【事例紹介】持続化給付金詐欺で逮捕された事例①

持続化給付金詐欺を行い逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

新型コロナウイルス対策の持続化給付金をだまし取ったとして、滋賀県警大津署は15日、詐欺の疑いで、(中略)逮捕した。
逮捕容疑は、仲間と共謀し、(中略)個人事業主を装い、虚偽申請をして、(中略)中小企業庁から給付金100万円をだまし取った疑い。
大津署によると、容疑の男は給付金が振り込まれた後、同署に自首したがいったん帰された。再度の出頭要請には応じず行方不明となっていた。
(5月15日 京都新聞 「持続化給付金100万円だまし取る 出頭要請応じず行方不明 容疑の男を逮捕」より引用)

持続化給付金詐欺

持続化給付金とは、コロナにより大きな影響を受けた事業者に給付される支援金を指します。
持続化給付金の申請には、いくつかの要件があり、その要件を満たさずに持続化給付金を受給した場合は、不正受給となってしまいます。
受給可能な要件を満たしていないのに、満たしているようにみせかけ、持続化給付金不正受給する行為を持続化給付金詐欺といいます。

持続化給付金詐欺を行うと、名前に「詐欺」が入っている通り、詐欺罪が成立します。

詐欺罪は、刑法第246条で「人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。」と規定されています。
詐欺罪は簡単に説明すると、相手に重大なうそをつき、うそを信じた相手方からお金などを受け取ると成立します。

持続化給付金詐欺では、持続化給付金制度を担当する職員に、実際には受給資格がないにもかかわらず受給資格があるようにみせかけ、持続化給付金を給付させます。
受給資格がないのに、あるようにみせかけ、相手をだます行為は欺罔行為にあたしますし、その欺罔行為により持続化給付金を給付させているので、持続化給付金詐欺を行った場合には詐欺罪が成立します。

今回の事例では、容疑者が仲間と共謀して虚偽申請を行い、持続化給付金をだまし取ったとされています。
容疑者は虚偽申請を行っていると報道されていることから、おそらく受給資格はなかったのでしょう。
受給資格がないにもかかわらず、あるようにみせかけて申請を行う行為は、持続化給付金詐欺の典型例です。
実際に、容疑者は虚偽申請により職員をだまし、持続化給付金を受け取ったのであれば、詐欺罪が成立する可能性があります。

持続化給付金詐欺と執行猶予

持続化給付金詐欺詐欺罪が成立しますので、有罪になった場合は、10年以下の懲役刑が科されることになります。
懲役刑は刑務所で刑務作業を行わなければならない刑罰ですが、裁判で執行猶予付きの判決を獲得できた場合には、猶予期間中に新たに犯罪を犯さない限り、刑務所に行かなくてよくなります。

持続化給付金詐欺では、執行猶予付き判決を獲得するうえで、不正受給した持続化給付金の返還や取調べ対応が重要になります。

持続化給付金制度を担当している中小企業庁では、不正受給者による持続化給付金の自主返還を推奨しています。
不正受給した持続化給付金を返還していることは裁判で有利な事情となりますから、執行猶予付き判決の獲得を目指す場合には、持続化給付金を返還することがかなり重要になってきます。

また、今回の事例のような持続化給付金詐欺の場合は、被害者が国であり、示談を締結することが困難であるといえます。
示談を締結できないような刑事事件の場合、贖罪寄附をすることで、裁判で有利な事情として考慮される場合があります。
事件の内容によって、執行猶予付き判決を得るために行っておこべきことは異なってきますので、一度弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。

加えて、取調べでは、裁判の証拠になる供述調書が作成されます。
取調べでは、警察官や検察官から供述の誘導が行われる場合があり、万が一、不利な供述調書が作成されてしまうと、後から覆すことは容易ではありません。
取調べで聞かれる内容をある程度予測することは可能であり、供述すべき内容をあらかじめ考えておくことで、供述を誘導されることを防げる可能性があります。
例えば、今回の事例では、虚偽の申請内容や申請方法、申請するに至った経緯、仲間との上下関係や担った役割などについて聞かれるのではないでしょうか。
取調べ前に供述内容を吟味するためにも、取調べを受ける際には、事前に弁護士と取調べ対策を行い、聞かれる内容を事前に予測しておくことがとても重要になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、詐欺事件の豊富な弁護経験をもつ法律事務所です。
詐欺事件に精通した弁護士に相談をすることで、執行猶予付き判決の獲得など、あなたにとってより良い結果を得られるかもしれません。
持続化給付金詐欺詐欺罪でお困りの方は、初回接見サービス、無料法律相談を行っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

次回のコラムでは、自首逮捕について解説します。

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