【事例紹介】中学生にお酒を提供し、書類送検

滋賀県大津市にある居酒屋で中学生にお酒を提供したとして、書類送検された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

滋賀県大津市内の居酒屋で女子中学生らに酒を提供したとして、大津北署は9日、風営法違反の疑いで、居酒屋を経営する(中略)と、アルバイト店員(23)ら男性3人を書類送検した。
書類送検容疑は、(中略)女子中学生(13)ら4人が20歳未満と知りながら酒を提供した疑い。同12月11日ごろにも、当時中学生だった少女(16)ら3人に酒を提供した、としている。
(5月9日 京都新聞 「女子中学生らに酒を提供疑い 居酒屋店員ら書類送検」より引用)

風営法と20歳未満への酒類の提供

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条1項(以下「風営法」といいます)では、接待などを伴う飲食店や、店内の照度が10ルクス以下の飲食店他からの見通しが困難で広さが5平方メートル以下の客席がある飲食店などの営業を「風俗営業」と規定しています。

風営法第22条1項6号では、風俗営業を営む者が、店内で20歳未満の者に酒類又はたばこを提供することを禁止しています。
これに違反し、風営法違反で有罪になった場合には、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科されることになります。(風営法第50条1項4号)

今回の事例では、滋賀県大津市にある居酒屋で中学生にお酒を提供したとされています。
居酒屋は飲食店になりますので、店内の照度が10ルクス以下であったり、個室などの見通しが悪く広さが5平方メートル以下の客席が店内にある場合には、風俗営業に該当します。
もしも、報道されている居酒屋が風俗営業に該当する場合には、20歳未満の者への酒類の提供は禁止されていますので、実際に、提供する相手が20未満であると認識しながら中学生にお酒を提供していたのであれば、風営法違反が成立する可能性があります。

20歳未満の飲酒と提供

では、飲食店が風俗営業に該当しない場合は、20歳未満の者にお酒を提供してもいいのでしょうか。

結論から言うと、風俗営業でない場合も20歳未満の者へのお酒の提供は禁止されています。

20歳未満の者の飲酒の禁止に関する法律第1条第3項では、飲食店営業者は20歳未満に酒類を販売、提供してはいけないと規定しています。
また、酒類を販売、提供する際には、年齢確認など必要な措置を講じなければなりません。(20歳未満の者の飲酒の禁止に関する法律第1条第4項)

風俗営業に該当しない飲食店営業者が20歳未満の者にお酒を提供し、20歳未満の者の飲酒の禁止に関する法律違反で有罪になった場合には、50万円以下の罰金が科されます。(20歳未満の者の飲酒の禁止に関する法律第3条1項)

書類送検と刑事処分

書類送検とは、事件が警察署から検察庁に引き継がれたことを言います。
書類送検は刑事処分ではありませんので、書類送検後も引き続き取調べなどの捜査が行われます。

書類送検後、事件の捜査が終了すると、検察官は起訴、略式起訴、不起訴の判断を行います。
起訴された場合は正式な裁判が行われますし、略式起訴の場合には裁判を行わずに罰金刑が科されます。
そして、不起訴になった場合には刑事罰は下されません。
略式起訴では裁判は行われませんが、罰金刑を科されることが不服である場合は裁判を行うことも可能です。

今回の事例でも例にもれず、今後、起訴、略式起訴、不起訴などの判断がなされることでしょう。
飲食店営業者が20歳未満へお酒を提供した場合、風俗営業者とそうでない場合に科される刑罰にかなりの差があります。
風営法違反の容疑をかけられていた場合であっても、営業形態が風俗営業に該当しない場合がありますので、風営法違反の容疑をかけられた際には、一度弁護士に相談をしてみることをお勧めします。

また、弁護士は検察官に処分交渉を行うことができます。
今後は年齢確認を徹底するなど再犯防止策を講じることや、行為が悪質とはいえないことなど、あなたの有利になる事情を検察官に訴えることで、不起訴処分の獲得など、あなたにとって少しでも良い結果を得られるかもしれません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料法律相談を行っています。
風営法違反でお困りの方、書類送検されてしまった方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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