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【事例紹介】首を刃物で刺して殺害した事例 滋賀県東近江市
【事例紹介】首を刃物で刺して殺害した事例 滋賀県東近江市
首を刃物で刺して殺害したとして、殺人罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
(前略)滋賀県東近江市ひばり丘町のアパートの一室で、住人(中略)さん(35)が血を流して倒れているのを同僚が発見し、上司が110番した。(中略)さんには切り傷や刺し傷があり、その場で死亡が確認された。
滋賀県警捜査1課と東近江署は27日、(中略)さんを殺害したとして、殺人容疑で同じアパートに住む無職(中略)容疑者(49)を逮捕した。
逮捕容疑は(中略)さんの部屋で首に刃物を突き刺すなどして(中略)さんを殺害した疑い。同署によると、(中略)さんの首周辺に複数箇所の切り傷と刺し傷があったという。
同署の説明では、(中略)さんは金属加工工場に勤務していた。(中略)さんが1階、(中略)容疑者が2階に住み、同容疑者が1月末に(中略)さんの生活音について同署に相談し、同署が対応していた。
(後略)
(2月27日 京都新聞 「滋賀県東近江市でベトナム人男性殺害、容疑で同じアパートの男逮捕 生活音でトラブルか」より引用)
殺人罪
刑法第199条
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。
殺人罪とは、簡単に説明すると、人を殺そうと思って殺した場合に成立する犯罪です。
ですので、殺すつもりがなかった、つまり、殺人の故意がなかった場合には殺人罪は成立しないことになります。
では、例えば拳銃で人の頭を撃って殺した場合に、けがを負わせるつもりで殺す意図はなかったと供述した場合には、殺人罪に問えないのでしょうか。
加害者が殺すつもりがなかったと供述しているからといって、必ずしも殺人罪が成立しないわけではありません。
拳銃は殺傷能力が高いですし、それで頭を撃てば死んでしまうと容易に想像ができるでしょう。
このように、殺意がなくとも殺してしまう可能性を認識していた場合には、殺人罪が成立する可能性があります。
今回の事例では殺人罪は成立するのでしょうか。
今回の事例では容疑者が被害者の首に刃物を突き刺すなどして殺害したと報道されています。
また、報道によると、被害者の首周辺に複数の切り傷と刺し傷があったようです。
首には大きな血管がありますので、首を切ることで血管が傷つくことで大量に出血し失血死してしまうことが考えられます。
首は人間の急所の一つですし、そのような場所を複数回切ったり、刺したりすれば、人が死んでしまうことは想像できるはずです。
また、容疑者と被害者の間では、生活音によるトラブルがあったようですので、容疑者が被害者に殺意を持っていたと判断される可能性があります。
実際に容疑者が被害者の首を刺したのであれば、殺意をもって被害者を殺したとして、殺人罪が成立する可能性があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
殺人罪やその他刑事事件の容疑をかけられた方、ご家族が逮捕された方は、ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
【事例紹介】物色中に帰宅した被害者を殺害し、強盗殺人罪の容疑で逮捕された事例②
【事例紹介】物色中に帰宅した被害者を殺害し、強盗殺人罪の容疑で逮捕された事例②
物色中に被害者が帰宅し、被害者を殺害してキャッシュカード等を奪ったとして強盗殺人罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
滋賀県近江八幡市の琵琶湖岸で愛知県の男性の遺体が見つかった事件で、滋賀県警捜査本部(近江八幡署)は27日、強盗殺人と死体遺棄、住居侵入の疑いで、(中略)容疑者(45)と、(中略)容疑者(27)を再逮捕した。
再逮捕容疑は共謀して、(中略)さん(中略)の自宅に窓ガラスを割るなどして侵入して金品を物色中、(中略)さんが帰宅したことから、(中略)さんの首をコード様の物で絞めて殺害。キャッシュカード3枚や預金通帳などを奪い、近江八幡市牧町の琵琶湖に乗用車で遺体を運んで、(中略)遺棄した疑い。
(後略)
(2月27日 京都新聞 「愛知で男性を絞殺、車で移動、早朝に琵琶湖へ遺棄 強盗殺人など容疑で男女再逮捕」より引用)
強盗殺人罪
前回のコラムの繰り返しになりますが、強盗殺人罪とは大まかに説明すると、強盗犯が人を殺した場合に成立する犯罪で、刑法第240条で規定されています。
刑法第240条
強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。
前回のコラムで解説したように、報道内容が事実であった場合には、今回の事例の容疑者らには強盗罪が成立する可能性があります。
報道によれば、容疑者が被害者の首をコード様の物で絞めて殺したとされています。
首をコードの様な物で絞めれば死んでしまうと容易に想像できますから、殺意があったと判断される可能性が高いと思われます。
今回の事例では、被害者は亡くなられたようですから、報道内容が事実である場合には、容疑者らに強盗殺人罪が成立する可能性があるといえます。
強盗殺人罪と強盗致傷罪
強盗致死罪についても強盗殺人罪と同様に刑法第240条の規定が適用されるのですが、強盗殺人罪と強盗致死罪では何が違うのでしょうか。
強盗殺人罪と強盗致死罪の違いを簡単に説明すると、殺す意図があって殺したかどうかです。
強盗殺人罪は殺そうと思って殺した場合に成立し、強盗致死罪は殺すつもりはなかったが殺してしまった場合に成立します。
強盗殺人罪と強盗致死罪の法定刑はどちらも死刑又は無期懲役です。
強盗殺人罪は殺すつもりで人を殺しているわけですから、殺すつもりはなかった強盗致死罪と比べて犯行の悪質性が高いと判断される可能性があります。
裁判では悪質性が高いと判断される場合には、より重い刑罰を科される可能性がありますので、強盗殺人罪と強盗致死罪では、強盗殺人罪の方が科される罪が重くなるおそれがあります。
強盗殺人罪と強盗致死罪はどちらも死刑が下される可能性があり、刑法の中でも科される刑罰が極めて重い犯罪だといえます。
先ほど述べたように、強盗殺人罪と強盗致死罪では、強盗殺人罪の方が悪質性が高いと判断されやすく、より重い刑が科される可能性が高いです。
弁護士による弁護活動で強盗殺人罪での起訴を避けられるかもしれません。
また、刑事事件に精通した弁護士による活動で、死刑判決が下される可能性もあります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス、無料法律相談を行っております。
強盗殺人罪や強盗致死罪でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
【事例紹介】物色中に帰宅した被害者を殺害し、強盗殺人罪の容疑で逮捕された事例①
【事例紹介】物色中に帰宅した被害者を殺害し、強盗殺人罪の容疑で逮捕された事例①
物色中に被害者が帰宅し、被害者を殺害してキャッシュカード等を奪ったとして強盗殺人罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
滋賀県近江八幡市の琵琶湖岸で愛知県の男性の遺体が見つかった事件で、滋賀県警捜査本部(近江八幡署)は27日、強盗殺人と死体遺棄、住居侵入の疑いで、(中略)容疑者(45)と、(中略)容疑者(27)を再逮捕した。
再逮捕容疑は共謀して、(中略)さん(中略)の自宅に窓ガラスを割るなどして侵入して金品を物色中、(中略)さんが帰宅したことから、(中略)さんの首をコード様の物で絞めて殺害。キャッシュカード3枚や預金通帳などを奪い、近江八幡市牧町の琵琶湖に乗用車で遺体を運んで、(中略)遺棄した疑い。
(後略)
(2月27日 京都新聞 「愛知で男性を絞殺、車で移動、早朝に琵琶湖へ遺棄 強盗殺人など容疑で男女再逮捕」より引用)
強盗殺人罪
刑法第240条
強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。
強盗殺人罪は簡単に説明すると、強盗犯が人を殺すと成立する犯罪です。
強盗殺人罪は刑法第240条で規定されており、有罪になると死刑又は無期懲役が科されることになる、非常に罪の重い犯罪だといえます。
強盗罪
そもそも強盗罪とはどのような犯罪なのでしょうか。
刑法第236条1項
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。
大まかに説明すると、暴行や脅迫を用いてお金などを奪うと成立する犯罪です。
また、強盗罪が規定している暴行や脅迫は、一般の人が抵抗することが難しい程度のものだと言われています。
ですので、例えば、子供が折り紙で作った包丁を突きつけながら、「お金を渡さないと殺すぞ」と言った場合、抵抗することは容易でしょうから、強盗罪は成立しません。
では今回の事例では、強盗罪は成立するのでしょうか。
報道によると、容疑者らが被害者の家に侵入して金品を物色していたところ、帰宅した被害者を首を絞めて殺害し、キャッシュカードや預金通帳などを奪ったとされています。
首を絞める行為は暴行に当たりますし、首を絞めて殺害されれば抵抗はできないでしょう。
報道が事実であれば、抵抗ができないほどの暴行を用いてキャッシュカード等を奪っていますので、容疑者らに強盗罪が成立する可能性があります。
刑事事件の容疑をかけられたら
刑事事件では、軽はずみで行った行為が人生を左右してしまうことがあります。
強盗殺人罪の法定刑は死刑又は無期懲役と刑法の中でも1、2を争うような科される刑罰の重い犯罪ですし、強盗罪の法定刑は5年以上の有期懲役であり、有罪になれば必ず懲役刑が科されるわけですから強盗罪自体も科される罪の重い犯罪だといえます。
弁護士に相談をすることで、少しでも科される罪を軽くできる可能性がありますので、強盗罪などの刑事事件で現在捜査されている方は、弁護士に相談をすることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
刑事事件に精通した弁護士に相談をすることで、少しでもより良い結果を得られるかもしれません。
強盗罪などの刑事事件でお困りの方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回接見サービス、無料法律相談のご予約は、0120ー631ー881で受け付けております。
次回のコラムでは、強盗殺人罪が成立するのかについて解説していきます。
【事例紹介】10代女性が衣服の一部をつけていない姿を撮影したとして逮捕された事例
【事例紹介】10代女性が衣服の一部をつけていない姿を撮影したとして逮捕された事例
18歳に満たない者が衣服の一部をつけていない姿を撮影し、保存・記録したとして逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
滋賀県警草津署は16日、児童買春・児童ポルノ禁止法違反(製造)の疑いで、大津市、屋根工の男(48)を逮捕した。容疑者は、容疑の一部を否認しているという。
逮捕容疑は、(中略)知人関係にある県内の10代女性が18歳に満たない児童と知りながら、容疑者宅で、衣服の一部をつけていない姿をひそかにスマートフォンで撮影し、記録・保存して、児童ポルノを製造した疑い。
同署によると、容疑者は動画撮影は認める一方、「性的な目的は一切ありません」と話しているという。
(1月16日 京都新聞 「10代女性をひそかに撮影、児童ポルノ製造 容疑で48歳の男逮捕」より引用)
児童ポルノ
今回の事例では児童ポルノを製造したとされていますが、児童ポルノとはどのようなものを指すのでしょうか。
児童ポルノは、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下「児童ポルノ禁止法」といいます。)第2条3項で定義づけられており、以下のような児童の姿を撮影した写真や動画などを児童ポルノといいます。
・性交や性交に類似した行為をしている姿
・性器等を触られている姿や他人の性器等を触っている姿で性欲を興奮または刺激させるもの
・全裸であったり服を一部着ないでいる状態で性的な部位が露出または強調されており性欲を興奮させたり刺激するような姿
また、児童とは18歳未満に満たない者を指します。(児童ポルノ禁止法第2条1項)
ですので、18歳未満の者の上記のような姿が映された写真や動画は児童ポルノにあたる可能性があります。
今回の事例で製造したとされているものは児童ポルノにあたるでしょうか。
報道によると、18歳未満の者が衣服の一部をつけていない姿をスマートフォンで撮影し記録・保存したとされています。
児童が服を一部着ていない状態で性的な部分が露出していたり強調されていて性欲を興奮させたり刺激するような写真などは児童ポルノにあたりますので、容疑者が撮影したとされている写真が性的な部分が露出していたり強調されていて性欲を興奮、刺激させるようなものであれば、児童ポルノにあたる可能性があるといえます。
児童ポルノの製造
今回の事例では、容疑者が児童ポルノを製造したとされていますが何か罪に問われるのでしょうか。
児童ポルノ禁止法第7条
2項 児童ポルノを提供した者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。電気通信回線を通じて第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録を提供した者も、同様とする。
5項 前二項に規定するもののほか、ひそかに第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、第二項と同様とする。
児童ポルノ禁止法第7条5項では、ひそかに児童ポルノにあたる写真や動画などを製造することを禁止しています。
今回の事例では、18歳未満の者が衣服の一部をつけていない姿をひそかにスマートフォンで撮影し、記録・保存したとされています。
実際に容疑者がそのような18歳未満の上記のような姿を撮影し、その写真が児童ポルノにあたるのであれば、児童ポルノを製造したとして児童ポルノ禁止法違反の罪に問われる可能性があります。
児童ポルノの製造と示談
刑事事件では示談の締結が、不起訴処分や執行猶予付き判決の獲得につながると聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
実際に、刑事事件では、示談を締結することで有利な事情として考慮される可能性があります。
今回の事例のようなケースでは、被害者は未成年ですから、被害者の保護者と示談を締結することになると思われます。
ですが、保護者との間で示談を締結する場合には処罰感情が苛烈であることが予想され、示談交渉が難航してしまう可能性があります。
また、加害者自らが示談交渉を行う場合には、加害者とは話すことすらしたくないと思われる方もいらっしゃいますので、示談交渉はおろか連絡さえ取れないこともあります。
弁護士を介して示談交渉を行うことで、話を聞いてもらえる可能性やトラブルを回避できる可能性がありますので、示談交渉を行う際は弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
児童ポルノ禁止法違反などでお困りの方は、お気軽にご相談ください。
【事例紹介】ドラッグストアで化粧品など17点を万引きした事例
【事例紹介】ドラッグストアで化粧品など17点を万引きした事例
滋賀県長浜市にあるドラッグストアで化粧品など17点を万引きしたとして、窃盗罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
滋賀県警長浜署は7日、窃盗の疑いで、滋賀県長浜市、同市会計年度任用職員の女(53)を逮捕した。
逮捕容疑は(中略)市内のドラッグストアで化粧品など17点(計約1万1000円相当)を盗んだ疑い。容疑を認めているという。
(後略)
(2月7日 京都新聞 「ドラッグストアで化粧品など11000円相当盗んだ疑い 市職員の女を逮捕」より引用)
万引きは何罪?
お店で買い物をしていると、「万引きは犯罪です。」などの張り紙を目にする機会があると思います。
万引きをした場合、どのような犯罪が成立するのでしょうか。
結論から言うと、万引きをした場合、窃盗罪が成立する可能性が高いです。
窃盗罪は、刑法第235条で「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」と規定されています。
簡単に説明すると、窃盗罪は、持ち主の許可を得ずに自分や他人の物にしたら成立する犯罪です。
万引きに当てはめて考えてみると、万引きはお店の商品をお金を支払わずに手に入れるわけですから、お店の持ち物である商品をお店の許可なく自分の物にしているといえますので、窃盗罪が成立すると考えられます。
今回の事例では、容疑者はドラッグストアで化粧品など17点を盗んだとされています。
今回の事例は典型的な万引きの事例だと思われますので、実際に容疑者がお金を払わずに化粧品を盗んだのであれば、窃盗罪が成立する可能性が高いです。
常習性や転売目的
今回の事例では、化粧品など17点(計約1万1000円相当)を万引きしたとされています。
万引きしたとされている商品が17点と非常に多く、被害額は1万円を超えていますので、万引きの事例としてはかなり高額な部類にあたると思われます。
かなり大胆な犯行のように思われますので、他にも余罪があるのではないかと疑われることもあるかもしれません。
仮に、繰り返し万引き行為を行っていたと認められた場合には、悪質であると判断され、重い刑罰を科されてしまう可能性があります。
また、万引きしたとされる商品の点数が多い場合などには、転売目的で万引きをしたではないかと疑われる可能性もあります。
転売目的での万引きの場合には、万引きで商品を手に入れたうえでさらにお金を得ることになりますし、自分で消費する分を超えて万引きすることで被害が拡大することにつながりますので、より悪質性が高いと判断される傾向にあります。
繰り返しになりますが、悪質性が高いと判断されることが、より重い刑罰を科されることにつながる可能性もありますので、転売目的の万引きを疑われている際には注意が必要です。
万引きと不起訴処分
不起訴処分とは、起訴しない処分のことを指します。
刑事事件では、起訴をしないと刑罰を科すことができません。
ですので、不起訴処分を獲得することができれば、刑罰が科されることはありません。
何か犯罪行為にあたることをしてしまったときに気になることとして、前科が付くかどうかを気にされる方も多いのではないでしょうか。
懲役刑だけでなく罰金刑でも前科は付きますので、窃盗罪で有罪になった場合には前科が付いてしまうことになります。
また、執行猶予についても、あくまで刑の執行が猶予されているにすぎませんから、執行猶予付き判決を獲得できたとしても、前科が付くことになります。
一方で、不起訴処分については刑罰が科されないわけですから、前科にはなりません。
刑事事件では、被害者と示談を締結していることが有利に働く場合があります。
ですので、万引き事件でも、相手側と示談を締結することで、不起訴処分の獲得などより良い結果につながる可能性があります。
ただ、万引き事件では、お店の責任者と示談を締結することになるのですが、お店側の方針などで示談を断られてしまうケースが多々あります。
一度、示談を断られてしまっても、弁護士が間に入ることで、示談に応じてもらえるケースもありますので、万引き事件で示談を考えている方は弁護士に相談をしてみることをおすすめします。
また、弁護士は検察官に処分交渉をすることができます。
弁護士が検察官に不起訴処分を求めて交渉を行うことで、不起訴処分を獲得できる場合もありますので、万引き事件でお困りの方は、一度、弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料法律相談を行っています。
無料法律相談のご予約は、0120ー631ー881で24時間365日受け付けておりますので、お気軽にお電話ください。
【事例紹介】無免許で車を運転して同乗者にけがを負わせ、徒歩で逃走した事例
【事例紹介】無免許で車を運転して同乗者にけがを負わせ、徒歩で逃走した事例
無免許で車を運転し、同乗者にけがを負わせ徒歩で逃走したとして、無免許過失運転致傷罪、道路交通法違反の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
滋賀県警甲賀署は2日、自動車運転処罰法違反(無免許過失傷害)と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで、甲賀市水口町の無職の男(33)を逮捕した。
逮捕容疑は、(中略)乗用車を無免許で運転中、対向から右折してきた男性(75)のトラックに衝突、自身の車の助手席に同乗していた知人男性(55)に肝臓破裂など全治約2カ月のけがを負わせ、現場から徒歩で逃げた疑い。
(2月2日 京都新聞 「無免許運転で事故、助手席の知人が肝臓破裂なのに徒歩で逃走 容疑の運転手男逮捕」より引用)
無免許と過失運転致傷罪
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下、「自動車運転処罰法」といいます。)第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
過失運転致傷罪は、簡単に説明すると、車を運転するうえで必要な注意をせずに人にけがを負わせてしまった場合に成立します。
今回の事例では、右折してきたトラックに気づかずに追突し、同乗していた男性に肝臓破裂などのけがを負わせたとされています。
実際に容疑者がトラックに追突する事故を起こしており、その事故が周囲に注意していれば防げるような事故であったのであれば、過失運転致傷罪が成立する可能性があります。
また、自動車運転処罰法では無免許過失運転致傷罪を規定しています。
自動車運転処罰法第6条4項
前条の罪を犯した者が、その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは、十年以下の懲役に処する。
無免許過失運転致傷罪は、過失運転致傷罪が成立する行為を行った際に無免許運転だった場合に成立します。
無免許過失運転致傷罪の法定刑は10年以下の懲役であり、罰金刑の規定のある通常の過失運転致傷罪に比べて格段に科される罪が重くなっています。
今回の事例では、容疑者は無免許運転だと報道されていますので、無免許過失運転致傷罪が成立してしまうおそれがあります。
ひき逃げ
事故を起こした際の運転手の義務として、救護義務と報告義務があります。
救護義務は負傷者を救護する義務、報告義務は事故を起こしたことを最寄りの警察署に報告する義務をいいます。
これらの義務を行わないことをひき逃げといいます。
救護義務と報告義務は道路交通法第72条1項に規定されていますので、事故を起こした際に、負傷者の救護や警察への報告を行わなかった場合には、道路交通法違反が成立することになります。
ですので、ひき逃げはひき逃げ罪といった罪があるわけではなく、ひき逃げした際には道路交通法違反が成立します。
自分の運転が原因で事故を起こし、負傷者の救護を行わずに道路交通法違反で有罪になった場合には、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されます。(道路交通法第117条2項)
また、警察署へ事故の報告をせずに道路交通法違反で有罪になった場合には、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金が科されます。(道路交通法第119条1項17号)
今回の事例では、容疑者は事故を起こして同乗者にけがを負わせ、徒歩で逃走したとされています。
実際に、容疑者が同乗者の救護や警察署への事故の報告を行っていないのであれば、容疑者に道路交通法違反が成立する可能性があります。
ひき逃げと逮捕
逮捕されると72時間以内に勾留の判断が行われます。
勾留が決定した場合には、最長で20日間身体拘束を受けることになります。
弁護士は勾留が決定する前であれば、検察官や裁判官へ勾留請求に対する意見書を提出することができます。
勾留が決定してしまった後ではこの意見書を提出することはできませんから、早期釈放を目指す場合には、逮捕後72時間が勝負となります。
今回の事例のようにひき逃げ事件の場合には、一度事故現場から逃走しているわけですから、逃亡のおそれがあるとして勾留が決定してしまう可能性が高いです。
裁判所は犯罪を犯したと疑うのに足りる相当な理由があり、定まった住所がなかったり、逃亡や証拠隠滅のおそれがあるときには、容疑者を勾留することができます。(刑事訴訟法第60条1項)
ですので、ひき逃げ事件では逃亡のおそれがあると判断される可能性が高く、勾留されてしまう可能性が高いのです。
とはいえ、ひき逃げをしたからといって、必ずしも勾留が決定してしまうわけではありません。
勾留によって多大な不利益を被ってしまうことや、家族の監視監督によって逃亡のおそれがないことを検察官や裁判官に主張することで、勾留されることなく釈放してもらえる可能性があります。
ですので、ご家族が逮捕された場合には、早い段階で弁護士に相談をすることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービスを行っています。
弁護士に相談をすることで早期釈放を実現できる可能性があります。
ご家族が逮捕された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
大津市内にあるスーパーで500円分の食料品を万引きした事例
大津市内にあるスーパーで500円分の食料品を万引きした事例
滋賀県大津市にあるスーパーで500円分の食料品を万引きし、窃盗罪の容疑で捜査を受けている事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
Aさんは滋賀県大津市にあるスーパーで500円分の食料品を万引きしました。
Aさんの万引きの様子を見ていたスーパーの店員が滋賀県大津北警察署に通報し、Aさんは窃盗罪の疑いで捜査を受けることになりました。
実はAさんは過去に万引きを繰り替えしており、窃盗罪の前科がありました。
(事例はフィクションです。)
万引きと窃盗罪
刑法第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
窃盗罪は、簡単に説明すると、人の物をその人の許可なく自分や他人の物にすると成立する犯罪です。
万引きはお店の商品を代金を支払わずに盗る行為をいいます。
お店の商品はお店の物ですし、代金を支払わずに盗るということは、お店の許可を得ずに自分の物にしていると考えられます。
ですので、万引きをした場合には窃盗罪が成立します。
今回の事例でもAさんはスーパーの商品を万引きしたようですので、窃盗罪が成立する可能性が高いでしょう。
万引きは罪になるの?
万引きをすると窃盗罪が成立する以上、万引きでも罪に問われる可能性が非常に高いです。
窃盗罪の法定刑が10年以下の懲役又は50万円以下の罰金ですので、万引きをして窃盗罪で有罪になってしまった場合に懲役刑が科される可能性は十分にあります。
とはいえ、万引きでは懲役刑を科されないと思っている方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、数百円程度の万引きであっても、前科の有無などによっては懲役刑が科される可能性があります。
実際に432円分の商品を万引きし、懲役1年2か月の実刑判決が下された事例をご紹介します。
百円ショップで400円ほどの万引きをしたとして窃盗罪に問われた女(37)に、名古屋地裁(吉井隆平裁判長)は29日、懲役1年2カ月(求刑懲役1年6カ月)の実刑判決を言い渡した。(中略)
判決によると、被告の女は2018年1月25日午後1時ごろ、名古屋市中区の店舗で、食品4点(販売価格計432円)を万引きした。これまで窃盗罪で3回の懲役刑を受けて2度服役し、事件の5カ月前に仮出所したばかりだった。(後略)
(2019年8月29日 朝日新聞デジタル 「432円の万引き、勾留19カ月 訴訟能力争い長期化」より引用)
被告の女性は窃盗罪で懲役刑を3回受けて、2度刑務所で服役していたようで、仮出所後に万引き事件を起こしたそうです。
この事例では、432円の万引きですが、実刑判決が下されています。
今回の事例のAさんと被告女性の事例では事件の内容などが異なりますが、Aさんにも窃盗罪の前科があることから、被告女性の事例のように執行猶予が付かず実刑判決が下されてしまう可能性も考えられます。
万引きとクレプトマニア
何度も万引きを繰り返してしまったり、自分の意思では万引きをやめられない場合は、クレプトマニアの可能性があります。
クレプトマニアは別名、窃盗症とも呼ばれる病気です。
ですが、病気だからといって罰せられないかというと、そうではありません。
クレプトマニアであっても、窃盗罪で有罪になってしまう可能性は十分に考えられます。
万引きと執行猶予
繰り返しになりますが、窃盗罪が懲役刑を規定している以上、万引きをして窃盗罪で有罪になった場合に懲役刑が科されてしまう可能性があります。
懲役刑は、刑務所で刑務作業に従事しなければならないわけですから、会社に出勤できず解雇になってしまうおそれも考えられます。
今回の事例のAさんは窃盗罪の前科があるとのことですので、裁判の結果有罪になり懲役刑が科されるかもしれません。
懲役刑が下されてしまうと必ず刑務所に行かなければならないのでしょうか。
実は、懲役刑を下されたとしても執行猶予付き判決を得られれば、刑務所に行かなくて済む場合があります。
執行猶予付き判決を獲得するためには、執行猶予付き判決獲得に向けた弁護活動が重要になってきます。
例えば、被害店舗への損害賠償や被害店舗との示談締結、再犯防止に向けた活動などが挙げられます。
万引き事件では、お店の責任者と示談を締結することになります。
お店との間で示談を締結する場合には、お店の方針などから示談を断られてしまう可能性が非常に高いです。
一度損害賠償や示談を断られてしまった場合であっても、再度弁護士が交渉することで、被害弁償や示談を受けてもらえる可能性があります。
ですので、被害弁償や示談について困っている場合には、弁護士に相談をすることをおすすめします。
また、クレプトマニアが疑われる場合には、裁判などで回復に向けて専門家の治療を受けているなどの再犯防止策を講じていることを主張することが非常に重要になってきます。
刑事事件の弁護経験が豊富な弁護士が裁判官に訴えることで、主張が認められ、執行猶予付き判決を獲得できるかもしれません。
万引きは身近な犯罪であることから軽視されがちですが、場合によっては数百円の万引きでも実刑判決を下される可能性があることから、万引きは決して科される刑罰の軽い犯罪だとはいえません。
ですので、万引きで捜査を受けた場合には、楽観視せずに弁護士に相談をすることが望ましいといえます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料法律相談を行っています。
万引きで捜査を受けている方は、お早めに、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
【事例紹介】投資グループや知り合った女性から投資を持ち掛けられ1000万円を超える詐欺被害
投資グループに投資を持ち掛けられ1000万円を入金し、知り合った人物に投資資金として約460万円を入金し、計訳1460万円をだまし取られたとされる事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
滋賀県警草津署は24日、滋賀県草津市の会社員男性(52)が投資話を持ちかけられ、現金計約1460万円をだまし取られたと発表した。詐欺事件として捜査している。
草津署によると、(中略)有名投資家の投資指南サイトにアクセスしたところ、メッセンジャーアプリの投資グループに招待されて投資話を持ちかけられ、(中略)4回にわたって計1千万円を入金した。
また(中略)台湾人女性を名乗る人物と知り合い、メッセンジャーアプリで暗号資産による投資話を持ちかけられ、(中略)5回にわたって計約460万円を入金したという。
(1月29日 京都新聞 「「有名投資家の指南サイトから招待されて」 投資話で1460万円詐欺被害」より引用)
詐欺罪
刑法第246条1項
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
詐欺罪は簡単に説明すると、人に重大なうそをつき、うそを信じた相手からお金などを受け取ると成立する犯罪です。
重大なうそとは、お金などの財物を渡すかどうかを判断する際に重要な判断材料となる部分についてのうそを指します。
ですので、判断には影響しない部分についてうそをついた場合には詐欺罪は成立しませんし、うそだと知ったうえでお金などの財物を渡した場合にも詐欺罪は成立しません。
今回の事例では、投資グループに招待され、その投資グループで投資話を持ちかけられ計1千万円を入金したようです。
被害者は投資名目で1千万円を入金したのでしょうから、投資がうそだと知っていれば入金はしなかったでしょう。
ですので、実際に被害者が入金した投資グループが入金されたお金で投資をしていなかったのであれば、投資グループに詐欺罪が成立する可能性があります。
また、台湾人女性を名乗る人物も同様に、投資が適正に行われないと知っていれば460万円を入金することはなかったでしょうから、実際に投資が行われていない場合には、台湾人女性を名乗る人物に詐欺罪が成立するおそれがあります。
詐欺罪と有罪
詐欺罪の法定刑は、10年以下の懲役です。
詐欺罪に罰金刑の規定はありませんので、詐欺罪で有罪になった場合には、必ず懲役刑が科されることになります。
懲役刑とは、刑務所に収容されて刑務作業に従事しなければならない刑罰です。
ですので、懲役刑が科された場合には、刑務所に行かなければならないことになります。
では、有罪になってしまうと必ず刑務所に行くことになってしまうのでしょうか。
結論から言うと、詐欺罪で有罪になった場合でも刑務所に行かなくて済む場合があります。
刑法では、前科のない者などが、3年以下の懲役や禁錮、50万円以下の罰金の言い渡しをされたときに情状により刑の執行が猶予される場合があります。(刑法第25条)
刑の執行が猶予される判決を執行猶予付き判決といい、執行猶予付き判決を得られた際には、猶予期間中に犯罪を犯すなど、猶予が取り消しにならなければ刑務所に行かずに済むことになります。
執行猶予付き判決を得るためにはどうしたらいいのでしょうか。
執行猶予付き判決の獲得を目指す手段の一つとして、被害者との示談締結が挙げられます。
示談交渉を行う場合は、被害者の連絡先を知っている必要があります。
ですので、被害者の連絡先を警察官や検察官を通じて連絡先を教えてもらうことになります。
しかし、加害者自らが示談交渉を行う場合には、被害者保護や証拠隠滅防止の観点から、連絡先を教えてもらえない可能性があります。
弁護士であれば連絡先を教えてもらえる場合がありますので、示談交渉は弁護士を通じて行うことが望ましいといえます。
また、被害者の連絡先を知っている場合でも、安易に被害者と連絡を取ることで、証拠隠滅を疑われてしまう可能性があります。
そういった事態を防ぐためにも、示談交渉は弁護士に任せることが望ましいでしょう。
加えて、示談締結のほかにも不利な内容の供述調書の作成を防ぐことも重要です。
刑事事件では、取調べの際に供述調書が作成されます。
作成された供述調書は裁判で証拠として使用されますので、意に反した内容の供述調書が作成されることで、不利な状況に陥ってしまう可能性があります。
そういった事態を避けるためにも、事前に何を話すべきかを考えておくことが重要になります。
取調べ前に、弁護士と取調べの打ち合わせを行うことで、不利な内容の供述調書の作成を防げる可能性があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料法律相談を行っています。
刑事事件に精通した弁護士に相談をすることで、執行猶予付き判決を獲得できる可能性があります。
詐欺罪で捜査を受けた方、ご不安な方は、お気軽に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
【事例紹介】金づちで頭を殴り軽傷を負わせ、殺人未遂罪で逮捕
金づちで警察官の頭を殴り軽傷を負わせたとして、殺人未遂罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
警察官の頭を金づちで殴ったとして滋賀県警草津署は(中略)公務執行妨害と殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。調べに黙秘しているという。
(中略)滋賀県草津市木川町の路上で自転車に乗ろうとしていた男に同署地域課の男性巡査部長(50)が職務質問したところ、男は逃げようとし、進路をふさがれると金づちで巡査部長の左側頭部を殴ったという。巡査部長は軽傷。
(2023年12月25日 「金づちで警官の頭を殴った疑いで60歳男逮捕…自転車に乗ろうとして職務質問される」より引用)
殺人未遂罪
刑法第199条
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。
殺人罪は簡単に説明すると、殺す意図をもって人を殺した場合に成立します。
また、殺人罪は未遂も罰せられますので(刑法第203条)、死亡しなかった場合には殺人未遂罪が成立することになります。
今回の事例では、容疑者は警察官の頭を金づちで殴ったとされています。
この警察官は軽傷のようなのですが、こういった場合には殺人未遂罪は成立するのでしょうか。
結論から言うと、報道が事実なのであれば、殺人未遂罪が成立する可能性があります。
大まかに説明すると殺人未遂罪は、殺そうと思って相手に危害を加え、その結果死に至らなかった場合に成立します。
ですので、相手が軽傷であっても上記の要件を満たしていれば殺人未遂罪が成立する可能性は十分にあります。
では今回の事例ではどうでしょうか。
報道によると容疑者は金づちで頭を殴ったとされています。
頭部には脳がありますから、頭部に衝撃を加えると死に至る可能性があります。
また、金づちで殴ると相当な衝撃を相手に与えるでしょうから、金づちで人の頭を殴ることで死んでしまう可能性があることは容易に想像できるでしょう。
殺人罪や殺人未遂罪では、殺意があったかどうかは、加害者本人の供述や使用した凶器、危害を加えた箇所などから総合的に判断されます。
殺意を否認している場合でも、その行為によって人が死ぬことを容易に想像できるような場合には、殺人罪や殺人未遂罪が成立する場合があります。
金づちで頭を殴ると死ぬ可能性があることは想像できるでしょうから、実際に容疑者が金づちで警察官の頭を殴ったのであれば、容疑者に殺人未遂罪が成立してしまうかもしれません。
殺人未遂罪と量刑
刑法第43条
犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。
未遂罪の場合、未遂でない場合と比べて科される刑罰が軽くなる可能性があります。
ですが、軽くなる可能性があるといっても、殺人罪の法定刑は死刑又は無期若しくは五年以上の懲役ですので、有罪になれば懲役刑が科されることになるでしょうから、執行猶予付き判決を得ない限り刑務所に行くことになります。
殺人未遂罪と傷害罪
人にけがを負わせた場合に成立する犯罪として、傷害罪を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
刑法第204条
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
傷害罪は暴行を加え人にけがを負わせた場合に成立する犯罪です。
今回の事例では、容疑者が金づちで頭を殴ったとされています。
人を殴る行為は暴行にあたりますし、金づちで殴ったことでけがを負わせているようなので、実際に容疑者が金づちで頭を殴ったのであれば、傷害罪が成立する可能性も考えられるのですが、今回の事例では傷害罪は成立しないのでしょうか。
繰り返しになりますが、殺人罪、殺人未遂罪が成立するためには、人を殺そうとする意志が必要になってきます。
ですので、殺意が認められない場合には、殺人罪や殺人未遂罪は成立しないことになります。
ですので、今回の事例で殺意が認められない場合には、殺人未遂罪でなく傷害罪が成立する可能性があります。
傷害罪には罰金刑の規定がありますから、傷害罪は殺人罪や殺人未遂罪と比べて科される刑の軽い犯罪だといえます。
殺人未遂罪と傷害罪ではかなり科される刑罰が変わってくる可能性がありますから、殺人未遂罪を疑われている場合には、場合によっては傷害罪の成立を目指した弁護活動が必要になってくる可能性があります。
傷害罪の成立を目指すうえで取調べ対応が重要になります。
証拠というと、今回の事例の金づちのような、犯行で使われた凶器を思い浮かべる方が多いと思います。
金づちなどの凶器ももちろん証拠にあたるのですが、本人や被害者、目撃者などの話した内容も証拠となります。
取調べでは、供述調書というものが作成されます。
この供述調書は裁判で使用される重要な証拠となります。
供述調書は取調べで話した内容を基に作成されますので、不利な証拠の作成を防ぐためには、取調べで自分の不利になるようなことを離さないことが極めて重要になります。
ですが、警察官や検察官は、自分たちが思い浮かべたとおりの筋書きになるように、話す内容を誘導してくることがあります。
例えば、殺人未遂罪の容疑をかけられている場合には、「殺すつもりがあった」というような殺意を認める内容を話すように誘導されるおそれがあります。
一度供述調書が作成されてしまうと、内容を訂正することは容易ではありませんから、事前に取調べで話す内容などをあらかじめ考えておくことが重要です。
とはいえ、どういった内容を話せばいいのかわからない方がほとんどでしょうし、わからないことだらけで不安な方も多いと思います。
ですので、取調べで困っている場合には、弁護士に相談をすることをおすすめします。
弁護士であれば法律の観点から、積極的に話した方が良い内容やそうでない内容の検討がつきますし、取調べに対してアドバイスを行うことができます。
後に窮地に陥るような事態にならないためにも、取調べ前に弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件に精通した法律事務所です。
刑事事件の豊富な弁護経験をもつ弁護士に相談をすることで、望んだ結果を得られる可能性があります。
殺人未遂罪など、刑事事件でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
刑事事件では示談をするといいってホント?
刑事事件では示談を成立することで不起訴処分や執行猶予付き判決を獲得できると聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本当に示談を締結することで、不起訴処分や執行猶予付き判決を獲得できるのでしょうか。
今回のコラムでは、示談の締結について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
刑事事件と示談
実際に刑事事件では、被害者と示談を締結することで、不起訴処分や執行猶予付き判決を獲得できる可能性があります。
不起訴処分とは、その名の通り、起訴をしない処分のことで、嫌疑が不十分な場合や被害者が処罰を求めていない場合、悪質性が低い場合などでは、不起訴処分を下される可能性があります。
不起訴処分では、起訴されませんから、刑事罰は科されません。
ですので、前科もつくことはありません。
執行猶予とは、刑事罰を科すことを猶予することを指します。
例えば、懲役3年執行猶予5年の判決が出た場合には、猶予期間である5年間で犯罪を起こさなければ、懲役刑を受ける必要はありません。
執行猶予付き判決の場合は、有罪判決が下されたことになりますので、不起訴処分とは異なり、前科として扱われます。
示談を締結することで、上記のような不起訴処分や執行猶予付き判決を必ず獲得できるわけではありませんが、処分を判断する際や、判決の際に有利な事情として考慮される可能性が高いです。
ですので、被害者がいるような刑事事件では、示談締結も視野に入れて行動することが望ましいといえます。
加害者による示談交渉
示談を締結する際には、被害者と示談交渉を行わなければなりません。
示談交渉を行うためには被害者の連絡先を知っている必要があります。
ですので、加害者と被害者が知り合いでない場合には、連絡先を教えてもらうところから始めることになります。
連絡先は警察や検察を通じて教えてもらうことになるかと思いますが、被害者保護や証拠隠滅の観点から教えてもらえない可能性や加害者に個人情報を知られたくないという被害者の気持ちから連絡をとることを拒絶される可能性があります。
また、連絡先を教えてもらえた場合でも、加害者本人が連絡を取ることで、被害感情を逆なでしてしまったり、思わぬトラブルに発展してしまう可能性もあります。
ですので、加害者本人が被害者と直接示談交渉を行うことは不可能ではありませんが、上記のような事態を避けるためにも、弁護士を介して行うことをお勧めします。
弁護活動と示談交渉
加害者本人に連絡先などの個人情報を教えることはしたくないが、弁護士であれば連絡先を教えてもいいと思われる被害者も少なくありません。
また、一度、示談交渉を断られていても、再度、弁護士がコンタクトをとることで、示談交渉に応じてもらえる場合もあります。
ですので、示談を考えている際は、弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。
加えて、弁護士が示談交渉を行う場合には、示談書面も弁護士が作成します。
どのような示談書面を作成すればいいのかわからない方もいらっしゃるかと思いますので、被害者の連絡先を知っている場合や連絡先を教えてもらえた場合にも、弁護士を入れて示談締結を目指すことをお勧めします。
弁護士と刑事事件
刑事事件では、示談締結だけでなく、取調べ対応なども重要になってきます。
例えば、取調べでの供述を基に作成される供述調書は裁判で証拠として扱われたり、起訴・不起訴の判断をする際の判断材料にもなります。
ですので、不起訴処分や執行猶予付き判決の獲得を目指すうえで、意に反した供述調書の作成を防ぐことが重要になります。
取調べでは、警察官や検察官の意に沿った供述調書ができるように供述を誘導される可能性があります。
誘導されるがまま供述を行うことで、事実とは異なった内容の供述調書が作成されてしまい、不利な状況に陥ってしまうことが考えられます。
落ち着いて取調べをうけることで供述の誘導にのせられることを防げる可能性があります。
ただ、取調べではどうしても緊張してしまうでしょうから、落ち着いた精神状態で取調べを受けることが難しいかもしれません。
事前に弁護士と供述する内容とそうでない内容を話し合っておくことで、少しでも取調べの際の不安を和らげられる可能性があります。
弁護士は取調べの際に聞かれるであろう内容をある程度予想できますので、万全な状態で取調べに挑むためにも、事前に弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件に精通した法律事務所です。
弁護士による示談交渉や取調べ対応などの弁護活動により、不起訴処分や執行猶予付き判決を獲得できるかもしれません。
示談をお考えの方や取調べに不安を抱いている方は、お気軽に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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