威力業務妨害事件で執行猶予獲得を目指す

威力業務妨害事件で執行猶予獲得を目指す

威力業務妨害事件執行猶予獲得を目指すケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

Aさんは、人気アイドルグループXのファンでした。
しかし、Aさんは最近のXの活動に不満を抱いており、滋賀県近江八幡市でXの握手会が開催されることを知ると、Xのホームページを通じて「握手会に包丁を持って乗り込んでやる」などのコメントを送りました。
その結果、Xは滋賀県近江八幡警察署に相談し、握手会で警備を増強させたり一時的に参加者を非難させたりするなどの対応に追われました。
その後、滋賀県近江八幡警察署の捜査により、Aさんは握手会を妨害したとして威力業務妨害罪の容疑で逮捕されました。
Aさんの家族は、なんとか刑務所に行くことは避けられないかと、刑事事件に強い弁護士執行猶予の獲得について相談しました。
(※この事例はフィクションです。)

・威力業務妨害罪

威力業務妨害罪は、業務妨害罪のうち、「威力」を手段として用いるものに成立する犯罪です。

刑法第234条
威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。

この「前条」とは、刑法第233条の偽計業務妨害罪のことを指しており、威力業務妨害罪となった場合、偽計業務妨害罪と同じく「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」に処せられるということを意味します。

威力業務妨害罪の「威力」とは、簡単に言えば相手を制圧するような勢力を幅広く指しています。
例えば、相手を殴るといった暴行、爆破予告のような脅迫なども威力業務妨害罪の「威力」となります。
この「威力」を用いて業務妨害行為をすれば威力業務妨害罪が成立するのですが、ここで注意が必要なのは、威力業務妨害罪の成立には、実際に業務妨害の事実がなくてもよいということです。

威力業務妨害罪の成立には、業務妨害の事実だけでなく、業務妨害の危険性があればよいとされています。
つまり、実際には業務が妨害された事実がなくとも、業務が妨害される危険のある行為が行われていれば、威力業務妨害罪が成立する可能性が出てくることになるのです。

今回のAさんは、Xに対して「握手会に包丁を持って乗り込んでやる」といったコメントを送っており、これはXを制圧するような脅迫=「威力」であると考えられます。
その「威力」によって、Xは警備を増強するなど通常では行わなくてよかったはずの業務を行ったり、参加者を避難させて握手会自体をストップさせたりしており、これによって業務が妨害されたと考えられます。
こうしたことから、今回のAさんは威力業務妨害罪に問われることになったと考えられるのです。

・執行猶予

執行猶予とは、有罪の判決を言い渡された者が執行猶予期間中に他の刑事事件を起こさずに過ごせば、刑の言い渡しをなかったことにするという制度をいいます。
執行猶予を獲得することができれば、すぐに刑務所へ服役する必要はなく、もとの日常生活に戻ることが可能となります。
執行猶予の有無は、すぐに刑務所に行くことになるのか、社会の中で更生を目指していくことができるのかという大きな違いを生むことになるため、被告人やその家族にとっては非常に重要なことになります。

執行猶予を獲得するためには、裁判において被告人の有利な事情を主張・立証することが大切です。
例えば、犯罪の悪質性が小さいこと、計画性がないこと、被害が軽微なことといった事情があれば、被告人に有利な事情として主張することが考えられます。
こうした犯罪自体に関する事情の他にも、被告人やその家族と協力して有利な事情を作り出すことも重要です。
例えば、被害者に謝罪し被害弁償や示談ができていること、被告人本人が反省していること、更生の意思があること、再発防止策があることなどの事情があれば、これも執行猶予獲得のために主張できる事情となるでしょう。
これらの事情を被告人やその家族だけで考えることは難しいことも多いため、専門家である弁護士にサポートを受けながら考えていくことが望ましいでしょう。

もちろん、「これをすれば必ず執行猶予になる」といった方法があるわけではなく、他にも様々な点が執行猶予判決の判断要素となることがあります。
執行猶予を獲得するためには、早期から弁護士のサポートを受け、裁判に向けて準備していくことが大切といえるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件専門の弁護士事務所であり、刑事弁護の経験が豊富な弁護士が多数揃っており、これまで多くの執行猶予判決を獲得しています。
威力業務妨害事件で逮捕されてしまった方、執行猶予獲得を目指したいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。

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