Archive for the ‘未分類’ Category
彦根警察署管内の恐喝未遂事件
彦根警察署管内の恐喝未遂事件
彦根警察署管内の恐喝未遂事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
Aさんは,滋賀県彦根市内にあるコンビニエンスストアの店長をしていました。
ある日Aさんは,アルバイトの面接に来た女性のVさんのが更衣室に入ったところを.あらかじめ仕掛けてあったカメラで下着姿を盗撮しました。
そして後日,「盗撮画像を買わないとばらまく」と言って,画像の削除と引き換えに現金を要求しました。
Vさんは,Aさんからの連絡を受けてすぐに滋賀県彦根警察署に通報。
Aさんは,恐喝未遂罪の容疑で滋賀県彦根警察署の警察官に逮捕されました。
Aさんの両親は,Aさんが逮捕されたという連絡を受けたものの,警察官からは「女性に何かした」としか聞かされず,何の罪で逮捕されたのかさっぱり分からない状態でした。
そこで弁護士に相談し,逮捕されたAさんに会ってきてもらったところ,Aさんが上記の流れから恐喝未遂罪に問われていることを知ったのでした。
(フィクションです。)
~恐喝未遂罪~
人を恐喝して財物を交付させた者には,恐喝罪(249条1項)が成立し,10年以下の懲役が科せられます。
刑法249条
1項 人を恐喝して財物を交付させた者は,10年以下の懲役に処する。
2項 前項の方法により,財産上不法の利益を得,又は他人にこれを得させた者も,同項と同様とする。
恐喝罪における「恐喝」とは,暴行又は脅迫により被害者を畏怖させることをいいます。
この時,暴行又は脅迫は財物の交付に向けられたものであることが必要です。
つまり,単に暴行又は脅迫をしたのでは恐喝罪の「恐喝」とはならず,財物を引き渡させるために暴行又は脅迫が行われることが必要なのです。
さらに,この「恐喝」における暴行又は脅迫の程度は,被害者の反抗を抑圧する程度に至らないものであることが必要です。
暴行又は脅迫の程度が,被害者の反抗を抑圧する程度に至っている場合,恐喝罪ではなく,強盗罪が成立することになります。
そして,刑法249条2項にある通り,恐喝罪には未遂罪の規定があります。
ですから,財物の交付に向けられた暴行又は脅迫をした場合に,被害者が財物を交付しなかった場合などには,恐喝未遂罪が成立します。
今回の事例でAさんがVさんに言っている「下着姿の画像をばらまく」ということは,Vさんの名誉などを傷つける可能性のある行為であり,Vさんを畏怖させるに足りる脅迫といえます。
さらに,その脅迫によってAさんは現金を要求しているのですから,現金という財物の交付に向けられた脅迫,すなわち「恐喝」をしていると考えることができます。
しかし,Vさんは実際には現金をAさんに交付せず,通報によってAさんは現金を受け取ることなく逮捕されていますから,Aさんの行為は恐喝未遂罪となると考えられるのです。
~恐喝事件・恐喝未遂事件で逮捕されたら~
恐喝罪が成立し,弁護士に依頼せず示談をしなかった場合,初犯の場合であっても態様や被害金額によっては実刑となる場合も考えられます。
というのも,恐喝罪には罰金刑が存在していないため,恐喝罪で起訴されるということは,正式な裁判を受けるということになり,そこで執行猶予が付かなければ刑務所に行くことになるためです。
ですから,恐喝をしたことに争いがないのであれば,刑事事件に強い弁護士に依頼して示談するなど,実刑を回避するために動くべきです。
事実関係に争いがない恐喝事件の弁護を依頼された弁護士は,捜査機関を通じて被害者と連絡を取り,示談のために動くことになるでしょう。
被疑者・被告人が被害者の連絡先を知らない場合でも,弁護士であれば検察官に問い合わせて連絡先を取得できる可能性があります。
被害弁償や示談が成立すると,不起訴処分による前科回避の可能性が高まり,職場復帰や社会復帰を実現しやすくなります。
逮捕されてしまっているような場合であっても,示談の成立により,早期に釈放となる可能性もあります。
また,起訴された場合であっても,示談が成立すれば,執行猶予となり,刑務所に入らずに済む可能性が高まります。
今回の事例のように,家族が突然逮捕されてしまった場合,逮捕されたのは何の犯罪の容疑をかけられてのことなのか,どういった事件であったのかを,家族であっても詳しく教えてもらえないということはままあります。
さらには,逮捕されているのかどうかも教えてもらえない,ということもあります。
迅速に弁護活動を開始するためにも,ご家族が逮捕されてしまった際には,お早めに弁護士に相談しましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,逮捕されてしまった方向けの初回接見サービスをいつでも受け付けています(0120-631-881)。
サービスの流れも含め,専門スタッフがご案内いたしますので,まずはお問い合わせください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。
野良猫の虐待で動物愛護法違反
野良猫の虐待で動物愛護法違反となったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
◇野良猫を虐待して逮捕された事件◇
滋賀県守山市に住んでいる会社員のAさんは、近所にいる野良猫に腹が立ち、ボーガンで野良猫を打っていました。
近所の住民が、怪我をしていたり矢が刺さっていたりする野良猫を発見し、滋賀県守山警察署に通報したことをきっかけに、滋賀県守山警察署が野良猫の虐待事件として捜査を開始しました。
そして後日、捜査の結果、Aさんが野良猫虐待事件の犯人であると発覚し、Aさんは動物愛護法違反の容疑で滋賀県守山警察署に逮捕されることとなりました。
(※令和2年4月15日NHK NEWS WEB配信記事を基にしたフィクションです。)
◇野良猫の虐待行為は動物愛護法違反◇
Aさんは、野良猫に向かってボーガンを打つという虐待行為をしてしまったようですが、こういった行為は動物愛護法(正式名称:動物の愛護及び管理に関する法律)に違反する犯罪行為です。
動物愛護法第4条第1項
愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、2年以下の懲役又は200万円以下の罰金に処する。
ここで、「人がペットとして飼っているわけでもない野良猫なども『愛護動物』と言えるのか」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、動物愛護法では、その保護の対象となる「愛護動物」について、以下のように定義しています。
動物愛護法第4条第4項
前三項において「愛護動物」とは、次の各号に掲げる動物をいう。
第1号 牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる
第2号 前号に掲げるものを除くほか、人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬は虫類に属するもの
「前三項」には、先ほど掲載した動物愛護法第4条第1項のことを含んでいますから、つまり、「牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる」と、それ以外で「人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬は虫類に属するもの」を殺したり傷つけたりして虐待した場合、動物愛護法違反となるのです。
条文を見ていただければ分かるように、動物愛護法第4条第4項第1号で決められている「愛護動物」については、人が飼っているものかどうかの限定はされていません。
ですから、野良猫であっても動物愛護法の「愛護動物」ということになり、虐待すれば動物愛護法違反として処罰される可能性があるということになるのです。
◇飼い猫を虐待した場合は?◇
ここで、今回のAさんは野良猫を虐待して動物愛護法違反の容疑で逮捕されていますが、飼い猫を虐待したような場合はどうなるでしょうか。
自分で飼っている自分が所有している猫を虐待したような場合には、野良猫の場合同様、動物愛護法違反となると考えられますが、他人の飼い猫を虐待したような場合には、別の犯罪の成立も考えられます。
それが刑法の器物損壊罪です。
刑法第261条
前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。
ペットを「物」と考えることに違和感をもつ方もいるとは思いますが、法律上、ペットは財産・物として扱われます。
そのペットを傷害するということは、「他人の物を…傷害した」と判断され、器物損壊罪となりえるのです。
◇動物愛護法違反事件と弁護活動◇
動物愛護法違反事件では、謝罪・弁償して示談を締結する相手がいません。
そのため、示談締結によって処分の軽減や逮捕・勾留からの釈放を目指すことは難しいといえます。
ですから、例えば動物保護団体への贖罪寄付や、再犯防止のための環境づくりなどを被疑者・被告人本人だけでなく、その周囲の人たちと協力しておこなっていき、それを適切に捜査機関や裁判所に訴えていくことで、処分の軽減や釈放を目指していくことになるでしょう。
◇動物愛護法違反事件に強い弁護士◇
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、こうした動物愛護法違反事件でも、逮捕直後から処分が決まるまで刑事事件専門の弁護士が一貫してフルサポートいたします。
滋賀県の刑事事件にお困りの際は、まずは一度、弊所弁護士までご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。
自宅に放火して逮捕③(放火罪の既遂について)
自宅に放火して逮捕された事件を参考に、放火罪の既遂時期について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
◇自宅に放火した事件◇
滋賀県草津市に住んでいるAさんは、何もかもが嫌になり、死んでしまいたいと考えるようになりました。
その結果、Aさんは、自分の住んでいるマンションの一室に放火しました。
火は燃え広がってAさんの部屋は全焼することになったものの、マンションの他の住民が早期に通報したことで、Aさんを含め死傷者を出すことなく鎮火しました。
そして、Aさんは滋賀県草津警察署に現住建造物等放火罪の容疑で逮捕されることとなりました。
遠方に住んでいたAさんの親類は、報道によってAさんの起こした放火事件とその逮捕を知りました。
驚いたAさんの親類は、インターネットで刑事事件について調べ、とにかく弁護士に面会に行ってもらった方がよいと判断し、滋賀県の刑事事件に対応している弁護士の所属する法律事務所に連絡を取ってみることにしました。
(※フィクションです。)
◇放火罪の既遂時期◇
前回までの記事で、放火罪の種類と自宅への放火で成立しうる放火罪の検討を行いました。
そこで本日は、放火罪の既遂時期について解説します。
現住建造物等放火罪の条文にもあるとおり、実は放火罪の既遂となるには、単に「放火をした(火をつけた)」というだけでは不十分です。
現住建造物等放火罪や非現住建造物等放火罪、建造物等以外放火罪の成立には、いずれも放火したものを「焼損」したということも必要とされています(建造物等以外放火の場合はこれに加えて公共の危険を発生させることも求められます。)。
では、「焼損」とはどういったことを指すかというと、「火が媒介物を離れ目的物に移り、独立して燃焼作用を継続しうる状態に達した時点を『焼損』とする」と考えられています(最判昭和23.11.2)。
ですから、今回のAさんのように、マンションの一室を全焼させているような場合には「焼損」に至っているといえることは間違いありませんが、部屋の一部だけを焼損した場合も、現住建造物等放火罪が成立すると考えられます。
しかし、窓際のカーテンが燃えただけの場合など、建造物そのものが「焼損」に至っていないような場合には、放火の未遂罪となったり、状況によっては器物損壊罪にとどまったりすることが考えられます。
この判断にも、法律の専門知識が必要とされますから、放火罪が成立するのかどうか、放火したと思っていたのに別の犯罪の容疑がかかって疑問だ、といった場合には弁護士に相談して詳細を聞いてみることが望ましいでしょう。
◇放火事件の弁護活動◇
法定刑を見ていただければ分かるとおり、日本において放火は非常に重い犯罪です。
現住建造物等放火罪にいたっては、死刑や無期懲役といった刑罰も考えられます。
そのため、放火事件では逮捕・勾留によって逃亡や証拠隠滅を防いだ上で捜査されることも多いです。
ですから、弁護士の活動としては、釈放を求める活動をしていくことも考えられるでしょう。
そして、前回までの記事で取り上げたとおり、放火事件ではどの放火罪が成立するのかによって受ける刑罰の重さが大きく異なります。
容疑をかけられている放火罪の内容に間違いがない場合ももちろん取調べへの対応に気を付けなければなりませんが、容疑をかけられている放火罪の内容と自分の認識している事件の内容が異なる場合には、特に注意が必要です。
取調べの初期から自分の認識をきちんと話し、意図しない自白をしないようにするためには、被疑者の権利や刑事事件の手続きの流れ、容疑をかけられている犯罪や自分の認識について把握しておかなければなりません。
そのためには、弁護士とこまめに打ち合わせを行ったり、取調べへのアドバイスをもらったりすることが有効です。
こうした細かいフォローも弁護士の重要な活動の1つとなるでしょう。
~裁判員裁判の対象になる場合も~
さらに、現住建造物等放火罪の場合、死刑・無期懲役の刑罰が定められていることから、裁判が通常の裁判ではなく裁判員裁判という特殊な裁判の形となります。
裁判員裁判は特有の手続きや進行があるため、現住建造物等放火罪で起訴される可能性がある場合には、裁判員裁判にも対応できる刑事事件に強い弁護士のサポートが望まれます。
◇放火事件に強い弁護士◇
放火の罪で警察等の捜査を受けておられる方、ご家族、ご友人が放火の罪で警察に逮捕されてしまった方は、一刻も早く、刑事事件に強い弁護士にご相談することをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、こうした放火事件のご相談・ご依頼も刑事事件専門の弁護士がフルサポートすることをお約束いたします。
放火事件に強い弁護士をお探しの方は、今すぐフリーダイヤル0120-631-881(24時間受付け中)にお問い合わせください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。
自宅に放火して逮捕②(適用法令を検討)
自宅に放火して逮捕された事件に対して適用される法令について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
◇自宅に放火した事件◇
滋賀県草津市に住んでいるAさんは、何もかもが嫌になり、死んでしまいたいと考えるようになりました。
その結果、Aさんは、自分の住んでいるマンションの一室に放火しました。
火は燃え広がってAさんの部屋は全焼することになったものの、マンションの他の住民が早期に通報したことで、Aさんを含め死傷者を出すことなく鎮火しました。
そして、Aさんは滋賀県草津警察署に現住建造物等放火罪の容疑で逮捕されることとなりました。
遠方に住んでいたAさんの親類は、報道によってAさんの起こした放火事件とその逮捕を知りました。
驚いたAさんの親類は、インターネットで刑事事件について調べ、とにかく弁護士に面会に行ってもらった方がよいと判断し、滋賀県の刑事事件に対応している弁護士の所属する法律事務所に連絡を取ってみることにしました。
(※フィクションです。)
◇建造物に対する放火◇
前回の記事で確認したとおり、放火罪には3つの種類があります。
では、自宅への放火事件の場合、どの放火罪が成立することになるのでしょうか。
放火の対象となる自宅は建造物となるでしょうから、建造物への放火に関連している放火罪を見ながら検討していきましょう。
建造物に対する放火の罪は以下のとおりです。
刑法第108条(現住建造物等放火罪)
放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。
刑法第109条(非現住建造物等放火罪)
第1項 放火して、現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物、艦船又は鉱坑を焼損した者は、2年以上の有期懲役に処する。
第2項 前項の物が自己の所有に係るときは、6月以上7年以下の懲役に処する。
ただし、公共の危険を生じなかったときは、罰しない。
◇現住建造物等放火罪が適用されるケース◇
まさにAさんの事件がこれに該当します。
仮にAさんの家が一軒家で、Aさんしか居住していなかった場合については、後述しますが、Aさんの自宅はマンションの一室です。
マンションは、一棟に複数世帯が居住しているので、マンション全体が一つの建造物と考えられます。
つまり現住建造物等放火罪でいうところの、「現に人が住居に使用」に該当することは間違いありませんし、「現に人がいる」に該当する可能性も非常に高いでしょう。
◇非現住建造物等放火罪が適用されるケース◇
現住建造物等放火罪の「現に人が…」という部分の「人」には放火した犯人自身は含まないと考えられています。
ですから、もしも自宅への放火であったとしても、放火した犯人が1人暮らしする一軒家であり、そこに他の人がいなければ現住建造物等放火罪とはならず、非現住建造物等放火罪となる可能性が出てくるのです。
またマンション等の集合住宅であっても、その建物内の他の部屋が全て空き部屋で誰も住んでおらず、建物内に誰もいなかった場合は非現住建造物等放火罪が適用されることとなります。
◇放火の罪に問われない場合も・・・◇
非現住建造物等放火罪が適用されるケースについて解説しましたが、非現住建造物等放火罪は、放火した建造物が自己所有で、かつ公共の危険が発生していなければ刑事罰の対象となりません。
つまり、自分が所有する一軒家に、自分一人しか居ない時に放火し、更にその火事によって公共の危険が生じなかった場合は刑事罰を免れるのです。
ただし、刑法第115条は以下の内容を規定しています
刑法第115条
第109条第1項及び第110条第1項に規定する物が自己の所有に係るものであっても、差押えを受け、物権を負担し、賃貸し、配偶者居住権が設定され、又は保険に付したものである場合において、これを焼損したときは、他人の物を焼損した者の例による。
つまり、ローンが残っていたり火災保険に入っていたりしている自己所有の建造物に放火した場合は、他人所有の建造物に放火した時と同じ刑事罰が科せられることとなるので注意が必要です。
このように、自宅への放火事件でも
・自宅が現住建造物に該当するか否か
・自宅の所有者が誰なのか
・自宅の状況(刑法第115条に該当するか否か)
・火災によって公共の危険が生じたか否か
によって適用される法律が異なってくるのです。
こうした判断を法律知識のない状態で行うことは非常に難しいため、放火の罪で警察等の捜査を受けておられる方、ご家族、ご友人が放火の罪で警察に逮捕されてしまった方は、一刻も早く、刑事事件に強い弁護士にご相談することをお勧めします。
放火事件に関するお問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)までお気軽にお電話ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。
自宅に放火して逮捕①(放火罪について)
自宅に放火して逮捕された事件を参考に、放火罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
◇自宅に放火した事件◇
滋賀県草津市に住んでいるAさんは、何もかもが嫌になり、死んでしまいたいと考えるようになりました。
その結果、Aさんは、自分の住んでいるマンションの一室に放火しました。
火は燃え広がってAさんの部屋は全焼することになったものの、マンションの他の住民が早期に通報したことで、Aさんを含め死傷者を出すことなく鎮火しました。
そして、Aさんは滋賀県草津警察署に現住建造物等放火罪の容疑で逮捕されることとなりました。
遠方に住んでいたAさんの親類は、報道によってAさんの起こした放火事件とその逮捕を知りました。
驚いたAさんの親類は、インターネットで刑事事件について調べ、とにかく弁護士に面会に行ってもらった方がよいと判断し、滋賀県の刑事事件に対応している弁護士の所属する法律事務所に連絡を取ってみることにしました。
(※フィクションです。)
◇放火罪の種類◇
新聞やテレビのニュースなどで報道されている放火事件を目にした方も多いかと思いますが、実は放火罪には3つの種類があり、どこに放火したかによって同じ「放火事件」であっても成立する犯罪が異なります。
さらに、一般に考えられている「放火」という言葉と、刑法の定める放火罪の成立する条件には違いがあるため、「放火事件だと思っていたのに放火罪ではなかった」ということもありえます。
今回の記事から数回に分けて、放火事件について詳しく触れていきます。
まず、刑法に定められている放火罪には、以下のようなものがあります。
刑法第108条(現住建造物等放火罪)
放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。
刑法第109条(非現住建造物等放火罪)
第1項 放火して、現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物、艦船又は鉱坑を焼損した者は、2年以上の有期懲役に処する。
第2項 前項の物が自己の所有に係るときは、6月以上7年以下の懲役に処する。
ただし、公共の危険を生じなかったときは、罰しない。
刑法第110条(建造物等以外放火罪)
第1項 放火して、前二条に規定する物以外の物を焼損し、よって公共の危険を生じさせた者は、1年以上10年以下の懲役に処する。
第2項 前項の物が自己の所有に係るときは、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
3つの放火罪の成立する条件について簡単に整理してみましょう。
◇現住建造物等放火罪◇
まず、刑法第108条にある現住建造物等放火罪は、「現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物」等に放火し、それらを焼損した場合に成立します。
つまり、人が住んでいる家や建物、もしくはそうでなくとも現在中に人がいる家や建物に放火し、それらを焼損した場合に成立するのが現住建造物等放火罪です。
例えば、誰かの家や、営業中の商業施設は、人の住居であったり、住居でなくとも今現在誰かが中にいる建物であることから、現住建造物等放火罪の対象となります。
◇非現住建造物等放火罪◇
次に、刑法第109条第1項の非現住建造物等放火罪は、「現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物」等に放火し、それらを焼損した場合に成立します。
つまり、人が住んでいない家や建物であり、さらに現在中に人のいない建物に放火し、それらを焼損することで成立するのが非現住建造物等放火罪ということになります。
例えば、閉店後で店内に誰もいなくなった飲食店は、住居にも使われておらず、今現在誰もいないことから、非現住建造物等放火罪の対象となります。
なお、刑法第109条第2項の規定は、この非現住建造物等が放火した人自身の所有するものだった場合はそうでない場合に比べて刑罰を軽くするということと、さらに放火・焼損によって公共の危険が発生しなかった場合には罰しないということを定めています。
◇建造物等以外放火罪◇
そして、最後に刑法第110条第1項の建造物等以外放火罪は、今まで触れてきた現住建造物等放火罪や非現住建造物等放火罪の対象となっているもの以外に放火し、それを焼損し、さらに公共の危険を発生させたものを罰する犯罪です。
例えば、自動車などは、そもそも「建造物、艦船又は鉱坑」ではないため、現住建造物等放火罪や非現住建造物等放火罪の対象にはなりません。
そのため、現住建造物等以外放火罪の対象となると考えられます。
また、刑法第110条第2項については、放火・焼損した建造物等以外のものが放火した人自身のものであった場合にはそうでない場合に比較して軽い範囲での処罰となることを定めています。
ではAさんのように自宅に放火した場合、どの法律が適用されるのでしょうか?
次回の記事で詳しく検討していきましょう。
放火の罪は、適用される法律によって、科せられる刑事罰が大きく異なります。
放火の罪で警察等の捜査を受けておられる方、ご家族、ご友人が放火の罪で警察に逮捕されてしまった方は、一刻も早く、刑事事件に強い弁護士にご相談することをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、こうした放火事件のご相談・ご依頼も刑事事件専門の弁護士がフルサポートすることをお約束いたします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。
覚せい剤の輸入は裁判員裁判?③
覚せい剤の輸入事件で裁判員裁判となった事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
◇覚せい剤の輸入事件◇
滋賀県大津市に住んでいるAさんは、以前から覚せい剤などの違法薬物に興味を持っていました。
Aさんが覚せい剤について調べたところ、SNSで知り合った海外に住むXさんが、海外から覚せい剤を送ってくれると声をかけてきました。
Aさんはその誘いに乗り、Xさんから滋賀県大津市にあるAさんの自宅宛に、覚せい剤を送ってもらうことにしました。
しかし、いくら経っても覚せい剤が届かないことからおかしいと思っていたAさんの元に、滋賀県大津警察署の警察官がやってきて、Aさんは覚せい剤取締法違反と関税法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんが送ってもらった覚せい剤は、税関で止められ、検査の結果覚せい剤であると判明したことから捜査が開始されたということのようです。
(※この事例はフィクションです。)
◇覚せい剤輸入と裁判員裁判◇
①の記事で触れた通り、覚せい剤輸入事件では、覚せい剤輸入の目的によって刑罰の重さが変わってきますが、変わるのは刑罰の重さだけではありません。
実は、覚せい剤輸入の目的が営利目的だった場合、受けることになる裁判が通常の裁判ではなく、裁判員裁判になります。
裁判員裁判について定めた裁判員法(正式名称「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」)では、裁判員裁判となる対象の事件について、以下のように規定しています。
裁判員法第2条第1項
地方裁判所は、次に掲げる事件については、次条又は第3条の2の決定があった場合を除き、この法律の定めるところにより裁判員の参加する合議体が構成された後は、裁判所法第26条の規定にかかわらず、裁判員の参加する合議体でこれを取り扱う。
第1号 死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に当たる罪に係る事件
第2号 裁判所法第26条第2項第2号に掲げる事件であって、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に係るもの(前号に該当するものを除く。)
前回以前の記事で取り上げているように、営利目的の覚せい剤輸入による覚せい剤取締法違反には、その法定刑に無期懲役が含まれています。
つまり、裁判員法第2条第1項第1号の「死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に当たる罪に係る事件」にあたることになりますから、営利目的の覚せい剤輸入事件は裁判員裁判となるのです。
◇裁判員裁判は何が違う?◇
ここで、では通常のの裁判と裁判員裁判では何が違うのか、と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。
いくつか裁判員裁判の特徴をご紹介します。
まず、裁判員裁判は、その名前の通り、弁護士や裁判官、検察官といった法律の専門家以外に、一般の方が裁判員として裁判に参加します。
裁判員の方は、裁判官と一緒に弁護士や検察官、被告人や証人の話を聞いたり証拠を見たりして、被告人の有罪・無罪や有罪の場合の量刑(形の重さ)を決めたりします。
つまり、裁判員裁判の場合、法律知識のない裁判員の方にも被告人側の主張を理解してもらうための工夫が必要となってくるのです。
そして、裁判員裁判は、そうした裁判員の方にも裁判内容が分かりやすいよう、また、スムーズに裁判が進められるよう、本番の裁判の前に、公判前整理手続という手続きが開かれます。
この手続きは、あらかじめ証拠を整理したり裁判で争われる争点を明確にしたりする手続きです。
この手続きを裁判の前にしておくことで、裁判を開始してから証拠や争点を絞り込む必要がなくなり、進行がスムーズになったり、今何が裁判で争われているのかが分かりやすくなったりするのです。
公判前整理手続は裁判員裁判以外の通常の裁判でも開かれることがありますが、必ず開かれるものでもありません。
しかし、裁判員裁判の場合、この公判前整理手続は必ず開かれることになります。
裁判員裁判をするとなれば、この公判前整理手続から主張を固めて活動をすることが重要です。
裁判で使用する証拠やポイントとなる争点を決める場ですから、裁判本番ではないから気を抜いてよいということにはならないのです。
そして、裁判員裁判では、裁判の開かれる期間も通常の裁判とは異なります。
例えば、通常の裁判では、起訴されてから大体1,2ヶ月程度で1回目の裁判が開かれ、その後また1,2ヶ月程度で次回の裁判、と裁判が開かれ、最終的に判決が言い渡される、というスケジュールになることが多いです。
そのため、最初の裁判が開かれてから判決が言い渡されるまで少なくとも2ヶ月程度はかかる計算になります。
一方、裁判員裁判は、参加する裁判員の方の負担を減らすため、裁判が集中的に開かれます。
例えば、初回の裁判が開かれた次の日に2回目の裁判が開かれ、さらにその翌日に3回目の裁判が開かれる、といった具合いです。
ですから、もちろん事件にもよりますが、裁判員裁判では、最初の裁判が開かれてから判決が言い渡されるまでは一気に進んでいくことになり、短いものであれば初回の裁判から判決まで1週間かからずに終わることも考えられます。
しかし、先ほど触れた通り、その裁判が開かれるまでの準備段階も含めると、裁判員裁判のために活動する期間は起訴から数カ月間、長ければ年単位になることも考えられます。
長い間集中した活動を求められますから、刑事事件に強い弁護士のサポートを受けながら対応していくことが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、裁判員裁判についてのご相談・ご依頼も受け付けています。
刑事事件専門だからこそ、裁判員裁判でも丁寧かつ迅速な対応が可能です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。
覚せい剤の輸入は裁判員裁判ですか?②
覚せい剤の輸入事件で裁判員裁判となった事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
◇覚せい剤の輸入事件◇
滋賀県大津市に住んでいるAさんは、以前から覚せい剤などの違法薬物に興味を持っていました。
Aさんが覚せい剤について調べたところ、SNSで知り合った海外に住むXさんが、海外から覚せい剤を送ってくれると声をかけてきました。
Aさんはその誘いに乗り、Xさんから滋賀県大津市にあるAさんの自宅宛に、覚せい剤を送ってもらうことにしました。
しかし、いくら経っても覚せい剤が届かないことからおかしいと思っていたAさんの元に、滋賀県大津警察署の警察官がやってきて、Aさんは覚せい剤取締法違反と関税法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんが送ってもらった覚せい剤は、税関で止められ、検査の結果覚せい剤であると判明したことから捜査が開始されたということのようです。
(※この事例はフィクションです。)
◇覚せい剤輸入と関税法違反◇
前回の記事では、覚せい剤輸入による覚せい剤取締法違反について触れていきましたが、覚せい剤輸入事件では、覚せい剤取締法違反だけでなくもう1つ別の犯罪が成立する可能性のあることにも注意が必要です。
それが関税法違反という犯罪です。
関税法第69条の11
1項 次に掲げる貨物は、輸入してはならない。
1号 麻薬及び向精神薬、大麻、あへん及びけしがら並びに覚醒剤(覚せい剤取締法にいう覚せい剤原料を含む。)並びにあへん吸煙具。ただし、政府が輸入するもの及び他の法令の規定により輸入することができることとされている者が当該他の法令の定めるところにより輸入するものを除く。
第109条 第69条の11第1項第1号から第6号まで(輸入してはならない貨物)に掲げる貨物を輸入した者は、10年以下の懲役若しくは3,000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
関税法69条の11の1項1号にあるように、覚せい剤は輸入してはならない輸入禁制品とされています。
この輸入禁制品を輸入すると、関税法違反という犯罪が成立することになります。
関税法109条にあるように、覚せい剤輸入による関税法違反は10年以下の懲役若しくは3,000万円以下の罰金、もしくはこれらを併科されます。
関税法は、普段なかなか目にすることのない法律であるとともに、覚せい剤取締法のように法律名と覚せい剤が簡単に結びつくものではないため、覚せい剤輸入事件で関税法違反が成立するということを知らなかったという方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、覚せい剤輸入による覚せい剤取締法違反の刑罰も非常に重いものでしたが、関税法違反の刑罰も非常に重いものであることがお分かりいただけたと思います。
◇覚せい剤取締法違反と関税法違反◇
では、覚せい剤輸入によって覚せい剤取締法違反と関税法違反が成立するとして、有罪となった場合の刑罰はどのようにして決められるのでしょうか。
複数の犯罪が成立する場合、単純に成立する犯罪に定められている刑罰をそのまま足せばよいというわけではなく、成立した犯罪それぞれの関係性によって、その処理のされ方が異なります。
今回の覚せい剤輸入事件のような場合、覚せい剤取締法違反にあたる行為と関税法違反にあたる行為は、どちらも同じ1つの覚せい剤輸入行為です。
このように、1個の行為が2個以上の犯罪に触れるような場合には、「観念的競合」という考え方で処理されます。
観念的競合では、複数の犯罪のうち最も重い刑罰の範囲で処罰されます。
覚せい剤の輸入による覚せい剤取締法違反と関税法違反の場合を考えてみましょう。
前回の記事で触れた通り、覚せい剤輸入による覚せい剤取締法違反の場合、その目的によって、「1年以上の有期懲役」(営利目的以外)か「無期または3年以上の懲役、情状によって1,000万円以下の罰金の併科」(営利目的)となります。
そして、覚せい剤輸入による関税法違反は、先ほど掲載した通り、「10年以下の懲役若しくは3,000万円以下の罰金、情状によってこれらを併科」という刑罰が定められています。
観念的競合の考え方を用いれば、営利目的以外の覚せい剤輸入の場合には「1年以上の有期懲役」、営利目的の覚せい剤輸入の場合には「10年以下の懲役若しくは3,000万円以下の罰金、情状によってこれらを併科」という範囲内で処罰されるということになります。
複数の犯罪が関連する刑事事件では、それぞれの犯罪がどういった関係なのか、どのような刑罰の範囲で処罰されるのか、といったことも検討しなければなりません。
そういった検討は、専門知識がなければ困難ですから、それも合わせて弁護士に相談し、サポートを受けることが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件専門の弁護士が逮捕直後の取調べから裁判での公判弁護活動まで一貫してサポートいたします。
複数の犯罪に関連した刑事時件でお悩みの際には、弊所弁護士までご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。
覚せい剤の輸入は裁判員裁判ですか?①
覚せい剤の輸入事件で裁判員裁判となった事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
◇覚せい剤の輸入事件◇
滋賀県大津市に住んでいるAさんは、以前から覚せい剤などの違法薬物に興味を持っていました。
Aさんが覚せい剤について調べたところ、SNSで知り合った海外に住むXさんが、海外から覚せい剤を送ってくれると声をかけてきました。
Aさんはその誘いに乗り、Xさんから滋賀県大津市にあるAさんの自宅宛に、覚せい剤を送ってもらうことにしました。
しかし、いくら経っても覚せい剤が届かないことからおかしいと思っていたAさんの元に、滋賀県大津警察署の警察官がやってきて、Aさんは覚せい剤取締法違反と関税法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんが送ってもらった覚せい剤は、税関で止められ、検査の結果覚せい剤であると判明したことから捜査が開始されたということのようです。
(※この事例はフィクションです。)
◇覚せい剤輸入と覚せい剤取締法違反◇
覚せい剤に関わる犯罪として1番に思い浮かべられるのは、Aさんの逮捕容疑になっている覚せい剤取締法違反でしょう。
覚せい剤取締法では、覚せい剤の所持や使用だけでなく、覚せい剤の輸出入や譲渡等も禁止しています。
覚せい剤取締法
第41条
1項 覚せい剤を、みだりに、本邦若しくは外国に輸入し、本邦若しくは外国から輸出し、又は製造した者(第41条の5第1項第2号に該当する者を除く。)は、1年以上の有期懲役に処する。
2項 営利の目的で前項の罪を犯した者は、無期若しくは3年以上の懲役に処し、又は情状により無期若しくは3年以上の懲役及び1,000万円以下の罰金に処する。
3項 前二項の未遂罪は、罰する。
第41条の2
1項 覚せい剤を、みだりに、所持し、譲り渡し、又は譲り受けた者(第42条第5号に該当する者を除く。)は、10年以下の懲役に処する。
2項 営利の目的で前項の罪を犯した者は、1年以上の有期懲役に処し、又は情状により1年以上の有期懲役及び500万円以下の罰金に処する。
3項 前二項の未遂罪は、罰する。
第41条の3
1項 次の各号の一に該当する者は、10年以下の懲役に処する。
1号 第19条(使用の禁止)の規定に違反した者
このうち、今回のAさんは海外から覚せい剤を日本に送ってもらっているため、覚せい剤の輸入に関する罪に問われていると考えられます。
覚せい剤輸入による覚せい剤取締法違反の場合、覚せい剤輸入の目的が何だったのかによって、その刑罰の重さだけでなく、裁判の形まで大きく変わることになります。
覚せい剤取締法41条1項にあるように、単純に自分で使いたいといった理由で覚せい剤を輸入した場合には、1年以上の有機懲役となります。
罰金刑のみの規定がないことから、起訴されれば必ず公開の法廷で裁判を受けることになり、有罪となれば執行猶予がつかなければ刑務所に入ることになりますから、これだけでも非常に重い刑罰が定められていることが分かります。
しかし、覚せい剤輸入の目的が営利目的、つまり、輸入した覚せい剤を売るなどして利益を得る目的で覚せい剤を輸入したような場合には、さらに刑罰が重くなります。
覚せい剤取締法41条2項にある通り、営利目的で覚せい剤輸入行為をした場合には、無期若しくは3年以上の懲役に処され、情状によってはそれらに1,000万円以下の罰金が加えて科されます。
執行猶予がつけられる条件の1つは、言い渡された刑が3年以下の懲役であることですから、営利目的の覚せい剤輸入では、執行猶予を獲得することも難しくなってくることが分かります。
さらに、刑罰に無期懲役が加えられていることから、裁判の形も通常のものとは異なり、次回以降の記事で詳しく取り上げる裁判員裁判という裁判が開かれることにもなります。
このように、覚せい剤輸入行為の目的によって、刑罰の重さや裁判の形が大きく異なるため、覚せい剤輸入事件の場合、どういった目的で覚せい剤を輸入したのかが非常に重要となるのです。
実際には営利目的でない覚せい剤の輸入であったとしても、営利目的を疑われ、そのように捜査されることも十分考えられます。
自分の認識通りに取調べ等に対応できるよう、弁護士のサポートを受けながら対応に臨むことが効果的です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、覚せい剤の輸入などの覚せい剤取締法違反事件にも、刑事事件専門の弁護士が迅速かつ丁寧に対応いたします。
裁判となった場合、取調べでの供述が証拠となる可能性もあるため、取調べ等への対応は事件が発覚してから早い方が望ましいでしょう。
逮捕されてしまったら、出来る限り早く弁護士へご相談することをおすすめいたします。
まずはお問い合わせ用ダイヤル0120-631-881までお電話ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。
SNS投稿から児童ポルノ禁止法違反
SNS投稿から児童ポルノ禁止法違反
SNS投稿から児童ポルノ禁止法違反となったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
滋賀県東近江市の高校に通っている高校1年生のAさん(16歳)は、ある日、同級生のVさんをからかってやろうと、Vさんが着替えているところをスマートフォンでこっそり撮影し、その写真をSNSに投稿しました。
その投稿を見たVさんが両親に相談し、Vさんは両親と一緒に滋賀県東近江警察署に相談しました。
その結果、Aさんは滋賀県東近江警察署に呼び出され、児童ポルノ禁止違反の容疑で事情を聴かれることになりました。
Aさんは「からかい半分にSNSに投稿しただけでこんなに大事になってしまった」と驚き、両親とともに、少年事件に詳しい弁護士に今後について相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・SNS投稿で児童ポルノ禁止法違反
今回Aさんが違反したという容疑をかけられている児童ポルノ禁止法(正式名称「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」)では、児童ポルノの製造や所持、不特定若しくは多数の者への提供や、児童ポルノを公然と陳列することを禁じています(児童ポルノ禁止法7条)。
これは、たとえ行為者自身が児童(児童ポルノ禁止法2条1項の定義では、18歳未満の者)であっても変わりません。
児童ポルノ禁止法7条
(略)
3項 前項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを製造し、所持し、運搬し、本邦に輸入し、又は本邦から輸出した者も、同項と同様とする。同項に掲げる行為の目的で、同項の電磁的記録を保管した者も、同様とする。
4項 前項に規定するもののほか、児童に第2条第3項各号のいずれかに掲げる姿態をとらせ、これを写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、第2項と同様とする。
5項 前二項に規定するもののほか、ひそかに第2条第3項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、第2項と同様とする。
6項 児童ポルノを不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した者は、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
電気通信回線を通じて第2条第3項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録を不特定又は多数の者に提供した者も、同様とする。
今回の事例のように、Vさん=児童(18歳未満の者)の着替えを撮影することは児童ポルノの製造に当たり得ます。
さらに、それをSNSに投稿することは、不特定多数の人にその児童ポルノを見せられる状態に置くことになりますから、児童ポルノを公然と陳列していることに当たります。
こうしたことから、Aさんの行為は児童ポルノ禁止法違反に当たり得ると考えられるのです。
・児童ポルノ禁止法違反以外にも犯罪が成立?
加えて、今回のAさんはVさんの着替えをこっそり撮影していることから、いわゆる盗撮に関連した犯罪の成立も考えられます。
事例には詳しい場所や状況がありませんが、場所や状況によっては、児童ポルノ禁止法違反以外に、京都府迷惑防止条例違反や軽犯罪法違反、建造物侵入罪などの成立が考えられるでしょう。
SNSに関連した児童ポルノ禁止法違反事件で被害者が判明している場合には、謝罪や示談交渉を行っていくことも考えられますが、当事者同士での交渉では処罰感情の高まりなどからこじれやすいと考えられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所ではこうした児童同士の間で起こってしまった児童ポルノ禁止法違反事件のご相談・ご依頼も承っていますので、まずはお気軽にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。
警察出頭前の初回無料法律相談
警察出頭前の初回無料法律相談
警察出頭前の初回無料法律相談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
Aさんは、滋賀県近江八幡市で暮らす会社員です。
ある日Aさんは、路上で好みの女性Vさんを見かけたことから、Vさんに突然抱き着き身体を触るという痴漢事件を起こしてしまいました。
Vさんが悲鳴を上げたことからその場から逃走したAさんでしたが、後日、滋賀県近江八幡警察署から電話がかかってきました。
「警察署で話を聞きたい」と言われたAさんは、警察へ出頭する予定を決めましたが、どのように対応していいのか分かりません。
そこでAさんは、初回無料法律相談をしている弁護士に相談し、出頭前に警察への対応等について詳しく聞いてみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・出頭前に弁護士に相談
もしもあなたやあなたのご家族が警察に出頭を求められたら、警察から連絡が来たら、どのように対応するでしょうか。
取調べにきちんと対応できるのか、逮捕されてしまうのではないか、たくさんの不安を抱えられることでしょう。
そもそも警察の連絡へもどう対応していいのか、と困惑される方も少なくないでしょう。
だからといって、刑事事件を起こしてしまった、犯罪を疑われているという話は非常にデリケートで、周りの人に相談しようにも相談しづらいでしょう。
そんな時に活用していただきたいのが、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士による初回無料法律相談です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件専門の弁護士による法律相談を、初回無料で行っています。
弊所の弁護士による初回無料法律相談では、刑事事件専門の弁護士から直接話を聞くことができます。
刑事事件の当事者から事情を聞くことで、弁護士もより詳細なアドバイスをすることができます。
例えば、出頭後の取調べが不安な方には、取調べの対応方法や気を付けるべきポイントを弁護士からお話しすることができます。
取調べで話した内容は、後々裁判になった時に証拠として使われる可能性がありますから、自分の認識と違うことを話してしまわないよう、取調べを受ける段階から注意する必要があるのです。
他にも、出頭後の逮捕が心配な方には、初回接見サービスを含む弊所弁護士による弁護活動のご案内も可能です。
逮捕されないようにどのような準備が必要なのか、逮捕されてしまったとしたらどのように活動をすべきか、弁護士から聞いておくことで、出頭前から逮捕に備えることができます。
弁護士への相談、と聞くと敷居が高いように感じられるかもしれませんが、弊所の弁護士による法律相談は誰でも初回無料でご利用いただけます。
弁護士への相談を通じて刑事事件の手続きや流れ、対応の仕方や注意点をあらかじめ把握しておくことで、いざ取調べや逮捕となった時にも混乱を最小限に抑えながら臨むことが期待できます。
先述のように、刑事事件に関するお悩みは誰にでも相談できることではありませんし、専門家からのアドバイスは効果的です。
滋賀県の刑事事件にお悩みの方は、お気軽に0120-631-881までお問い合わせください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士によるサービスを、専門スタッフが丁寧にご案内いたします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を中心に扱う全国的な刑事総合法律事務所です。
刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、迅速丁寧に対応致します。
当事務所の初回の法律相談は全て無料で行っております。夜間でも、土日祝日でも、365日24時間体制で法律相談のご予約を受け付けております。弁護士のスケジュールが空いていれば、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。滋賀大津の刑事事件・少年事件に関するお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。