少年事件と大麻

少年事件と大麻

少年事件と大麻について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

滋賀県米原市在住の中学3年生のAさんは、SNSの書き込みなどから大麻に興味を持つようになりました。
Aさんは、SNSで大麻を売っているという人とコンタクトを取ると、大麻1gを購入しました。
AさんがSNSを通じて大麻を購入してしばらくした頃、Aさんが大麻を買った先の売人が、滋賀県米原警察署の捜査によって摘発されました。
そして、滋賀県米原警察署の捜査により、大麻の売人の購入履歴からAさんが大麻を購入していることが発覚。
Aさんの自宅に滋賀県米原警察署が家宅捜索にやって来て、Aさんの部屋から大麻が発見されました。
その後、Aさんは大麻取締法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの家族は、まさか中学生のAさんが大麻を持っていることで逮捕されるとは思わず、今後どのように対応してい良いのか分からず困ってしまいました。
そこでAさんの家族は、少年事件に対応している弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・大麻所持による大麻取締法違反

大麻は、ただ持っているだけでも犯罪となる違法薬物です。
大麻取締法では原則として大麻の所持を禁止しており、大麻を所持することは大麻取締法違反となります。

大麻取締法第24条の2第1項
大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、5年以下の懲役に処する。

大麻を所持したことによる大麻取締法違反は、「5年以下の懲役」という重い刑罰が設定されています。
さらに、大麻所持の目的が営利目的であった場合、さらに重い刑罰が下される可能性があります。
なお、今回のAさんのような少年事件の場合は、基本的にはこういった刑罰を受けることはありません。

・少年事件と大麻

今回の事例でAさんの家族は、Aさんの大麻所持による逮捕に驚き、困惑しているようです。
大麻のような違法薬物は、日常とは解離したイメージがあるかもしれません。
そのため、大麻のような違法薬物を未成年が手に入れることは難しいだろう、未成年が大麻を所持することはできないだろうというイメージもあるでしょうが、実際には未成年による大麻所持事件は度々起こっています。

法務省による統計(令和2年版犯罪白書)によると、令和元年に大麻取締法や大麻に関連した麻薬取締法違反で検挙された20歳未満の者は609人とされています。
大麻に関連して検挙される未成年は平成26年から年々増加傾向にあり、令和元年は前年よりも42パーセント増加しているとのことでした。
さらに、大麻取締法違反で検挙された者で事件当時就学していた247人(20歳以上の者も含む)を就学状況別に見ると、大学生132人、高校生109人、中学生6人という内訳であったそうです。
これを見れば、たとえ未成年であっても、大麻に関連した犯罪に関与することは全くないことだとは言えないでしょう。

そして、「大麻などの違法薬物を手に入れるためには素行の悪い人とつるんでいるはずだ」「暴力団や暴走族といった集団に関わっていなければ大丈夫」と考える方もいるでしょう。
しかし、先ほどの法務省の統計によると、令和元年に大麻取締法違反により鑑別所に入った少年441人のうち、57.1パーセントは暴力団や暴走族、地域的不良集団などの不良集団とのかかわりはない少年たちだったそうです。
つまり、普段から素行のよくないグループとつるんでいなくとも、大麻取締法違反事件に関わってしまう可能性もあるのです。
今回の事例のAさんのように、普段の素行に問題がなくとも、SNSなどで大麻に関わりをもってしまう少年もいるのです。
もちろん、少年事件のうち大麻取締法違反事件の件数が非常に多いというわけではありませんが、未成年だから、年齢が低いからといって大麻が全くかかわりのない話でもないということがお分かりいただけたのではないでしょうか。

・大麻取締法違反の少年事件と弁護士

では、実際に自分の子供が大麻取締法違反事件に関わってしまったらどうすべなのでしょうか。
まずは早い段階で弁護士に相談し、迅速に弁護活動・付添人活動に取りかかってもらうことをおすすめします。

先ほどから統計を挙げている令和2年度版犯罪白書では、鑑別所に入った少年451人の終局処分の内訳が、少年院送致が47.5%、保護観察が30.2%、検察官送致(年齢超過含む)が1.8%、不処分・審判不開始が0.7パーセント、未決が20パーセントとなっています。
当然少年が鑑別所に入らずに終局処分まで進む少年事件もあるため、未成年による大麻取締法違反事件全てを含めての処分結果ではありませんが、それでも少年院送致が半数程度を占めていることからも、大麻取締法違反事件が重く考えられていることが分かります。
だからこそ、少年事件・刑事事件に詳しい弁護士のサポートを受けながら、適切な処分を目指していくことが有効と考えられるのです。

さらに、令和2年版犯罪白書によれば、令和元年に大麻取締法違反で検挙された20歳未満の者609人のうち、59人は以前大麻取締法違反で検挙されたことがあり、再度大麻取締法違反で再非行をした少年だとされています。
約10パーセントの少年が同じ犯罪を繰り返してしまっていることからも、再犯防止の対策を具体的に立てた上で実行していく必要があることが分かります。
少年事件では、少年が更生するために適切な環境を用意することが非常に重要です。
少年事件への取り組みとしても、大麻取締法違反事件としての取り組みでも、再犯防止策に取り組むことは重要ということです。
だからこそ、少年事件にも刑事事件にも対応できる弁護士に早期に相談し、早い段階から弁護活動・付添人活動に取り組んでもらったり、環境改善のための準備を始めたりすることがおすすめされるのです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、大麻取締法違反のような薬物事件にも対応しています。
成人の刑事事件だけでなく、少年事件にも数多く対応している弁護士だからこそ、少年事件の始まりから終わりまで丁寧なサポートが可能です。
まずはお気軽にご相談ください。

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