特殊詐欺に関わって逮捕されたら②詐欺罪・詐欺未遂罪

特殊詐欺に関わって逮捕されたら②詐欺罪・詐欺未遂罪

特殊詐欺に関わって逮捕されてしまったケースのうち、特に詐欺罪詐欺未遂罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

23歳のAさんは、自由に使えるお金がないことに不満をもち、どうにかお金を手に入れることができないかと悩んでいました。
そこで、Aさんは知人であるBさんと一緒になって、警察官を装った特殊詐欺を行い、高齢者から金をだまし取り、山分けする計画を立てました。
そして、AさんとBさんは計画通り、警察官を装った特殊詐欺を行いました。
ある日、Bさんは滋賀県米原市に住む高齢者Vさんに電話をかけ、「警察です。特殊詐欺犯を逮捕したところ、あなたの氏名が出てきました。被害に遭うと大変なので、こちらで警察官を向かわせて対策を立てます。キャッシュカードと暗証番号を用意して待っていてください。」などと伝え伝え、キャッシュカードと暗証番号を準備させました。
Aさんは、警察官を装うため、滋賀県米原市にあるVさん宅の近くにあるコンビニのコピー機で、警察を表す日章の記号や警察官風の写真などを印刷し、警察官の身分証のようなものを作成し、Vさん宅に向かいました。
しかし、その道中、Aさんは複数の特殊詐欺の被害を受けて警戒していた滋賀県米原警察署の警察官に職務質問され、偽造した身分証を発見されました。
結果、Aさんは公記号偽造罪の容疑で逮捕されてしまいました。
(※令和2年3月4日YAHOO!JAPANニュース配信記事を基にしたフィクションです。)

・特殊詐欺と詐欺罪

前回の記事では、公記号偽造罪について取り上げましたが、今回は特殊詐欺事件でよく問題となる犯罪である詐欺罪詐欺未遂罪について取り上げていきます。
詐欺罪や詐欺未遂罪は、公記号偽造罪と同じく、刑法に規定のある犯罪です。

刑法246条
1項 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2項 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

刑法250条
この章の罪の未遂は、罰する。

詐欺罪は、「人を欺いて」「財物を交付させ」ることで成立する犯罪です。
「人を欺いて」とは、意味としては「人を騙して」という意味ですが、詐欺罪の成立には、財物を交付するかどうか判断するに際して重要な事項を偽ることであるとされています。
つまり、「この事情が嘘であるなら財物を引き渡さないだろう」という事情について嘘をつき、相手を騙すことが詐欺罪の「人を欺いて」という文言に当てはまることになるのです。
そして、「財物を交付させた」とは、そのまま、財物を引き渡させた、という意味です。
先ほど触れた重要な事項についての嘘に騙された相手が、その騙されたことに基づいて、財物を引き渡すということが詐欺罪成立の条件の1つです。

特殊詐欺事件では、多くの場合、詐欺行為の犯人側が警察官や親族など、実際にはその者とは異なる者を装って、実際の事実と異なることを伝えることで、被害者を騙し、被害者から現金やキャッシュカードを引き渡させています。
被害者は、親族や警察官といった立場の者ではないことや、伝えられた事実が実際の事実とは異なる事実であることを知っていれば、犯人側に現金やキャッシュカードを引き渡さないわけですから、詐欺罪の「人を欺いて」という条件に当てはまります。
そして、被害者が騙されたことに基づいて、犯人側は被害者から現金やキャッシュカード等の財物を引き渡させているのですから、「財物を交付させた」ともいえるでしょう。
こうしたことから、特殊詐欺事件では詐欺罪が成立することが多いのです。

今回のAさん・Bさんは事例にあるVさんへの特殊詐欺事件以外にも特殊詐欺をしているようですので、このようにして詐欺罪が成立している事件もあると考えられます。

・特殊詐欺と詐欺未遂罪

先ほど挙げたように、詐欺罪には未遂罪の規定も存在します。
詐欺未遂罪は、詐欺罪を実行に移していた(実行に着手していた)にもかかわらず、最後まで遂げることのなかった場合に成立します。
詐欺罪を実行に移したと判断されるのは、「人を欺」く行為を開始した時だと言われています。

今回の事例では、Aさん・BさんはVさんを相手に特殊詐欺行為をしようとしており、Vさんに警察官を装う電話をかけています。
この電話の時点では、Aさん・BさんはVさんにキャッシュカードを交付するよう求めてはいないようですが、Vさんが現場に向かったAさんの求めに応じてキャッシュカードをすぐに渡してしまうような危険性が著しく高まるようなものであると判断されれば、詐欺罪を実行に移したと判断され、詐欺未遂罪が成立する可能性もあります。

近年、特殊詐欺事件においては厳しい処分が下されることも多く、寛大な処分を得るためには、積極的な弁護活動が必要とされます。
詐欺未遂罪がいつの時点で成立するかといった問題も議論されていますから、詐欺事件詐欺未遂事件に関わってしまったら、弁護士に相談することがおすすめです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、詐欺事件についてのご相談・ご依頼ももちろん承っています。
まずはお気軽にお問い合わせください。

次回の記事では、特殊詐欺と共犯について解説します。

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