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「卑わいな言動」で逮捕?

2021-06-26

「卑わいな言動」で逮捕?

卑わいな言動」をしたとして逮捕されてしまったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

滋賀県草津市に住んでいるAさんは、近所の居酒屋で飲酒していました。
すると、自分の近くの席に、女性客Vさんが座りました。
飲酒して気が大きくなっていたAさんは、Vさんが自分の好みであったこともあり、自分の陰部を触りながら、Vさんに対し、「お金を払うから見てくれ」などと言いました。
VさんはAさんの言動に驚き、すぐに居酒屋の店員を呼びました。
店員が滋賀県草津警察署に通報したことで警察官が駆け付け、Aさんは卑わいな言動をしたことによる滋賀県迷惑防止条例違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの家族は、Aさんが逮捕されたことを滋賀県草津警察署からの連絡で知りましたが、Aさんがどんなことをして逮捕されたのかは教えてもらえませんでした。
困ったAさんの家族は、刑事事件逮捕に対応している弁護士にAさんの元に接見に行ってもらうことにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・「卑わいな言動」が犯罪になる

今回のAさんのケースを見て、「これで逮捕されるのか」「これで犯罪になるのか」と驚かれた方もいらっしゃるかもしれません。
今回のAさんは、卑わいな言動をしたことによる滋賀県迷惑防止条例違反の容疑で逮捕されています。
迷惑防止条例は、各都道府県で定められている条例であり、滋賀県では正式名称を「滋賀県迷惑行為等防止条例」という名前の条例が定められています。
この迷惑防止条例で痴漢行為や盗撮行為が禁止されていることをご存知の方もいらっしゃるでしょう。
こうした都道府県の迷惑防止条例では、そういった痴漢行為や盗撮行為の他に、「卑わいな言動」についても禁止していることが多いです。
滋賀県迷惑防止条例の条文を確認してみましょう。

滋賀県迷惑防止条例第3条第1項
何人も、公共の場所または公共の乗物において、みだりに人を著しく羞恥させ、または人に不安もしくは嫌悪を覚えさせるような次に掲げる行為をしてはならない。
第1号 直接または衣服その他の身に着ける物(以下「衣服等」という。)の上から人の身体に触れること。
第2号 人の下着または身体(これらのうち衣服等で覆われている部分に限る。以下「下着等」という。)をのぞき見すること。
第3号 前2号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。

この条文のうち、第1号は公共の場所や乗物におけるいわゆる痴漢行為を、第2号は同場所での下着等を覗き見ることを禁止しています。
そして、今回のAさんのケースでも問題となっている「卑わいな言動」については第3号で禁止されています。
つまり、滋賀県迷惑防止条例で禁止されているのは、「公共の場所または公共の乗物」における「みだりに人を著しく羞恥させ、または人に不安もしくは嫌悪を覚えさせるような」「卑わいな言動」で、痴漢行為と下着等ののぞき見行為を除くものということになります。

今回のAさんの場合、居酒屋という誰でも自由に出入りできる場所=「公共の場所」で、自身の陰部を触る様子をVさんに見せつけた上で、性的なことをにおわせる発言をVさんに対してしていることから、「卑わいな言動」にあたり、滋賀県迷惑防止条例違反となる可能性は十分にあるでしょう。

・逮捕された後の対応はどうすべき?

今回のAさんに限らず、刑事事件の当事者となってしまった場合、逮捕されてしまう可能性は誰にでもあります。
本人が「こんなことで」と思っていたとしても、逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断されれば逮捕されてしまいますし、さらに長期間の身体拘束である勾留に切り替わる可能性もあります。
釈放を目指すには、逮捕直後から勾留を避けるための活動をすることが望ましいですが、そのためにはどういった容疑で逮捕されているのか、本人の認否はどういったものなのか、釈放を実現するための環境をどのように整えるかといったことを把握し、準備しなければいけません。
だからこそ、刑事事件逮捕されたらすぐに弁護士に相談・依頼することが望ましいのです。
これは「卑わいな言動」による迷惑防止条例違反事件だけでなく、刑事事件全体にいえることです。

もちろん、釈放が叶わなかったとしても、弁護士のサポートがあることで、取調べに対するアドバイスを細かくもらうことができますし、家族との橋渡しもしてもらえます。
逮捕・勾留といった精神的に負担の大きい身体拘束を受けながら捜査に対応する中で、専門家のサポートがあることは被疑者・被告人の助けとなるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、「卑わいな言動」による迷惑防止条例違反事件やその逮捕に、刑事事件専門の弁護士が対応します。
突然の逮捕にお困りの際は、弊所弁護士までご相談ください。

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