滋賀県で起きた盗撮事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
滋賀県教育委員会は28日、女子生徒らの下着を盗撮したとして、(中略)を懲戒免職にした。(中略)
県教委によると、(中略)JR篠原駅の階段で女性のスカートの下にスマートフォンを差し入れて動画を撮影した。また、(中略)県内の学校でも女子生徒の下着を盗撮した。「周囲に人がいなかったので行為に及んでしまった」と認めているという。
(中略)篠原駅での行為について、県迷惑行為防止条例違反の疑いで11月29日に近江八幡署に逮捕されたが、不起訴になった。学校での行為については、同条例違反の罪で12月19日に略式起訴され、罰金50万円の略式命令を受けたという。
(2月28日 京都新聞 「学校で女子生徒の下着を盗撮 研修指導主事を懲戒免職、滋賀県教委」より引用)
盗撮と滋賀県迷惑行為等防止条例
滋賀県迷惑行為等防止条例第3条2項
何人も、公共の場所、公共の乗物または集会所、事務所、学校その他の特定多数の者が集まり、もしくは利用する場所にいる人の下着等を見、またはその映像を記録する目的で、みだりに写真機、ビデオカメラその他撮影する機能を有する機器(以下「写真機等」という。)を人に向け、または設置してはならない。
盗撮は各都道府県の迷惑行為防止条例で禁止されています。
滋賀県では、滋賀県迷惑行為等防止条例で盗撮の禁止を規定しています。
今回の事例では、男性が駅や学校で盗撮を行ったとされています。
滋賀県迷惑行為等防止条例第3条2項では、公共の場所や学校での盗撮を禁止していますので、今回の事例では、滋賀県迷惑行為等防止条例違反が成立します。
駅や学校で盗撮を行い、滋賀県迷惑行為等防止条例違反で有罪になった場合は、6月以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。(滋賀県迷惑行為等防止条例第11条1項1号)
また、常習して盗撮を行っていたと判断された場合には、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されることになります。(滋賀県迷惑行為等防止条例第11条2項)
不起訴処分と略式起訴
不起訴処分が下された場合には、言葉のとおり起訴されませんから、刑事罰は科されませんし前科も付きません。
一方で、略式起訴の場合は、起訴されていますので刑事罰が科されますし、前科も付いてしまいます。
略式起訴とは簡単に説明すると、裁判を行わずに罰金刑を科す刑事処分のことを指します。
ですので、略式起訴の場合は正式に起訴された場合に比べて、裁判が行われない分、早期に事件を終了することができます。
また、略式起訴では罰金刑以下の刑罰しか科されませんので、略式起訴になった場合には罰金刑より重い懲役刑や禁錮刑が科されることはありません。
弁護活動と不起訴処分
被害者と示談を締結することで、不起訴処分を獲得できる場合があります。
盗撮事件では、加害者に連絡先を教えたくないと思う被害者の方も多く、連絡先を知ることができない場合があります。
また、仮に連絡先を知っていた場合であっても、加害者と直接、示談交渉を行いたくない方もいらっしゃいますので、示談交渉を行う際には弁護士を通じて行うことが望ましいといえます。
また、弁護士は検察官への処分交渉を行うことができます。
刑事事件に精通した弁護士による示談交渉や処分交渉、取調べのアドバイスにより、不起訴処分を獲得できるかもしれません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービスや無料法律相談を行っています。
盗撮などの滋賀県迷惑行為等防止条例違反、その他刑事事件でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。