滋賀県甲賀市水口町で起きた酒気帯び運転による事故で、過失運転致傷罪、道路交通法違反の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
滋賀県警甲賀署は18日、自動車運転処罰法違反(過失運転致傷)と道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで、(中略)現行犯逮捕した。
逮捕容疑は(中略)同市水口町で乗用車を飲酒運転し、前方を走行していた乗用車に追突し、運転していた会社員男性(40)の首などに軽傷を負わせた疑い。
(3月18日 京都新聞 「飲酒運転で前方の乗用車に追突 容疑の60歳男を逮捕 滋賀・甲賀」より引用)
過失運転致傷罪
過失運転致傷罪は、刑法ではなく自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下「自動車運転処罰法」といいます)で規定されています。
簡単にいうと、車の運転中に過失により人にけがを負わせてしまった場合に、過失運転致傷罪が成立します。
過失運転致傷罪の法定刑は、7年以下懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金です。(自動車運転処罰法第5条)
また、けがの程度が軽いときには、刑罰が科されない場合があります。(自動車運転処罰法第5条)
今回の事例では、容疑者は前方を走行していた車に追突し、被害者の首に軽傷を負わせたとされています。
容疑者が前方不注視などの過失により追突事故を起こし、被害者にけがを負わせたのであれば、自動車運転処罰法違反が成立することになります。
酒気帯び運転
道路交通法第65条第1項では、酒気帯び運転を禁止しています。
酒気帯び運転とは、身体に血液1ミリリットルにつき0.5ミリグラム以上又は呼気1リットルにつき0.25ミリグラム以上のアルコールを保有する状態で運転する行為をいいます。
酒気帯び運転を行い、道路交通法違反で有罪になった場合には、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科されます。(道路交通法第117条の2の2第1項第3号)
また、お酒に酔い、正常な運転ができないおそれがある状態で車を運転することを酒酔い運転といいます。
酒酔い運転をした場合に、道路交通法違反で有罪になると、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されます。(道路交通法第117条の2第1項)
今回の事例では、容疑者が酒気帯び運転をしたとされています。
実際に、容疑者が道路交通法施行令で定められている程度以上のアルコールを保持していた場合は、酒気帯び運転にあたりますので、道路交通法違反が成立することになります。
交通事故と弁護活動
前述したように、過失運転致傷罪で有罪になると、7年以下懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金を科されます。
過失運転致傷罪では、相手のけがの程度が軽い場合には刑が免除される場合があります(自動車運転処罰法第5条)ので、過失運転致傷罪が成立したとしても、弁護士が検察官や裁判官に訴えることで、刑事罰を免除してもらえる可能性があります。
また、酒気帯び運転と酒酔い運転を比べると、酒酔い運転の方が法定刑が重くなっています。
現に、酒酔い運転が成立すると判断された場合には、初犯であっても、公判請求されるケースが多くあります。
酒酔い運転したと認定するには合理的疑いが残ると判断してもらうためにも、取調べ対応が重要になってきます。
取調べの際に作成される供述調書は裁判の際に証拠として扱われますので、しっかりと取調べ対策を行うためにも、交通事故の豊富な弁護経験をもつ弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
酒気帯び運転などの飲酒運転や過失運転致傷罪でお困りの方は、ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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