【事例紹介】故意に車を追突させお金を脅し取った事例
飲酒運転をさせている状態で故意に事故を起こさせお金を脅し取ったとして、恐喝罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
マッチングアプリで知り合った男性から「美人局(つつもたせ)」の手口で金などを奪ったとして、滋賀県警は男女5人を恐喝の疑いで逮捕したと12日に発表した。認否は明らかにしていない。
東近江署によると、逮捕されたのは、住所不定、建設業の男(26)ら21~49歳の男3人、20歳と27歳の女2人。
調べでは、昨年6月20日ごろ、20歳の女がマッチングアプリで知り合った会社員の男性(39)と待ち合わせした。女は男性が運転する車に乗り、20日未明、「一緒にお酒が飲みたい」と誘い、コンビニで買って男性と飲んだ。
その後、男性が運転していると、建設業の男らが乗る車が故意に追突。男性に「飲んでるんけ、お前、飲酒運転か」「車の修理とかあるし、それなりの補償はしてもらうで」などと言い、男性から50万円を脅し取った疑いがある。
(後略)
(3月12日 朝日新聞デジタル 「車内で女が「一緒に酒を」、後ろに車が衝突し… 恐喝容疑で5人逮捕」より引用)
恐喝罪
刑法第249条1項
人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
恐喝罪は簡単に説明すると、暴行や脅迫を用いて相手を怖がらせ、お金などの財物を交付させると成立する犯罪です。
恐喝罪で規定する暴行や脅迫はどういったものでもいいというわけではなく、反抗を抑圧するに至らない程度の暴行や脅迫だとされています。
反抗抑圧とは大まかにいうと、抵抗が困難な状態のことを指します。
ですので、抵抗することが難しいような暴行や脅迫を用いた場合には、恐喝罪ではなく強盗罪が成立することになります。
今回の事例では、容疑者の一人は被害者にお酒を飲ませて運転させ、他の容疑者らが運転する車を被害者が運転する車に故意にぶつけることで事故を起こしたようです。
また、事故後に「飲んでるんけ、お前、飲酒運転か」「車の修理とかあるし、それなりの補償はしてもらうで」などと言って被害者から50万円を脅し取ったと報道されています。
事故の相手方から「それなりの補償はしてもらうで」と言われれば補償として無茶苦茶な要求をされるのではないかと恐怖を感じると思います。
そういった状況で50万円を要求されると、相手方が故意にぶつかってきたとはいえ、恐怖心と50万円で済ませたい気持ちからお金を渡してしまっても不思議ではありません。
ですので、容疑者らが実際に故意にぶつかって事故を装い脅迫することでお金を受け取ったのであれば、容疑者らに恐喝罪が成立する可能性があります。
共犯事件で逮捕されたら
共犯事件で逮捕された場合は証拠隠滅の観点から釈放が認められづらい傾向にあります。
さらに、勾留決定の際に接見禁止決定が出てしまう可能性が高いです。
接見禁止決定が出てしまうと、家族であっても面会をすることができません。
逮捕・勾留されると、連日にわたって取調べを受ける可能性が高いですから、不安な環境で多大なストレスがかかるなか、家族とも会えないとなると緊張状態が続き精神に不調をきたしてしまう可能性があります。
また、繰り返しになりますが、勾留が長引いてしまう可能性があり、長期間ストレスにさらされる可能性が非常に高いです。
弁護士は接見禁止の一部解除や釈放を求めることができます。
弁護士が裁判所に接見禁止の一部解除を求めることで、家族などに限って面会や手紙の差し入れを認めてもらえる可能性があります。
また、弁護士は裁判所に勾留決定に対する準抗告の申し立てができますから、勾留決定後であっても釈放を認めてもらえる可能性があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件に精通した法律事務所です。
経験豊富な弁護士が接見禁止の一部解除や釈放を求めることで認めてもらえる可能性がありますので、ご家族が逮捕された場合や接見禁止が付いていてご家族と面会ができない場合などには、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。