児童買春の前科がある被疑者の弁護活動
児童買春の前科がある被疑者の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~ケース~
滋賀県東近江市在住のAさんは、SNSで知り合った女性Vが17歳であることを知りながら、性交の対償として5万円を支払うことを約し、滋賀県東近江市内のラブホテルでVと性交しました。
近頃、与えた覚えのないお金をVが持っていたり、高額な商品をたびたび購入していることを不審に感じたVの両親がVを問い詰めたところ、SNSで知り合った男性と性交し、対償を得ていることを打ち明けました。
Aさんの起こした事件がV両親に発覚してから数日後、Aさんの自宅に滋賀県東近江警察署の警察官が現れ、Aさんは児童買春の疑いで逮捕されてしまいました。
Aさんには以前も児童買春事件を起こし、罰金刑を受けた過去があります。
今後Aさんはどうなるのでしょうか。
(フィクションです)
~児童買春の罪について解説~
児童買春行為につき有罪判決が確定すると、五年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処せられます(児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律第4条)。
「児童買春」とは、
①児童
②児童に対する性交等の周旋をした者
③児童の保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいいます)又は児童をその支配下に置いている者
に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等をすることをいいます(同法第2条2項)。
Aさんは、児童であるVに、性交の対償として5万円を供与することを約し、Vと性交しています。
前記行為は、児童買春の罪を構成する可能性が高いと考えられます。
~逮捕直後の弁護活動~
逮捕・勾留されてしまうと、捜査段階において最長23日間の身体拘束を受けることになります。
身体拘束が長期化すれば、会社や学校を長期間にわたって無断欠勤・欠席することになってしまいます。
早期に弁護士を依頼し、より早く外に出られるように活動してもらうことが必要です。
~起訴された場合~
初犯であっても、児童買春事件が起訴される可能性は高く、同じ前科があるAさんが起訴される可能性は極めて高いでしょう。
児童買春事件を起こしたのが初めてであり、被害者が1人程度であれば、略式手続により略式起訴され、罰金刑を受けて事件が終了することが多いと思われます。
しかし、同種前科を有するAさんについては、略式手続ではなく、「公判請求」という形式で起訴される可能性があります。
児童買春事件において公判請求がなされる場合とは、前科がある、犯行態様が悪質である、被害者が多数存在するなどの理由で、検察官がAさんにつき懲役刑を相当と思料しているケースです(略式手続では懲役刑に処することはできません)。
公判請求がなされた場合は、公開の法廷に立って裁判を受けることになります。
また、前述の通り、略式手続で懲役刑が言い渡されることは法律上ありえませんが、公判請求がなされた場合は、懲役刑を言い渡される可能性があります。
懲役刑に処せられ、執行猶予がつかなければ、刑務所に入らなければならなくなります。
このような場合は、執行猶予付き判決を獲得し、刑務所での服役を回避することが極めて重要となります。
~執行猶予付き判決の獲得を目指す~
まずは、被害者と示談を成立させることが非常に重要です。
示談が成立すれば、Aさんにとって有利な事情として考慮されることが期待できます。
また、Aさんが児童買春事件を繰り返してしまった背景には、医学的、心理学的に説明されるべき問題が潜んでいるかもしれません。
精神科や心療内科において、専門的な治療、カウンセリングを受け、再犯防止に努めていることを裁判官にアピールすることも考えられます。
児童買春事件を繰り返してしまい、逮捕されてしまった場合には、すぐに刑事事件に熟練した弁護士の接見を受け、有利な事件解決を目指していきましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が児童買春事件を起こして逮捕されてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。