19歳の少年事件で逮捕
19歳の少年事件で逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
滋賀県東近江八幡市に住んでいるAさんは、3か月後に誕生日を迎える19歳の少年です。
ある日、Aさんが近所を歩いていると、反対側から歩いてきた通行人Vさんと肩がぶつかりました。
Aさんが特に気にせず歩き続けようとしたところ、Vさんが「謝りもしないとは何事か」と言いがかりをつけてきました。
それが癪に障ったAさんは、Vさんに対して「お前だって悪いだろ」などと言いながら、Vさんを強く押しました。
するとVさんはその拍子に転倒し、全治2週間の怪我を負ってしまいました。
他の通行人が2人のトラブルを見て滋賀県近江八幡警察署に通報したことで、滋賀県近江八幡警察署の警察官が駆け付けました。
そしてAさんは、傷害罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの両親は、「20歳になるかどうかで手続きが変わる」と聞いたことがあったため、今後Aさんがたどる手続きの流れや対応を相談しようと、少年事件と刑事事件を取り扱う弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・19歳の少年事件
原則として、少年事件は成人の刑事事件とは異なった手続きが取られます。
成人の刑事事件であれば、逮捕後、検察官へ事件が送致され、その後、検察官から起訴・不起訴の判断がなされ、起訴されれば裁判が開かれ、そこで有罪・無罪や量刑が決められる、ということになりますが、少年事件はこの手続きとは違う手続きが取られることになります。
少年事件では、検察官に事件が送致された後、そこから原則すべての少年事件が家庭裁判所へ送致されます。
そして、家庭裁判所調査官による調査をもとに、審判が開かれ、少年院送致や保護観察などの少年への保護処分が決定します。
つまり、少年事件では、成人の刑事事件でいう起訴・不起訴や有罪・無罪といった判断がないということになります。
さらに、先ほど触れたように、少年事件の最終処分は原則として「保護処分」と呼ばれるものです。
この保護処分は成人の刑事事件で有罪になった時に科される刑罰とは異なるもので、犯罪をしたことによる罰ではなく、少年を更生させるために必要な処分という扱いになります。
ですから、たとえ少年事件を起こして少年院送致や保護観察といった保護処分を受けたとしても、成人の刑事事件で有罪判決を受け、罰金刑や懲役刑を科された際につく「前科」はつきません(ただし、犯罪をして捜査機関の捜査を受けたという「前歴」は残ります。)。
こうした少年事件の手続きが取られる対象は、20歳未満の未成年者です。
少年事件の審判が開かれる前に成人してしまった場合、その元少年は検察官に送致されて、一般の刑事事件と同じ流れに乗ることになります。
家庭裁判所から検察官に事件が送り返される、いわゆる「逆送」が行われるのです。
逆送された場合、検察官はその元少年について、成人の刑事事件同様、起訴するか不起訴にするかの判断をすることになります。
起訴するとなった場合、成人の刑事事件のように略式命令による罰金刑に科せられたり、裁判となって公判で有罪・無罪を争ったりすることになります。
そうなれば、少年事件ではつかない前科がつく可能性もありますし、犯罪によっては刑務所へ行く可能性も出てきます。
そのため、19歳、特にもう少しで20歳になってしまう、という時期に少年事件を起こしてしまった場合には、早期に行動を起こすことが重要となります。
・19歳の少年事件での弁護活動
少年事件でも刑事事件でも、被疑者となってしまった本人やそのご家族だけでは、現在どれほどの捜査が進んでいるのか、今手続きのどの部分にいるのかはなかなか把握しづらいものがあります。
弁護士をつけることによって、それらの把握やその後の手続きの把握の一助となり得ます。
また、特に逮捕を伴わない在宅事件の場合、捜査の時間制限がないために、19歳という切迫した少年事件でもなかなか手続きが進まないということがままあります。
そうした場合でも、弁護士が働きかけることで、年齢超過による逆送の可能性を下げることができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、24時間365日いつでも、初回無料法律相談のご予約や初回接見サービスのお申込みを受け付けております。
お子さんが少年事件を起こしてしまった、逮捕されてしまったというときに、すぐに弁護士との相談や接見をご予約いただけます。
もちろん、年齢切迫事件のご相談も可能です。
少年事件にお困りの方は、まずは0120-631-881までお問い合わせください。