【事例紹介】滋賀県愛荘町 連続車上荒らし

滋賀県愛荘町島川で連続車上荒らしが起きている事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

滋賀県愛荘町島川で(中略)乗用車など計5台が相次いで車上荒らしに遭い、現金計約91万円が盗まれる被害があった。県警東近江署は同一犯による連続窃盗事件の可能性もあるとみて捜査している。
同署によると、(中略)運転席や助手席の窓ガラスが割られたり、鍵穴が壊されたりした。財布など計約30点が盗まれ、うち1件は車内に置いていた現金約80万円が被害に遭ったという。
(3月26日 京都新聞 「半径500メートル内で連続車上荒らしか、現金計91万円被害 滋賀・愛荘」より引用)

車上荒らし

車の窓ガラスを割ったりして、車内に置いてある物を盗む行為を車上荒らしといいます。
車上荒らしを行った場合、どういった罪に問われるのでしょうか。

まず、車上荒らしでは車内の物を盗みますので、窃盗罪が成立すると考えられます。

大まかにいうと、窃盗罪は、所有者の同意を得ずに盗むと成立します。
今回の事例では、財布や現金が盗まれていると報道されています。
窓ガラスや鍵を壊して盗んでいることから、おそらく持ち主の同意を得ずに盗んでいるのでしょう。
ですので、今回の事例のような車上荒らしでは、窃盗罪が成立すると考えられます。

次に成立すると考えられるのが、器物損壊罪です。

器物損壊罪とは、簡単にいうと、他人の物を壊した際に成立する犯罪です。
今回の事例では、車上荒らしにより、窓ガラスが割られたり、鍵穴が壊されていると報道されています。
被害者の車は容疑者からすると他人の物にあたりますので、窓ガラスを割ったり鍵穴を壊す行為は、器物損壊罪が成立する可能性があります。

車上荒らしと刑事罰

器物損壊罪の法定刑は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料です。(刑法第261条)
また、窃盗罪の法定刑は、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。(刑法第235条)

車上荒らしを行い有罪になった場合には、どのような量刑が科されるのでしょうか。
平成15年に神戸市で起きた車上荒らしの裁判例をご紹介します。
(今回ご紹介する裁判例は、今回の事例と事件内容などが異なります。)

被告人は、路上に駐車中の車の窓ガラスを持っていた金槌で割り、車内に置いてあった現金1705円及び財布等17点在中のショルダーバック1個(時価合計約9000円相当)を盗みました。
裁判では、被告人の犯行の態様が悪質であること、被告人には前科(住居侵入罪、窃盗未遂罪により懲役1年、窃盗罪により懲役10月)があることなどから、被告人の刑事責任は軽くないと判断されました。
被害品は還付され被害は回復していたことや、事件当時被告人が酩酊していたことなども考慮されましたが、被告人には懲役1年6月が下されました。
(平成15年4月15日 神戸地方裁判所)

上記の裁判例では、被告人に懲役1年6月の実刑判決が下されています。
今回の事例では5台の車が車上荒らしにあっており、現金約91万円が盗まれています。
裁判例の被告人は前科がありますし、単純に比較することはできないのですが、今回の事例の被害だけを見てみると裁判例よりもかなり悪質であることが伺えますので、もしかすると今回の事例では裁判例よりも重い刑事罰が科される可能性があります。

今回の事例では、まだ車上荒らしの犯人は逮捕されていません。
刑法第42条1項では、「罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。」と規定しています。
自首について、犯罪事実は発覚していたが犯人の何人たるかは未だ発覚していない時期に、被告人の方から供述した事例について自首が成立した判例があります。(昭和42年2月20日 最高裁判所決定)
つまり、何らかの犯罪が行われたことは捜査機関に発覚していても、犯人がまだ発覚していない事件であれば自首が成立する可能性があります。

ですので、今回の事例の車上荒らしの犯人が自らの意思で出頭し自首が成立した場合には、刑が減軽されるかもしれません。
ですが、自首をした場合であっても、すでに捜査機関に犯人について発覚していた場合には、自首は成立しません。
自首を検討している方は、事前に、自首が成立する見通しや、自首をする際に逮捕されるリスクを軽減するための対策など、一度弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。

また、自首による罪の減軽以外にも、示談を締結することで科される刑罰を少しでも軽くすることができます。
車上荒らしの場合は、加害者が被害者の連絡先を知らないことが大半でしょうから、示談交渉を行う際には、連絡先を知るところから始めることになるでしょう。
しかし、刑事事件の被害者の方には、加害者に連絡先を教えたくない被害者も多く、連絡先を知ることができない場合があります。
しかし、そのような被害者でも、弁護士であれば連絡先を教えてもいいと思われる方もいらっしゃいますので、示談交渉を行う際には弁護士を付けることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件に精通した法律事務所です。
弁護士に相談をすることで、執行猶予の獲得など、少しでも科される刑罰を軽くできるかもしれません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料法律相談を行っています。
車上荒らし窃盗罪器物損壊罪で捜査を受けている方、自首を考えている方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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