますので、お困りの際はご遠慮なく0120-631-881までお問い合わせください。

DVによる傷害事件の逮捕にも対応

2021-08-25

DVによる傷害事件の逮捕にも対応

DVによる傷害事件の逮捕に対応するケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

滋賀県近江八幡市に住んでいるAさんは、妻であるVさんと2人で暮らしていました。
ある日、機嫌の悪かったAさんは、酒に酔い、注意してきたVさんに腹を立ててVさんを殴ってしまいました。
倒れ込んだVさんが頭を打ち付け出血してしまったため、Vさんは「夫と喧嘩になって頭を打ち、血が出てきた」と救急車を呼びました。
その際、滋賀県近江八幡警察署の警察官も臨場し、AさんはDVによる傷害罪の容疑で現行犯逮捕されてしまいました。
Bさんは、まさかこれほどの大事になるとは思いもよらず、Aさんの両親に相談。
その後、Aさんの両親は刑事事件に強い弁護士に今後どのようにしたらよいか相談することにしました。
(※フィクションです。)

・DV防止法

家庭内暴力は、ドメスティックバイオレンス、通称DVと呼ばれます。
DVは、今回の事例のように夫婦間で起こる場合もありますし、親子間で起こる場合もあります。
そして、今回の事例のように夫が妻に暴力を振るう等するDVもあれば、逆に妻が夫に暴力をふるう等するDVもあります。

DVについては、通称DV防止法(正式名称:配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律)という法律も定められています。
DV防止法では、主にDVの防止やDVを受けてしまった人の保護、その自立支援の体制などを定めています。
しかし、DV防止法では、DVの行為自体を直接犯罪として定めているわけではありません。
DV防止法違反として処罰されるのは、「保護命令」に違反した場合です。

DV防止法に基づいて出される「保護命令」とは、DVの被害者の住居等に接近することや、DVの被害者と同居している場合にそこから退去すること、DVの被害者の子供への接近すること等を禁止する命令です。
この命令に違反した場合には、DV防止法違反として処罰されることになります。
保護命令違反によるDV防止法違反の法定刑は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金です(DV防止法29条)。

・DVと刑事事件

先述したように、DVはDV行為自体が「DV」として犯罪が定められているわけではありません。
では、DV行為はどのように処罰されることになるのでしょうか。

DVは、そのDVの態様によって、刑法やその他の特別法に触れる行為として犯罪になります。
例えば、今回のAさんとVさんの事例では、AさんがVさんに暴力をふるい、けがをさせてしまっています。
このようなDVの場合、刑法の暴行罪や傷害罪によって対処されるということになるでしょう。

刑法204条(傷害罪)
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

刑法208条(暴行罪)
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

・DV事件と弁護活動

DV事件では継続してDVをしていたのではないかと疑われたり、被害者への接触が懸念されることから逮捕・勾留による身体拘束が行われたりすることも多いです。
例えば、今回のAさんの場合、事例を見る限りでは、Aさんは継続してDVをしていたわけではないようです。
しかし、それらをAさん1人で取調べで主張し続けることはAさんの負担が大きいかもしれませんし、Aさんが釈放されれば今回の傷害事件の被害者であるVさんと一緒に住んでいる家に帰ることになるわけですから、被害者との接触を考えればこのまま逮捕に引き続いて勾留されてしまう可能性も低くないでしょう。
だからこそ、弁護士に依頼し、取調べ対応のためのアドバイスや、釈放に向けた環境づくりとその主張をしてもらうことが重要となってくるのです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、傷害事件などDVに絡んだ刑事事件のご相談も受け付けております。
逮捕された方向けの初回接見サービスや、在宅捜査を受けている方向けの初回無料法律相談をご用意しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

包丁を使った脅迫事件で逮捕されたら

2021-07-03

包丁を使った脅迫事件で逮捕されたら

包丁を使った脅迫事件逮捕されてしまったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

Aさんは、滋賀県甲賀市に住んでいる大学生です。
ある日、Aさんは、同じ大学に通い交際関係にあるVさんと滋賀県甲賀市内で一緒に出掛けていました。
AさんとVさんはAさんの家で話をしていましたが、些細なことから口論になってしまい、AさんはVさんから別れを切り出されてしまいました。
感情的になったAさんは、台所から持って来た包丁をVさんに向け、「別れるなら殺してやる」などと言って、Vさんを脅してしまいました。
VさんはまさかAさんが包丁まで持ち出すとは思っていなかったため、怖くなって滋賀県甲賀警察署に通報しました。
Aさんは、通報によって駆けつけた滋賀県甲賀警察署の警察官に、暴力行為処罰法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの家族は、Aさんが逮捕されたことを知り、今後どのようにすべきなのか相談すべく、刑事事件を取り扱う弁護士を探し始めました。
(※この事例はフィクションです。)

・暴力行為等処罰に関する法律とは

Aさんの逮捕容疑である、暴力行為処罰法違反とは、正式名称「暴力行為等処罰に関する法律」という法律に違反したという犯罪です。
暴力行為処罰法とは、団体で、もしくは凶器を用いたりすることによって、暴行や脅迫などを行った場合に適用される法律です。
元々の暴力行為処罰法は、旧仮名遣いで書かれた法律ですが、現代の言葉に直すと以下のように定めています。

暴力行為処罰法第1条
団体もしくは多衆の威力を示し、団体若は多衆を仮装して威力を示し又は兇器を示しもしくは数人共同して刑法第208条、第222条又は第261条の罪を犯した者は3年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。

暴力行為処罰法第1条で触れられている刑法第222条とは、脅迫罪のことを指します。
今回のAさんも、Vさんに対して脅しをしていることから、この脅迫罪暴力行為処罰法の関係を見ていくことにしましょう。

刑法222条第1項
生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。

この脅迫罪における「脅迫」とは、人が畏怖するほどの害悪を告知することを言います。
そして、この人が畏怖するほどの害悪の告知に当たるかについては、「相手方の年齢、性別、職業などの相手方の事情や加害者と相手方の人間関係など具体的な諸事情を考慮して、周囲の客観的状況に照らして判断」(最判昭和29年6月8日)するとしています。

では、今回のAさんに暴力行為処罰法違反は適用されるのでしょうか。
本件についてみると、Aさんは、1人でVさんを脅しているわけですから、暴力行為処罰法の中にある「団体若は他衆を仮装して威力を示し」ているわけでも、「数人共同して」いるわけでもありません。
しかし、Aさんは包丁という「兇器(凶器)」を用いています。

そのうえでAさんは、Vさんに対して「殺す」などと言ってVさんの生命に対する害を告知しています。
Aさんが包丁を持って脅していることから考えれば、Vさんが畏怖するほどの害悪の告知と言え、Vさんを脅迫している=刑法第222条の行為をしていると考えられるでしょう。
そのため、Aさんは「兇器(凶器)を示し」て「刑法第222条」の罪を行ったといえ、暴力行為処罰法違反となると考えられるでしょう。

暴力行為処罰法違反となれば、単純な脅迫罪となるよりも重い刑罰が予想されます。
容疑を認めていて、刑の減軽や寛大な処分を希望しているのであれば、早急に被害者対応などを行うことが求められるでしょう。
そのためにも、まずは刑事事件に対応している弁護士への相談・依頼が望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、こうした脅迫行為から発展した暴力行為処罰法違反事件のご相談・ご依頼も受け付けています。
まずはお気軽にお問い合わせください(0120-631-881)。

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